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紅の姫は紅煌たる覇道を血で染める  作者: ネコ中佐
第1章 目覚めの王国
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Chapter3-3


○いつだって、バカは現れるもの



手を振るナッシュの元へ行くと受付には一度見た領内の冒険者ギルドと同じく綺麗に整頓されており作業台には舞い込んで来た依頼が分別されていてよく行き届いているのがわかる。


「それじゃ、彼女に任せればトントンと進むはずだよ。僕は、少し席外すけど何かあれば呼んでね。」


ナッシュはエストレアに断りを入れつつ、受付の女性に手を振ってそのまま酒場の方へ進んでいった。よく見れば、ジッドやアンナ、ドランの面子も揃っている。





「いらっしゃいませ、冒険者ならばギルドカードを、冒険者登録希望者なら身分を証明できるものを提示した上で銀貨3枚必要です。」


「ああ、登録したい。頼めるか?」


検問所で発行してもらった仮市民権と銀貨3枚を受付の女性に渡す。すると、引き出しを開け、一枚の羊皮紙を手渡して来た。



「畏まりました。では登録料として銀貨3枚いただきます。それとこちらの紙に名前と使用する武器、あるいは魔法を大まかでいいので書いてください。それが終わりましたらまた声をかけてください。」


そう言って受付嬢は一枚の紙を渡してきた。

紙には要はスタイルを書けと言っているので格闘戦と書いておく。他には長剣を持っているのでそれも記載しておく。

書き終えたので受付嬢に渡す。ついでに銀貨2枚も支払う。


「ではこの水晶に手をかざしてください。それでギルドカードが発行できます。」


言われた通りに水晶に手をかざす。

すると、淡い光がほのかに発すると文字のようなものが浮き上がってくる。


「魔道具も問題なさそうですね。では明日にはギルドカードは出来ます。ギルドに関して説明はいりますか?」


「頼む。」というと受付嬢は説明してくれた。


「では。ギルドはギルド規則第三条に則って貴方を冒険者として登録します。


依頼はギルドカードがないと受けられないので依頼は明日からになります。冒険者は鉄(F)〜白金(S)までランクがあり一番下から始めてもらいます。


依頼はF〜Sまであり二つ上のランクまでなら受けることが可能です。ランクは依頼をこなすとギルドカードにギルド貢献ポイントが貯まります。これが一定までたまるとランクアップ試験を受けることが出来ます。


試験に受かることでランクが一つ上がります。当然、ランクが上がれば上がるほど必要なギルド貢献ポイントは増加します。ここまでいいですか?」


エストレアは頷くと受付嬢はこほんと一呼吸おき説明を続ける。


「なお、依頼に失敗した場合、違約金として依頼の契約料の1.8%を支払っていただきます。基本ないでしょうが、支払えない場合は三日猶予をつけることもできます。


次に魔獣に関してですがこれは依頼されたことを確実にこなしてください。素材の納品は特にお願いします。なお自主的に得た素材はこちらが買い取ることも出来ます。ただしある程度は許容しますが剥ぎ取りの素材はしっかりやってください。


でないと買い取れないので。賞金首に関しては賞金首のものであるという証明があれば報酬は渡せます。最後にギルド規則第7条により冒険者同士の争いはギルドは関与しません。互いの責任でお願いします。質問はありますか?」


「ギルドカードは明日だな?ではこれからよろしく頼む。」


「はい。そうですね。こちらこそ、私は受付を担当するのエリーゼと言います。私の他にモナって子もいるんですけど今日はいないんですよ。ギルド規則等が載っているパンフレットを渡しますけど、何かあれば私に言ってくれればいいですよ。」


