エピローグ
7日に出社すると、ゴールデンウィークを終えた人々が同じように出社してきていた。
当たり前だ、それが社会人と言うものである。
だが、中には7日まで連休の人もいるのでのんびりした雰囲気の中、土産などを遣り取りしつつ連休の報告会のようなことになっている。
「ただいまー。メグミー、お留守番ご苦労さん。はいこれ」
メグミは土産話を聞きつつ、謎のお菓子やスーベニールを貰う。
「国立アテネ博物館行ったのー、ゼウスがねぇ、少年を攫ってるとこだよ」
(あー、本人に会ったわ、そう言う奴だった)
腐った女が喜びそうな絵葉書とか。
「何に使うか知らないけどこれ、コブラ見たんだよぅ」
(見たどころか毒蛇と闘いましたが)
謎のヘビの置物とか。
「タイのカレー滅茶苦茶辛かったんだよ、これは土産用のレトルトだからそうでもないけど」
(辛いと身構えてないのに辛いともっと辛いんだよ)
他にも、有名テーマパークの海賊グッズや「大雨で列車が遅れた」とか「隣の国でテロが」とかの報告。
(あー、海賊は本物に会ったし、船は沈みそうになったわ)
テロどころか直接戦争に参加して来たし。
「ずいぶん熱心に花を取り換えているけど、そういう仲だったの?」
そう言われたが、冗談じゃない。もちろん、言った方も冗談であろう。皆と同じく存在に迷惑していたし、現に行方不明でもそのまま放置され、次の部長が決まっていないではないか。会社もいてもいなくても変わらないことを認めているようなものだ。
だが、次の部長がこの机に来るまでは花くらい供え続けてあげようと思う。
最期の行動の影響で地獄の滞在日数が減ったようだが、また仏様の所に行く機会があったなら、丈夫な釣糸を渡して地獄に垂らすよう頼んでみよう。
なにしろ、彼のおかげで二度と体験できないであろう、不思議な一週間を過ごすことができたのだから。




