表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/43

獣人の女

「待たせてすまなかった」


 グッドマンが簡単に謝罪し、宿の部屋にいる面々の顔を見渡した。

 仏頂面のヴァーゴ、どっしりと構えたゴラン、そして頭部から猫の耳を生やした細身の獣人の女。


「まずは作戦立案に協力してくれた彼女について紹介させてくれ」

「旅芸人のミーアだにゃ! よろしくにゃ!」


 ミーアと名乗った獣人の女は軽くしなを作って挨拶した。

 ヴァーゴが口を開こうとした瞬間、


「待てヴァーゴ。前にも言ったが彼女は隠密と諜報活動の達人だ」

「……足手まといでなければそれでいい」


 それだけ答えて大人しくなったヴァーゴにグッドマンは内心で驚いた。

 いつもなら揚げ足を取りながら噛みついてくるであろうに、いったいどんな心境の変化があったのか。

 グッドマンは話を進めた。


「ミーアの情報収集から判明した事実を伝える。この歓楽都市エクサリドは酒とギャンブルと売春で成り立っている街だ。この街の実質の支配権はドクヘビが握っている。領主のフィーリッヒは形だけ統治しているが実際はドクヘビの傀儡と言っていい」

「ここからが重要にゃ!」

「この街の問題はギャンブルにある。外から遊びに来た金持ちの中から消えても問題のない者だけを選んで金を吸い上げ、沼に沈めている。以前から不審な失踪が起こっているそうだが、その失踪者に共通しているのが後ろ盾の有無だ」

「王都の体制に関与している貴族はギャンブルで損して帰っていくだけにゃ!」

「要するにドクヘビはこの街を管理して資金調達をしている。そして厄介なのがドクヘビの密売する安酒に質の悪い麻薬が混入されていることだ」

「麻薬入りの酒のせいで街の住人にも被害が出ているにゃ!」

「住人たちも馬鹿ではない。クーデターを起こそうとしている組織と接触を持った。組織の名は暁の団。彼らは周囲の街から傭兵を雇い、領主のフィーリッヒを襲うつもりだった。だが傀儡を殺しても意味はない。私は彼らに情報交換を申し込み、裏の支配者であるドクヘビを標的にするよう交渉した」


 歓楽都市エクサリドの現状とクーデター組織の話。

 長い話をゴランが簡潔にまとめた。


「つまり、クーデター軍と組んでドクヘビを討つ、ということだな」

「すこし違う。クーデター軍は囮にする」


 グッドマンの言葉にためらいはなかった。


「クーデター軍には領主フィーリッヒの屋敷を襲ってもらう。当然、ドクヘビも駐在しているだろう。そちらに気を引かれている隙に私たちは大元のカジノを襲う」

「カジノがドクヘビのねぐら、ということか?」とゴラン。

「カジノの地下にやつらの巨額の資金があるはずだ。当然、そこには戦力の過半数が集まっているだろう」

「幹部を潰さなければ意味がない」とヴァーゴ。

「問題ない。奴らは領主の生き死により資金を優先する。カジノの地下にいればそれでよし。いなくても必ず守りにやってくるはずだ」

「だろう、はずだ、不確実ばかりで作戦なんて呼べねえぜ」

「その通り、ここからが本当の作戦だ」


 グッドマンはドクヘビの幹部を殺すための確実な計画について話し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