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第7話 夫婦喧嘩は襖(ふすま)と同じ

 次の道の駅(仮)の会議まで1週間。


 その間、商業ギルドや冒険者ギルドを廻り、領民、領官、衛兵の募集を依頼した。


「どのくらい募集するの?」とリーフリット。


「1万石で、兵士、内政官含めて200人位だから、まずは、そこからかな」


「あの、サァ、今まで聞きたかったんだけど、1万石ってどの位なの?」


 そこからかぁ。元日本人だから、分かっていると思った、俺のミス。


「1石は、成人男子1人を1年間養える米の量。

 この国は主食が小麦だから、小麦に置き換えても良い。

 つまり1万石は『1万人の人間を養える領地』という事」


「地味に凄いね」とリーフリット。


「うちの領地は17万石だ」


「おぉ~、玉の輿ぃ~♪」リーフリット、小踊り♪♪


「その様子じゃあ、爵位のことも分かってなさそう。

 簡単に説明するよ。正直、この国の爵位の基準は判らない。

 でも、日本の華族制度が参考になると思う。

 『男爵』 1万石以上3万石未満。

 『子爵』 3万石以上5万石未満。

 『伯爵』 10万石以上25万石未満」


「ちっと待って、5万石から10万石の間は?」とリーフリット。


「グレーゾーン、よく判らない。

 幕府に味方した大名は、石高が高くても子爵・男爵に押し込まれているから・・・この辺りは石高だけでは何とも言えない。

 何となく大名家の一覧を眺めてみると、男爵にするには大きすぎる、5万石未満の大名家を子爵にしているって感じかな」


「続けるよ、臣下の身で成れる最高位は、実質『侯爵』だ。

 25万石以上、上限無し」


「えぇ~、だって、公爵があるじゃない」


「『公爵』は、基本、王族に対する爵位。

 王子様に渡したり、臣籍に降る時、贈られたりする。

 王族でもない臣下の身で、公爵になろうとすればかなり厳しい」


「なった例はないの?」


「あるよ。本音を云えばPRINCEとDUKEを分けて欲しかったけど・・

 以下に上げるのはPRINCEと当てられているけど、本来ならDUKEの方が妥当だからね。

 臣下の身で、公爵になったのは、

 日本では、徳川将軍家、長州の毛利、薩摩の島津、

 五摂家、岩倉具視、山形有朋や伊藤博文なども、公爵。

 幕末維新の勝ち組の褒美みたいなことだけど」


「それでも居るんだぁ~

 それで、PRINCEとDUKEって、何が違うの?」


「PRINCEは『国の第一人者』の意味で、元々は君主の称号。

 そこから転じて、自力でKINGを名乗れない小国の王の称号。

 その場合、公爵と訳さずに公王とか大公と訳すのが普通。

 ただ大公と訳すとGRAND DUKE(大公)がいるから、話がややこしくなる、公王とするか○○公国国王とするのが無難な気がする。

 帝国も含む王国の王子や王族出身の貴族の称号。

 対してDUKEは、王家と血の繋がりのない諸侯の称号。

 同じ公爵と訳されていても、中身が違う。

 そして何故か、日本の公爵にはPRINCEだけが当てられている。

 それでも王家と血の繋がりのない臣下の身で公爵(DUKE)になろうとしたら、かなり厳しい。

 代々宰相を出す名家中の名家くらいでないと。

 藤原摂関家の直系、近衛家を筆頭する五摂家みたいな。

 それでも狭き門だけどね」


「わかった。

 ところで、よくラノベやアニメなんかで『辺境伯』って聞くけど。

 あれは何?」


「侯爵と同じもの、翻訳の違いだけ、語源は一緒、マークグラーフ。

 フランク王国時代の辺境区長官(MARKGUARF)が語源。

 時代が進んで、神聖ローマ帝国以外ではMAQUIS(侯爵)、神聖ローマ帝国ではMARGRAVE(辺境伯)に区別されたけど。

 フランスにもスペインにも、侯爵とは別に辺境伯はいるから

 国境に領地を持つ侯爵を、辺境伯と呼んで区別しているって感じでいいと思う。

 馴染みのあるのは、神聖ローマ帝国の選帝侯、フランデンブルグ辺境伯だろうけど」


 アッ!蛇足だなと思ったが、一言。


「五爵位の場合、閣下と呼ぶのは公爵のみ。

 侯爵以下は、卿(LORD)と呼ぶのが普通。

 これが爵位が低くても、将軍や宮廷伯(大臣)相手なら閣下の方が良いけど」


「でも割と侯爵閣下とか伯爵閣下って、聞くけど・・・」


「それは明らかに誤用だけれども、言われた方も気分が良いからな」

 

 さて、説明も済んだし、領地に戻って街道整備を始めましょうか。




 