とびきりの営業スマイルであった。

公私を使い来ないしている。エストレアが酒場の方へ移動しようとするとガタイのいい男共三人がエストレアを囲むように遮ってくる。


エストレアは心の中でお約束だなと呟いた。


「おい、ちょっと待てよ。ルーキー。」

ニヤニヤした顔でそう言った。






●●●








「…………誰だ?あいにく私はお前のようなものに興味はない。どいてくれ。」


訝しげに目を細め、相手を睨むように見つめる。


「いやお前に関係なくても俺にはあるんだよなぁ。お前、今さっき冒険者になったばかりだろう?冒険者ギルドの新人の規則知ってるよなぁ?」


突然何を言いだすんだ、と思えばガタンッという椅子から立ち上がる音と共に一人近づいてくる。


いうまでもない。ジッドだ。


「おい、ボガート。白昼堂々何やってんだ。新人にここで絡むったぁいい度胸じゃねぇか。」


「ジッドか。てめえは引っ込んでろ。俺は先輩らしくこの新人に教えてやろうとしてただけだぜ?ヒッヒッヒ。」


「聞いたぜ?お前新人の女性だけ(・・・・)を引率買って出た後、『突っ込み』やってるってな。公になってないがお前いい加減にしろよ?」


「は!どこにそんな証拠あるんだよ!」


横目でエストレアを欲望丸出しで見てくる。見つめられるというだけでここまで不快になったのは初めてだ。


目の前には屈強そうな男共。しかし、装備している武器には所々刃こぼれが見られ、皮のレザー製の防具は黒ずんで悪臭を放つ。

‥‥‥‥臭い。それが率直な感想であった。




ニヤついたドヤ顔で聞く価値もない要求をしてくる。取り巻きらしい者もそれを捲したてる。そっと目を配ってみると他の冒険者の敵意の視線が。当然自分ではなく、こいつらだが。


「なあ、エリーゼ。これいいのか?規律違反だろ?」


「はい、規律違反ですが、こいつらは言うこと聞かないので諦めてます‥‥。」


常習犯だった。いや、ジッドのいうとおり事実であるならば凶悪な犯罪者だ。


「おい、無視すんじゃねえぞ!」


無視されたと思ったようで、ろくに洗ってないであろうその手を伸ばしてくる。まあ、実際無視していたことは認めよう。

鬱陶しいので足を引っ掛けて片手で襟を掴み擬似体落としで転ばす。


ダァン!!と派手にひっくり返り、床に頭をぶつける羽目になった。


「触るな、汚れる。清潔にしたほうがいいぞセ・ン・パ・イ?」


どっと馬鹿笑いが起こる。もちろん無様に転んだ自称先輩だ。

顔を真っ赤に染めてブルブル震えている。怒りか羞恥かあるいは両方かは知らないが。


「こ、このクソアマァ!ぶっ殺してやるぅ!」


「あ、このバカ!!!」


怒り心頭といった感じで、長剣を背中から引き抜こうとする。

ジッドが注意するがすでに長剣を抜刀している。


が、ここで注意だ。長剣などの剣を背中から抜くというのはゲームやマンガとは違って非常に難しい。


理由は簡単。長剣というのだから人の腕より長いのである。

加えて、彼は左肩に鞘口が向くように背負っている。剣を引き抜くならば右肩に鞘口が来ないといけない。


だから、抜けきるまで時間がかかるし、隙だらけなのだ。

よってどうなるかというと‥‥‥‥。


「ぶげらっ!?」


振り上げたエストレアの回し蹴りが男の顔面にもろに直撃する。男は鼻血が弧を描いて酒場の席へ吹っ飛んでいく。


「寄るな、匂いが移るだろ。」


蹴り飛ばしたエストレアに周りから賞賛の声が上がる。蹴っ飛ばされた男はだらしなく失神していた。


「あー!!せっかくのエールが!!この馬鹿ボガート!てめえ、またやらかしやがったな! ?」


「う、うぐ……あのアマぁ………。げっ!!フレニア!!」


「酒飲む場で剣抜くんじゃねえよ!この!!ダボが!!」


どうやら、吹き飛んだ場所がフレニアの座る場所だったらしく、彼女の怒りを買いまた吹き飛んでいった。外へ投げ出されたボガートは失神していて突然の騒ぎを聞きつけた町民が野次馬のように集まっている。


取り巻き達が野次馬に喚き散らし失神した男を連れていき、去り際に覚えてろっ!とテンプレじみたセリフを残しギルドを去った。


とにかく、冒険者になれたことだし、エストレアは散らかったテーブルや椅子、コップを片付けるのを手伝い、ジッド達と今日は飲むことにした。

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