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旅は道連れ

 工業都市ダンカランを離れた三人は南へ向かった。

 グッドマンの目的地である商工都市ベールトルードを目指しながらヴァーゴの宿敵を探す。

 そしてグッドマンの復讐を手伝う代わりにベールトルードの先の都市でゴランの弟子の不祥事を片付ける。

 その手はずで三人は行動を共にしていた。


「もしかしたらとは思っていたが、まさか本当に魔剣だったとはな!」

『爺さんもすげえもんだぜ! 俺様の価値を見抜くだけでなく、新たな能力まで付与してくれたんだからよお!』


 魔導具師ゴランと魔剣デルフィンはすっかり意気投合していた。

 魔剣も魔導具の一つである以上、ゴランの興味を引くのは必然だった。

 だが、ゴランの提案でデルフィンの魔剣としての機能を拡張してみせたのはデルフィンにとっても、ましてや持ち主のヴァーゴにとっても予想外だった。


(あんまりジジイと馴れ馴れしくしてんじゃねえ)

(そう言うなよ相棒。この爺さん、魔導具師としての腕はピカイチだぜ!)


 ヴァーゴの脳裏に浮かべた言葉にデルフィンが返答した。

 ゴランの技術により、魔剣デルフィンは持ち主とのみ念話で話すことが可能となった。

 この能力があれば人目があろうと意思疎通を図ることができる。

 復讐という目的を持つヴァーゴにとって有用な能力であることは歴然だった。


「しかし惜しいな。本来なら部品の一つ一つまで解体して調べてみたいところなんだが……」

『そいつはさすがに勘弁だぜ! 俺様に意識がある以上、体をバラバラにされるなんておっかねえったらねえ!』

「ほぉ、魔導具もそのような感情を持つのか。ますます気になるのぉ」

(前言撤回! やっぱりこの爺さんと仲良くするのはやめだ!)


 同行者が増えてやかましくなった道中にうんざりしたヴァーゴはグッドマンにたずねた。


「次はどこへ向かってるんだ? これ以上、寄り道する気なら俺は単独でドクヘビを追う。箱の中身からドクヘビとつるんでる連中の情報も手に入ったしな」

「残念だが単独で行動しても行き先は同じだ。歓楽都市エクサリド、ドクヘビの幹部がいるとされている都市だ」

「てめえの目的地は別のはずだろう?」

「エクサリドにいるはずの旧友を連れていきたい」

「また人数を増やすつもりかよ」

「ゴランが技師なら今度は隠密行動に長けた友人だ。彼女の能力は必ず役に立つ」

「しかも女かよ……」

「ヴァーゴ、性別で判断するのは危険だぞ。その侮りが命を落とすこともある」

「説教ならうんざりだ」


 不機嫌もあらわに、魔剣デルフィンの柄頭を拳でこづいた。


(痛えよ相棒! 俺様に八つ当たりすんじゃねえ!)

(うるせえ。剣は黙ってこづかれとけ)


 三人は大陸北部でも有数の歓楽都市をめざした。

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