7-EXⅡ
※連投です。
『ラシード・ナキ』
人間族。主君と共に死ねなかった従者見習い。10歳。LV18。
灰色の髪に琥珀色の瞳を持つ、姉によく似た少年。
兄や姉とは大分年が離れているが、二人の事を敬愛し、特に姉であるナリンザの事を母のように慕っていた。
ナキ家の人間としてオードヴァーン家に仕え、将来的には赤子のオードヴァーン家三男ハジム専属の従者となるはずだった。
しかしワシャフの反乱によって主家の当主、将来使える主、そしてナキ家の当主までも一瞬で奪われてしまい、国に残ったオードヴァーン家の勢力を纏めあげる羽目になった。
それでも泣き言一つ言わずに、首都から脱出し、同志たちを各地に潜伏させ来るべき反抗の日に備えた手腕は年齢に似つかわしくない。
オードヴァーン家を守る為なら命を投げ捨てる覚悟をこの年で抱いているが、その分主家に仕えるのが自分の役目と視野が狭くなってしまっている。
そのせいか、ダリーシャスから信頼されているレイに対して、嫉妬まじりの複雑な感情を抱いていた。
紆余曲折を経て、姉の願いやアフサルの真実。そして自分がどうしたいのかを考えた末にダリーシャスを主として仕える事を決めた。
『アフサル・オードヴァーン』
人間族。大人の都合でこの世に生まれた王子。30歳前後。
夕日のような赤と黄が混じり合った髪を左右に流した、誠実な見た目をした青年。
その見た目通り、法に関する取り締まりにおいても厳格ではあるが汚職などを許さない公明正大な人物。
民からの人気も高く、十四氏族からの信頼も篤く、いずれは王になる器だと期待されていた。
しかし、ある時知ってしまった出生の秘密に苦しみ、悩んだ末に悪しき心を宿すようになる。水面下で様々な策謀を巡らして対立する者、邪魔な者を排除する残忍な顔を持つようになってしまう。
その一方で、自らが王になった暁には、よりよい国づくりができると本気で信じており、彼の本性を知った者でさえそうなるかもしれないと思わせる。
彼に付き従う者の多くは、彼の策略に嵌められた人間だが、中には彼の危うい二面性に惹かれた者もいる。
『クリシュ・ナキ』
人間族。もう一人の双頭の槍使い。35歳。LV87。
灰色の髪を無造作に流し、鋭い琥珀色の瞳をした武芸者。
ナリンザの双子の兄。それだけに彼女を男性化させればこうなるのだろうと、彼女を知る者は思ってしまう。
妹と同じく、生まれた時からアフサルに仕えており、彼が赤子の頃からをよく知る。
従者としての自分に誇りを感じ、その生き方に疑問や不満を抱いた事はない。主が死ねと命じれば、あっさりと受け入れてしまう危うさがある。
一方で、アフサルが裏で仕組んだことを全て知る立場の人間でもある。ナキ家の人間ならば主家の人間といえど諫めるべきなのだが、彼はアフサルに心酔しており彼個人の従者であることを選んだ。
『ローラン』
人間種。法王庁に所属するS級冒険者。二つ名は『聖騎士』。20代前半。LV298。
姿形は貴族然とした高貴な品格がある一方で、一度戦いに赴けば白銀の鎧を赤く染めるまで終わらない伝説を持つ。
冒険者として最高位であるS級冒険者。世界に数人しかいない中での筆頭。つまり、事実上最強の冒険者である。
その実力に偽りなく、超級モンスターなら一撃。超弩級モンスターですら単騎で撃破してしまう理不尽な力の持ち主。
ちなみに彼が振るう大剣は、耐久度だけを追求した剣であり、特に秘められた力がある訳でもない普通の剣である。
『ミストラル』
人間族。法王庁に所属するA級冒険者。二つ名は『聖女』。20歳前後。LV236。
優しく慈愛に満ちた精神とは裏腹に、男の劣情を誘う所作をしてしまう敬虔な信者。
朝起きれば神に感謝を捧げ、昼に食事を取る時も神に祈りを捧げ、夜寝る時も神に詔を捧げるという模範的な神官。
その一方で純潔である事、貞節である事を幼少期から叩き込まれたせいで、性に対する知識や欲求が強く、周りも似たような女性神官が多かったせいで耳年増になってしまった。
実はとある特殊技能を持っており、それのせいでネーデの街にゲオルギウスが転移するという事態になってしまった。そのことに責任を感じており、立ち向かってくれたレイに対しては真剣に感謝している。
その方向性がねじ曲がっているのは、もうどうしようもない。
『マクスウェル』
人間族。《神聖騎士団》に所属するA級冒険者。二つ名は『三賢』。年齢不詳。LV215。
