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魔の城
「あの商人の話って信用できるのかなぁ。門番に紋章見せろってさぁ。総攻撃とかされそうじゃん」
「貴様!この城に何の用だ!」
「えーっと、この紋章を預かってる者なんですが」
「なんと!勇者殿か!しばし待たれよ!」
「大丈夫なのかよぉ。門が開いたらこうズラっと兵が並んでたりしそうだよぉ」
「勇者殿!お待たせ致しました!魔王様がお会い下されるとのことです!」
「うぉ!会えるのか、すごいな、ダンジョン攻略とかしなくてもいいのかな」
「ようこそ、勇者殿」
「うっわー、すごい、威厳たっぷりじゃん魔王。隣の王妃?さんも綺麗だし」
「どうなされた。紋章を持って来られたということは、王国の使いなのであろう?」
「えーと、なんというか、魔王に脅かされているからどうにかしてくれとか」
「なんじゃ、子供の使いでもあるまいに」
「そういうな、恐らく国王のイタズラだろう」
「まったく父様はいつになってもイタズラが好きで」
「どういうことなの?」