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ダイガード侵攻

町の様子です


ドカタ=復旧工事が仕事の職業の人。日本でいう土方と社会身分的には同じだが仕事内容は違う

「逃げろ!北の方へ逃げるんだ!」

「前を見て走れ!ぶつからないように走るんだ!」


ガウトリアの南では避難が始まっていた。都市の中央にある城、ガウトリアの歴史上で災害獣に一度しか襲われたことの避難場所へと人々は駆けていく。表情を恐れと怯えに染めながらも、パニックは起こさずに走る。


ガウトリアは災害獣が近くを通ったり、十数年に一度は町中まで侵入することもある都市だ。避難するべき時に避難できるという慣れがあった。


慣れ、それは習慣化していると言っても過言ではない。そしてそれ故に、習慣から離れた何かに遭遇した時に綻びが出やすくするものでもあった。


「ねぇ……こっちに来てない?」


誰かがそう呟いた。避難する人全員が後ろを向かないで走る者ではないのだ。襲い来るモノを視認しつつ逃げる者も当然いた。


そしてその呟きは真実だった。蜘蛛のような体躯をした災害獣はその足で城壁を上から押しつぶして前進する。かの災害からすれば城壁など段差もいいところであり、少し足を持ち上げて歩く程度の障害でしかなかった。

障害を乗り越えなお前進しようと足を持ち上げていた。方向は、人々が避難している方向だ


「GIIIIIAAAAAAAAAAAAAA!!!」


災害獣による咆哮が地鳴りのように響き渡る。幸いにも咆哮が出る口は体の上側に付いており、咆哮による振動が直撃することはなかった。


直撃は無かった。咆哮は魔法にも近い振動であり、一定範囲にいるだけで影響を受けるという特性さえ無ければ問題は無かったのだ。


「うぁ……ぁ……」

「い、や……」


口から半径百数十メートルにいる生物の身体を動かなくさせる。咆哮が齎した被害はそれだけであり、十分すぎる被害だった。


最もダイガードに近い場所から避難しようとしている者達は皆動けない。避難誘導していた者も、逃げようとしていた者も誰一人として動くことはできなかった。


本能が恐れているのだ。災害を相手にし生きることはできないと、身体が勝手に動かなくなっていくものすらいた。


正しく咆哮を向けられた先にいた者は、恐れすらしていなかったというのに。


「死になさい」


天から落ちてきた流星が如き存在が、災害獣ダイガードの口から身体を貫き大地へ刺さった。


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