Ⅳ
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彼も僕もきっとただ自分を責めていたことだろう。彼の想い人は彼の痛みにどれだけ気付いたんだろうか。
ノアにとっての神様は自分だけだと思っているのだろうか?
神なんて必要の無い世界がある。
ただ、そこに自分が存在するだけ。それだけで成立する世界。
もし本当の神がいるとするならば、神はただ見守るだろう。崇めることを、そんな小さな役目を知らぬ間に押し付けるようなことなどするはずがない。
でもノアはその役目があるからこそ、自分が生きていることを実感するのだろう。
とても小さな幸せ。
いつか彼に知って欲しい。世界には沢山の幸せがあることを。沢山の愛の形があることを。全ての幸せを抱きしめていいということを──。
人それぞれの幸せがある。
虚構も嘘も真実もきっと幸せを求めた証。
痛みも悲しみも苦しみも掬い上げるような僕でいよう。
僕の心はただ願うだけだ。
ただ暖かい陽だまりのような光でありたいと。
─ END ─




