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情報収集

 ラッセルの行方を探る前に、赤錆の街テアーズの事情を知る必要があると判断したゴランはヴァーゴに情報収集の役割を任せた。

 ヴァーゴはまず街の魔導具師のもとをたずねた。


「ちょっといいかい?」

「はい、いらっしゃい。どのようなご用件で?」


 ヴァーゴはゴランから渡されたナマクラを取り出した。


「こいつが錆びないように加工を頼みたいんだが」

「ああ、それならすぐできますよ。待ちますか?」

「そうさせてもらう」


 若い男の店主は作業台の上に剣を置き、両手をかざした。

 手がうっすらと光り、少しずつ剣に魔力が注がれていく。

 ヴァーゴは店の商品を物色するふりをして探りを入れた。


「あんたたち魔導具師は錆びの加工で食ってんのか?」

「そうですね。それが一番の収入源です」

「冒険者はたくさんいるみたいだが、すべての剣を加工したら食えなくなっちまうんじゃねえのか?」

「ああ、それなら大丈夫ですよ。剣の加工の依頼は絶えないですからね」

「次から次へ新しい冒険者が来るのかい?」

「いえ、モンスター退治や山賊退治で剣が古くなるんです。それで新しい剣の加工の依頼が入るんです」

「モンスターに山賊ねぇ……。ずいぶん物騒な街なんだな」

「そうでもないですよ。昔はモンスター退治だけだったみたいですが、山賊が現れるようになってからは領主様が冒険者を呼び込んで街を守るようにしてくれたんです」

「いつから山賊が現れるようになったんだ?」

「うーん、そこまでは知らないですね……。私がこの街にやってくる前のことなので……」


 若い店主はしばらくして剣の加工を終えた。

 ヴァーゴは代金を支払い、店を後にした。


 次に向かった冒険者ギルドの酒場で以前、エールをおごった冒険者パーティに話を聞いた。


「山賊? あんな奴ら、いつも俺らが追っ払ってやってるぜ!」

「いつもって、そんなしょっちゅう襲ってくるのか?」

「月に一回くらいか? もっと前は二、三ヶ月に一回だったと思うが、まあ俺らに掛かればちょちょいのちょいよ!」

「そいつは頼もしいな」


 ヴァーゴはおかわりのエールを注文してやり、ギルドの受付に向かった。


「ちょっと話を聞きたいんだが」

「はい、なんでしょうか?」

「山賊がちょくちょく襲ってくると聞いたんだが」

「ああ、山賊退治の依頼ですね?」

「いや、そうじゃねえ。その山賊ってのはいつ頃から現れるようになったんだ?」

「いつごろから……そうですね、たしか十年くらい前って聞いた気がします」

「それからずっと山賊退治してるのか?」

「領主様が冒険者の方々を呼んでくださったおかげで街は襲われずに済んでます」

「そうか……。俺もいずれ山賊退治の依頼を受けるかもしれないからよろしくな」

「はい! いつでもお待ちしております!」


 受付を去ったヴァーゴはゴランたちの待つ宿へもどった。

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