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紅の姫は紅煌たる覇道を血で染める  作者: ネコ中佐
第二章 動乱の帝国 ベル・クラウディア
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Chapter Fatal Battle 7

お待たせしました!………冒頭から「は?」と思う方が出ると予想する(´⊙ω⊙`)



【¥$?*?%?】




──ザ、ザザ……ザザーーーーーー……



         ──ブゥン……──



───◾️世◾️から来たとかいう人間達はどうかね?



『順調ですよ。幼いというものあるでしょうが、従順なものです。こうも簡単に他人を信じられるというのは、可愛いものですな』



───◾️学だったか?我が魔◾️◾️学と比べて、技師であるお前から見てどう映った?



『それを聞くのは野暮ってものですよ。基礎理論が違いますし、あちらには魔力がない。それでも、こちらと技術レベルが比類しているのは見事なものかと』


『特にス◾️◾️トフ◼︎ンというものはなかなか革新的ですな。金属とプログ◾️ムのみで緻密に構成されている。魔◾️工◾️も負けていられません』



───参考にはなりそうか?



『どうでしょうな。ですが、新しい境地にはなるでしょう。彼女も彼等と交流しているところを見ている限り、我々の礎となる資格はあるようで』



───仕方あるまい。アヴァ◾️◾️・シ◾️◾️◾️ムによる完全な◾️◾️体制では、少しでも停滞してはならない。技術レベルが低くても、視野が異なれば別の切り口となるだろう。


『完全なるもの、の弊害ですな。今の我々には諍いも◾️争も犯◾️もない、ある意味では不完全な世界を維持する為にこうして手を染めねばならないのですからな』



───作った我々が言えた義理ではないな。元より彼女は、あそこから出ることは叶わん。世界を◾️◾️しているが、世界を◾️たことがない。此度の異◾️人達は彼女の無聊の慰めになるといいのだがな。



『さもありなん、というべきでしょうな』



───こればかりはどうにもならん。今更、世界のあり方を変えることはできん。それに培◾️槽から出れば、あの子は肉体を維持できない。シス◾️ムと繋がっている故に、この依存しきった社会構造も崩壊し我々も共倒れだ。それだけは避けねばならぬ。



『そう言う星の元に生まれてしまったわけですから。故に、彼女は求めるのでしょうね。そういった意味では、彼らには感謝しなければ』


───…………。


『いや、私も一度は見てみたいものですな、地◾️とやらを』





──ゴポッ………





 全ては、あなたの為に。


 あなたの為の物語。


 そして、この世界は貴方に基づく物語。


 夢を見ない、見ることのできない貴方に星を想う夢の導を。あなたが望まれた事を、望んだように。





──ゴポポッ…………




 たとえどれほどの刻を重ねようと、は◾️罪を望むのです。


 罪は消せないのです。絵の具で塗りつぶすように蓋をしても消せないのです。


 枯れ果てる程に、◾️の叫びが私の心を締め付けてしまうから。







◆◇◆◇








「ぁ…ぐっ……がはっ……」


 エストレアは指一本動かせない程のダメージを受けた身体を無理やりに動かそうと身じろぎをする。


 エストレアは光の弾幕の中で一瞬だけ、見覚えのない何かが聞こえたような気がした。同時に、ノイズ混じりの記憶のない景色も垣間見た気がした。


 おそらく幻聴の類。気のせいだろうと思い、追撃を避けるために動け動けと身体に命令を下す。


「ぐっ、うぅ………!!!」


 だが、実際はどうだ。筋肉の一つ動かせない。痙攣させることは出来ども、この身を起き上がらせるには至らない。


 灼熱の異空間の中で、相手が放った攻撃によって無惨に吹き飛び、こうして無様を晒している。


 なんたる有様か。敵が少し本気になった(・・・・・・・・)だけで、ほぼパーティーは半壊。


 ネロは吹き飛ばされて行方は分からず、イルナとイザルナは鎧の半分近くが砕けてしまっている。比較的無事なのはジェシカだが、だが魔力を食う巨神兵の維持だけでもかなり厳しいと言わざるを得ないだろう。


 対峙した時はただ巨大でタフなだけと括っていたのが原因だ。


 そのツケを今、身をもって思い知ったのだから。


『敵対勢力の戦闘力低下を確認。ダメージ演算開始。絶命・・に必要な火力を再計算……。これまでの演算外の事象を鑑み、考慮します。全門一斉射撃による『威嚇射撃』で威圧、その後、全機能を反映させた『対地脈焼却型荷電光子砲アンチ・ガイノウト・フォトン・キャノン』による物理的粉砕を採用します』




『システムより通達。ご健闘、お疲れ様でした』



───キュイィィィィィィィィィィィィ…………!!!!