 転移魔法で領地に戻ると、早速街道整備を始めた。

 うちの領地は横に長いせいで、街道の長さ80キロはある。


 サクサク遣らねば終わらない。


 第1職業に賢者、第2職業にクリエイト・マスターをセットして

 MPの底上げをして、早速街道整備を始める。


 第1職業と第2職業が逆と思われるでしょうが

 第1と第2では、ステータス補正の量が違う。


 戦う訳では無いので、これで充分。


 元々、4車線(片側2車線)道路の幅があったのだが

 6車線(片側3車線)に拡げる事にした。


 これから多くの人々が行き交うのだ、快適なのに越したことはない。


 土魔法で道幅を拡げ整地する。

 クリエイトスキル「創造」で、セメントを造り、拡げ、敷き石を貼ってゆく。

 セメントが横にはみ出さないように、木枠を使わなくとも

 文殊の総指揮で、魔法を調整し、美しい仕上がりに導く。


 文殊現場監督、様様である。


 1時間で1キロは、作業としては早いのだが、正直気が遠くなる。

 流石に、4時間も作業したら嫌気が指してきた。


 如何しようかと思っていたら、

 いきなりスマホのメール音みたいな音が、頭の中で、鳴り響いた。


(贈、神々からの結婚祝いです。『四十八手』をダウンロードしますか?)


「YES!!!」


(続いて、『房中術』をダウンロードしますか?)


「もちろん、YES!!!で」


 俺は、思わず土下座をして、心から神々に感謝した。


 リーフリットは、作業の邪魔にならないようにと、

 街道に入らない様に、気を使って見守っていたが、

 俺が突然、テンションが上がった行動をとり、

 いきなり土下座など始めたので、気でも狂ったのかと本気で心配してくれた。


(告、インストールの最適化は、就寝後行われ、翌朝から使用可能)


 テンションが上がった俺は、リーフリットの手首を掴み、

 ストレージから、家を出して、そのままリーフリットを連れ込んだ。

 魔王討伐では仲間たちと世話になり、今では、ふたりのスイートルームになっている。


 テンションが上がりきった俺に、奥儀解禁まで待てるはずもなかった。


 領内に人がいないのを良いことに、既に日課と化した夫婦の営みは、

 これより昼夜問わず、3日間に及んだ。


「流石に、3日は不味いよな」


 今、俺は、猛省している。

 やり遂げたせいで、リーフリットは、口もきいてくれない。


「リーフ、ごめん!!反省している、だから、機嫌直してくれ」


 FUNと横を向いたリーフは、返事も返さない。

 居たたまれなくなった俺は、シャワーを浴び中断した作業を再開した。


 

 江戸時代の都々どどいつ


 夫婦喧嘩はふすまと同じぃ~♪

 すぐにハメればぁ~♪すぐにハメレバァ~♪ 元どおりぃ~♪


 本当に、これで円満解決なら、世の亭主は苦労してないと思うけど。

 うろ覚えの都々どどいつに、悪態をついた。


 今回の件は、自業自得とはいえ、気が重い。

 作業しながら、ドンドン気が滅入るのを感じる。


 ヨシ!!ここは、機嫌を取ろう。

 ダメ元だけど、良し。


 俺はスグに王都に転移した。

 お菓子を買い込み、花束を持って帰宅した。


「ごめん!!反省してるから」


 そう言って、貢ぎ物を差し出す。

 リーフは、一瞥して、プイと横を向く。


「・・・水ようかんが食べたい」


「はい?」


「水ようかん!!水ようかんが食べたいのぉ!!」


 売っている処知りません。

 レシピがありません。

 食材ありません。

 それ以前に、作れるかどうか分かりません。


「それは、流石に無理」


 FUN! リーフはソッポを向く。


「・・・・・正座」


「はい?」


「アキュフェース、正座!!!」


 触らぬ神に祟りなし、俺は素直に従った。

 ここから、リーフの説教タイムが始まった。


 最初の1時間で、足の感覚が無くなる。

 座布団折って、お尻に敷きたい!!

 そんなこと許されるはずもなく、

 リーフの機嫌が直るのに3時間を要した。


 何が、夫婦喧嘩はふすまと同じだぁ~。

 これで済んだら、全国のお父さん苦労して無いやい!!!


 自分のことを大きく棚上げして毒付いた。




 機嫌を直したリーフリットと、結局日課は何とかできた。

 朝、恒例のリーフの悶絶シーンを堪能した。


 俺は、ほっこりした気分で街道の舗装工事を始めた。

 

 作業を始めて3時間が経った頃、白龍王が遊びに来た。


「いらっしゃい、今日はどうしたの?」


「どうという事は無いがな。その様子だとお主気付いておらんのか」


「何を?」心当たりが無い。


「領内の瘴気、かなり濃いぞ」


 青天の霹靂って、こういうことを言うんだなと・・


 他人事のように、呟いた。


都都逸に関しては、正しいかどうか、自信がありません。

うる覚えだったのを、そのまま書いたので。

笑い飛ばしてくれれば、幸いです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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頂けると、今後の励みになります。

この物語が、あなたのストレスを緩和する、清涼飲料と成ることを願って。

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