Ⅱ
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彼の嘘はもう引き返せない所に来ていた。
ある時彼はそこにはいもしない人物まで作り上げて、自分たちを盛り立ててもいた。
彼らの知人としての出演者。何度か彼は彼女─ルカの存在を出していた。
これは伏線とも今なら思える。この時からルカは本物であったのかは微妙である。この違和感の正体はずっと後に知る。
アークとは知らずにルカ(中身は彼)に、彼女が描いた彼らのことに沸いた僕らの言葉を目にする。
裏でも「大人気の俺達」を確認したのだろう。
時にはそこで不快な言葉を見て、心の中で信じられらる人を選別していたかもしれない。
嘘で作られたこの場所はある意味本音を知る場所だったのかもしれない。まるでエゴサーチの場。
でもきっと不快な言葉はほぼ無かったはずだ。良識と良心のある人達ばかりだったし、彼らを好きだから、彼らの知り合いと言われるルカの所にいるのだから。
そのうち彼はこの場所は飽きてきたのか、面倒になってきた。ここはもういいかと思ってルカ(虚構)には退場してもらうことにした。
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アークはそろそろこの全ての場所自体も飽きてきたし、面倒になってきた。人が多いとやはり楽しいだけでは無くなってくる。
「俺を思ってと言われる言葉、暴かれそうな危険な感覚…、ここでは楽しい時間を過ごすはずだっただけだ」そんな気持ちが限界に来たのだろう。
そんな頃に何やら賑やかなことになってしまった。まぁ、少しわざとではあったけど、ここまでとは。と、彼は面倒だったかもしれない。もしかしたら、彼の主役としての最後のエンターテイメントだったのかもしれない。
何も別に起こってなどなかったSNS。
最後は一応短くさよならはした。去り際もしっかりとやっておく。
「俺を好きな人達にはだいたい見れただろう」
立つ鳥跡を濁さず。彼はそんなつもりだったかもしれない。
いや、この後も彼はエゴサーチの如く「知人の彼女(虚構)」に入り込んで、悲嘆に暮れる"彼と友人"と思っていた人達を別視点で見ていたことだろう。罪悪感を背負わされたみんなを。
そう僕もその中の悲嘆に暮れていた一人だった。