───キキキキキキ………………




 空間が軋む程の濃密な死の匂い。桁が違う高密度の魔力エネルギーの奔流が、エストレア達に向けてチャージを開始する。


 光の奔流が、まるでイズバザデン・アポクリフォートの機体を包む天使の羽のように渦巻いている。そう錯覚するほどの、可視化された高エネルギー。


 『対地殻破砕徹甲弾』もそうだが、あんなものをまともに喰らえば────



───塵が残れば御の字だろう。


『チャージ完了』


 無慈悲な宣告が為される。それでも、と生きる為に身体を無理やりにでも動かそうとする。本能と理性が同時になって動こうともがく。


『発射』


 身体が真っ白に染まるほどの激しい閃光が放たれる。刹那の間、このコンマ数秒の差で何が出来るのか。














─────────────────────────





【───させないわ。その未来さきは訪れない】


【◾️の骸に被さりし、天に煌めく神話こそ我らが望む◾️◾️の情景。籠の鳥の蝶番、縛鎖の金具を外す運命は壊れはしないのだから】




─────────────────────────





「お姉様っっっ!!!」


 エストレアの前に大きな影が入り込む。それはジェシカが乗り込む巨神兵。


 毀れずの盾に、ありったけの魔力を注ぎ込み白死の光を受け止める。


「がっ、ぐっ、うぅう………!!!!な、なんですの、この、重さ……!!!」


《警告します、武装の想定された耐久性を超過したダメージです。このまま展開しますと、耐えられません》


「んな、こと、ぃって、いる場合ですの!?」


 だが巨神兵に宿る魂、ジェシカが契約するそれの警告は本物だ。みるみる減る耐久度に、フレーム自体も度重なる戦闘でボロボロ。錬金術で修復しようにも、そんな暇はない。


《警告、耐久度が25%を下回りました。これ以上はマスターが危険です。武装を解除し、離脱を推奨します》


「んなこと、出来るわけないでしょうがっ!!!ここで身体張らなきゃ、いつ気張るんですの!?」


──こん、のぉおおおお!!!とジェシカは腹の底から気合の入った叫びと共に、エストレアを守る盾であることを放棄せずその機体そのものさえ受け止める盾にしようとした。


『妨害を検知、想定内です。一門展開、二重螺旋斉射』


 だが、それでも。敵はあまりにも無慈悲で強大だった。覚悟さえ踏み躙る、無機質な音声とともに新たに空間を歪ませて光の奔流が渦を巻く。


「ぁ………?」


──次の瞬間。


 光を受け止める盾に大きな音と共に粒子となって砕け散り、二重となった光は巨神兵へ向かう。


 ジェシカの脳裏によぎったのは死。次の瞬間には、巨神兵ごと蒸発するだろう。


 それでもジェシカは引かない。引くこともできないのだから逃げる必要なんてない。


──なら、次の刹那に訪れる結末を受け入れるのか?


 それはもちろん否である。


 エストレアの盾になっていた巨神兵の背後から二つの影が飛び出す。


 それはダークエルフの双子のイルナとイザルナの2人だった。ダークエルフの生命力の鎧は半分近くが砕け、ひび割れかけている状態で渾身の勢いで攻勢に出る。


 エストレアの加護は未だ機能していることを利用して、灼熱の異空間の中を駆け抜ける2人。


 だが、それさえ敵は動じない。凡ゆるパターンを演算できるが故に。


『新たに攻撃敵性存在を認識。迎撃システム作動。反陽子炸裂榴弾(グレネイド)投下。40mm機関砲、一斉射』


 2人の移動方向さえ演算した上で軌道修正しながらの砲撃の嵐。だが、それでも2人は止まらない。致命となる部分だけを捌き、必要最低限の動きで躱し、避けられない分は敢えて受ける。