見た目はレイと同年齢ぐらいなのに、えらく年寄りじみた喋り方をする少年。
その幼い風貌とは裏腹に卓越した知識や、経験に裏打ちされた観察眼を有しており、《神聖騎士団》の実質的なまとめ役。つまり常識人。
だからか非常識の塊であるローランやミストラルに振り回されてしまっている苦労人。
『マストゥーレ・オルシア』
人間族。男の政治に翻弄された貴婦人。四十代後半。
今にも消えそうなほど脆そうな女性。アフサル・オードヴァーンの母。
若かりし頃は絶世の美女と謳われたが、肉体的にも精神的にも辛い目に遭ったため療養を余儀なくされている。
ファラハ・オードヴァーンへの輿入れの際にワシャフに政治の道具として利用され、せめて生まれてくる子だけでも生きて欲しいと懸命に戦った。
その時に負ったダメージは酷く、いまも彼女を蝕んでいた。
アフサルの苦悩を知り、それが自分の至らなさが招いた事だと自分を責め、せめて母として息子を止めるべくダリーシャスに協力を申し出る。
『クトゥス・ヌギド』
人間族。主を渡り歩く暗殺者。30代前半。LV56。
どこにでも溶け込めるようにと印象に残りにくい平凡な顔立ちをした青年。
一族全員が暗殺者という集団。得意とするやり方は中期から長期に掛けての潜伏からの暗殺。
その為、デゼルト国を中心とした南方大陸のあちこちにヌギド族は暮らしており、その情報網は広範囲に渡っている。
決まった主を持たずに、その時々で主替えをしている。これは一族がかつて仰いだ主の没落に合わせて凋落しかけた経緯のせいである。
そのせいで利ばかりを追い求める一族と揶揄されている。
『ジャマル・グセイノフ』
人間族。グセイノフ家の長男。30歳前後。
人物蒐集という悪癖がある怜悧狡猾な青年。
物や人を見る目は超一流を自負しており、実際に彼の目に適ったものは例外なく優れたものである。
一方で優れた人物を、特に冒険者を手元に置こうとし、様々な悪辣な事をしている。
『ホセイン・プラティス』
人間族。プラティス家の末子。15歳。
詩と文学が好きな気弱な少年。
酷薄な父の振る舞いに恐怖を感じ、横暴な兄たちからの蔑視に首を竦める日々を送っていた。
それでも家族に対する愛情はあり、父の事もそれなりに尊敬している。だからこそ、ワシャフの反乱にも参加し役割を全うしようとした。
『ルドラ・ジブリール』
人間族。ジブリール家の長男。30代前半。
王族であるよりも娘を慈しむ父であることを優先した男。
品行方正で、弱者救済や格差是正を掲げる、民衆側に寄り添える王族。それゆえ、他の王族からは煙たがれても居た。
本人は自分に王位が巡ってくる事はないと早々に諦めており、神前投票が終われば王族の地位を返上しジブリール家に入り、十四氏族の一人として活躍するつもりだった。
その夢はアフサルに崩されることとなる。
『カリバン・デゼルト』
人間族。デゼルト王国国王。90歳前後。
老境の域に達して尚も賢王と呼ばれるに相応しい人物。
十四氏族を束ね、デゼルト王家に君臨する存在。一方で寄る年波に逆らえず、病魔に体を侵されていた。
彼が倒れた事をきっかけにワシャフの反乱やアフサルの暗躍が横行するようになった。
一時期は危篤状態だったが、現在はそれを脱した。だが、息子たちの独断によって幽閉されてしまう。そんな状況でも外で何が起きているのかはきちんと把握しているあたり、老いても王である。
『安城琢磨』
日本人。十三人の『招かれた者』の一人。享年89歳。
後にエルドラドに転生し『冒険王』エイリーク・レマノフと呼ばれることになる男。
幼少期から、自分が生きている世界に対しての感覚が希薄で、どうしようもない苛立ちを抱えていた。
生きているのに、生きている事の楽しさはおろか、辛さも苦しさも悲しみすらも感じ取れない自分。
そんな彼が心惹かれたのは、この世ならざる世界の冒険譚だった。
本来なら、月日が経つにつれて矯正されていくはずだった歪な精神は、純粋な夢を抱き続ける事で歪な状態を保ち、それを13神が一柱、アネモイに拾い上げられることになる。
ここまで読んで下さって、本当にありがとうございます。
今後の投稿については活動報告に記載しますので、そちらをご確認ください。
それと、またしても素敵なイラストを描いてもらったので、そちらも掲載しております。




