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時代錯誤なエスプリ魔法使いの旅  作者: ミッシェル
1/1

プロローグ:気がつけば野原

エスプリ:この小説内ではフランス人的精神という意味を示す。

僕の名前はアンジール=ベル。

あと一ヶ月ほどで27歳のしがない会社員だ。

名前からわかると思うが日本人ではない。

フランス人だ。

親の都合で生まれも育ちも日本、

フランスには行ったこともない。

頭はそれなりに良く、

顔もそれなりだが運動は壊滅的にできない。


そんな僕だが、先程会社での業務を終え、会社を出たところだ。


「帰ったらA◯elieのサントラでも聞くかー.........」


疲れた顔で青になった横断歩道に歩み出る。

その瞬間、車のブレーキ音が響く。

大きな音にふと横を見ると、目の前まで車が迫っていた。


あっ


そう思うか思わないかのうちに、

激しい衝撃と共に目の前が真っ暗になり、

意識が閉ざされる。






気がつけば野原にいた。

目の前に広がるは草の緑と岩の灰色。

目線を少し下げるとそこには手があった。

ただその手はさっき持っていたスマートフォンではなく、分厚い本だった。

よく見ると、視界の端に見える服は生前の元は違っていた。なんだか魔法使いが着るようなローブだった。


もしかしてここは天国か?


さっき自分が恐らくは死んだであろうということを思い出して、周りを見渡す。

何もない。あるのは草、岩、森、はるか遠くに山という手がかりとは微塵も言えないものばかり。


周りの情景に手がかりはない。だとしたら。


もう一度手元の本に目をやる。


「読んでみようかな、この本。自分の罪状が記されてなきゃいいけどねぇ」


柄でもない独り言を言いながら本を開いてみると、

そこには訳がわからない文字が並んでいた。

しかし、何故か僕にはその文字の意味が理解できた。


「轟け......雷鳴....己が敵を光に染めよ.....?

なんだこれ、まるで––––––––」


ファンタジーの呪文みたいだ。

そう言葉を繋げようとした瞬間、僕の目の前を眩い光が走った。

光の後には真っ黒に焦げた草。

どうしよう。まずそう思った。

もしかするとこれは本当にファンタジーの呪文なのかもしれない。

冷や汗を流しながらページを捲り、書いてある言葉を口に出す。


「突き上げろ氷槍、己が敵に零の冷たさを」


僕の前2mほどの地面から氷の槍が出てきた。

どうやらこれは所謂魔導書というものらしい。

何故僕が持っているのかは知らないが、

まぁ何かしらの理由があって手元にあったのだろう。

ここがどういう場所なのか、皆目検討もつかない。

天国か、地獄か、はたまた異世界か。

少なくとも僕のところにはまだ天使も鬼も迎えには来ちゃいない。

異世界なら転生と呼ばれる現象に当たるわけだが、

それなら自分が人か化生かもわからない。

僕は今、現状について何にもわかっちゃいない

だけど、何もしないわけにはいかない。


「とりあえず、進んでみるとしようかな」


魔導書片手に僕は足を前に出し歩み出る。



絶望するにはまだ早い、死ぬには早過ぎたんだ。

お楽しみはこれからじゃないか。

頑張って投稿しますので、今後ともよろしくお願いします。

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