 敵はそれだけじゃない。砲撃により、あたりに飛び散る溶岩の礫も対処しなければならないのに2人は止まることはない。


 距離にして300を切ると同時に2人は高く跳躍。さらに加護によって生じた足場を使ってもう一段階高く跳ぶ。


「イルナっ!」


「姉さんっ」


 2人は互いに呼び、その体を回転させながら弾頭のように突撃。


「「鎧黒天・着脱パージっっっ!!!」」


「これでっ!」


「どうだっ!!!」


 そして生命力の鎧を解除し、その場に霧散するはずの生命力を起源とする高エネルギー体を2人は一つに練り固める。


「「太極星烈波衝シャクティヴィー・カーラアストラ!!!!」」


 2人の放つ一撃はイズバザデン・アポクリフォートの機体を大きく揺らす威力を出した。当然、巨神兵ひいてはエストレアに向けて放っていた『対地脈焼却型荷電光子砲アンチ・ガイノウト・フォトン・キャノン』を中断させるには充分。


「はぁーーー!はぁーーーー!!クソッタレです、わ、よ……!フレームの半分溶けてしまったのですわ!!!」


 毀れずの盾は消え、内部フレームが剥き出しとなった巨神兵のコクピットからジェシカの恨みの声が漏れる。


 いくら錬金術でフレームは直せるとはいえ、神の兵器と称される巨神兵のボディをここまで破壊するイズバザデン・アポクリフォートの異常性が改めて浮き彫りとなる。


『攻撃の中断を認識。予定時間を20%超過。敵の継戦能力を再評価します。1,000,000,000,000,000通りのシミュレーション仮説を提唱。敵性存在に対して攻撃していることに対して主任務から大きく外れていることを指摘。敵性存在を無視して、地上への侵攻にシフトすることを提案します』


 だが相手はイルナ達の攻撃で大きく蹈鞴を踏むも、その機体には凹みがあるだけで破壊には至っていない。


 それどころか、『自分達に相手しているよりも地上に侵攻すること』を優先し出すということを告げた。


「ッッッ!!!く、そっ……!」


 エストレアは痛む身体を押して悪態をつく。これだけ攻撃を与えても、敵はそもそも『自分達を歯牙にかけていなかった』。なんなら、群がる小蝿を払うぐらいの認識だったと言っているようなものだから。


 イズバザデン・アポクリフォートはエストレア達に一瞥することなく、この異空間の入り口、夢幻回廊の裂け目に向かって上昇していく。


 それに伴って、空間内のマグマがさらに煮立ち出し、その体積はどんどん増していく。


「なっ、マグマが……!」


「……ぐっ、奴を追うぞ!奴を………地上に出すな!ここで仕留める!!!じゃないと………全てが終わる!!!」


 だが、エストレアは動こうとした瞬間、膝から崩れ落ちそうになるほどになる。受けたダメージが残った状態なのと、パーティーが半壊した状態でかの敵に追いつくのはほぼ不可能だった。


 ここにネロがいれば、雷撃で追撃が出来たのだろうがいないものを望んでも意味がない。


 そうしているうちに、イズバザデン・アポクリフォートとの距離は開き、遂には──────




『空間の解れを確認。時間の統合性による矛盾帯観測、新たに『対地殻破砕徹甲弾』を生成します。砲身構築。旧筐体から砲身を構築、完了次第発射します』



 そして、再構築する際に不必要となったフレームが新たな砲身として構築されて─────





 


『対地殻破砕徹甲弾、装填。電磁誘導による加速開始。プラズマコイル回転。カウントダウン』




『──10、……9、8、7……』




 運命のカウントダウンが告げられる。遠くから稲妻の轟音───吹き飛んで行方知らずだったネロが近づいて来ているが、もう───間に合わない。




『6……5……4……』



 再度、槍にも似た豪雷が閃くも、虚しく発射目前状態の溢れ出るエネルギーの密度に弾かれ霧散してしまう。



『3……2……1……』





『───発射』



 この敵を封じ込めるための夢幻回廊は。






 放たれた極光によって─────







 ───無惨に引き裂かれた。










◆◇◆◇





【???】




 かの者が地上に姿表す時。


 この世のすべての山々は一つ残らず火を噴く。


 大気に火が燃え移り、燃える岩を雨の如く注ぐ。


 湧水の如く炎を流出させ、ありとあらゆるものを打ち倒す。


 そして、国を囲みし大地は大いなる火の釜とならん。




 花香る何処かで、筆を走らせる音が風に乗って消えていく。


「残り時間は僅かであり、敵は強大。けれど、そういう時こそ。あなたの力は強く、眩く、光り続ける。可愛いエストレア。強く望みなさい。貴方が望むのならば。望んだことを望まれたように、貴方の願いを叶えるわ」





《罪の意識は、告白を必要とする。芸術作品は、一個の告白である》

            ──アルベール・カミュ抜粋








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これからも、この物語を見守ってくださると嬉しいです!


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