返品不可の明日
___ 「 人生 って 、 こんなものでしょう? 」
彼女 は 、 そう言って、プールの中へ 飛び込んだ。
頭 が 可笑しい人 だと 思った。
真夜中 に 、 仲良くもない 、 話したこともない
僕 を 呼び出して 、急に プール へ 飛び込む なんて
彼女 は 、 少し 変わった 人 で 、有名だった。
いつも 、 学校では 一人 だった けれど
「独り」 では なかった。
「 孤独 」 なんて 知らないような 顔 を していた。
彼女 曰く 、僕 は「ロボットみたい」。
誰か を 敵に 回すこと を 怖がり
好きでもない 人間 に 気に入られよう と
愛想 を 振りまいている 姿 が 、 そう見える、と
いつ 切れるか わからない
糸(縁)に 必死 に 掴まって
それを 、誰か に 切られても
切られてないような フリをする。
それが 、私は 気に入らない。
嘘 ばっかり で 固めた その 仮面
そろそろ 外そうよ 。
私は 、切れない 糸を掴んで
ここで 待っている から。
それは 、ある意味 、 僕 に とって
新しい 挑戦状 だった。
他人が僕のことを 、 どういう風に思っているかが
不安だった。知りたかった。
だけど 、皆は 、
その 本当の 応え を 教えては くれない。
その度に 愛されたくて 、 自分 を 売って
どうしようも なく 溢れ出してくる 「孤独」を
埋めるため に 、お互い を 利用 している。
その度 、僕は 、 都合 の いい 人間 と 認識され
嫌 な こと も 、 段々 断れなくなっていた。
毎日 毎日 、僕 の 背中 は 、重み を 増していった。
それを 、 彼女 は 、 何故 だか よく 知っていた。
___ 「終」 ___