表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/78

第54話 人道支援だ、エルフさん ②

 岩山を建物のように外観の加工をする住居を、何と云ったけ?

 せ、石窟??? 自信が無いので、断言はできないが、俺たちはそんな感じの建物に連行されている。


「こっちだ」

 

 ダークエルフの漢に、乱暴に里長の前に引きずり出される。

 ぐるぐる巻きに縛られた体で、正座をして、里長に一礼する。


「お初にお目にかかります。

 私は、エストニア王国のアキュフェース・フォン・ワント・ツー・アルメニア。

 陛下より侯爵の地位を賜っています」


「その人族が、我が地に何の用だ。

 見ればエルフと同胞か。奴隷でも求めにきたか!!」


「何か誤解があるようですが、

 後ろに居るのは、我が妻たちで奴隷ではありません」


「人族の調子のいい言葉など、信用に値せぬ。

 人族がエルフを妻になど、冗談も休み休み言え!!!」


 俺は、ニッコリ笑って


「では、もう一つ信じられない話をしましょう。

 精霊樹と云う木をご存知でしょうか?」


「・・・・・」


「我が領には、3本の精霊樹がございます。

 場所も東部、中部、西部とわかれていて、

 妻たちだけでは、とても手が回りません。

 そこで、専門家を探しに、ここまで来た、というわけです」


「・・・エルフの里なら、他にもあろう。何故ここに来た」


「確かにございますが、人里までは来ていただけません。

 失礼ながら、昔、不幸があり、今、不遇であるならば、

 話し合いの余地はあると考えました」


 俺は、真摯な態度で話す。


「小僧、随分舐めた事を云う。足元をみての交渉か、随分、笑わせる」


 里長は凄むが、俺にはどこ吹く風だ。


 それにしても、ダークエルフは、身長は俺たちと余り変わらないが、

 全員、体格がいい、

 男は、細マッチョかマッチョだ。

 女は、ボンキュッボンで、みんな、見た目の若い美男美女だ。


 もう潮時かな?百の言葉を尽くすより、見てもらった方が早いと思った。

 俺は縄抜けして、後ろを見ると、リーフたちも、アッサリ縄抜けして見せる。


「後は頼んだ」


 俺はそれだけ言って、里長の腕をつかむ、咄嗟の反応をした護衛が、こちらを襲う。

 護衛の腕もつかみ、領都グランバニアの中央広場に転移した。





 アルメニア州領都グランバニアの中央広場。

 突然、景色が変わり、二人とも処理しきれていないようだ。


 そんな二人を無視して、声を掛ける。


「あの正面に見える木が、精霊樹です」

 俺はその方向を指さす。


 里長は、声に成らない声で、ただ茫然と、ただ茫然と、精霊樹を見上げていた。

 護衛の漢は、恐らく、精霊樹を観るのは、初めてだろう、ただ、圧倒されていた。


 里長は、突然、よろよろとして、四つん這いになり、いきなり号泣した。

 嗚咽し、ただ涙を流す。

 長い時間、泣いていた様に思う。

 ようやく、落ち着いて


「・・あ、あぁ~・・美しい、・・・

 里が焼かれたあの日より、生きて再び目にすることはあるまい、と思っていた。

 こうして、再び、お目に掛かれる日がこようとは・・・・・」


 また泣き出す。


「里長、これと同じものがあと2本あります。

 お願いしたいのは、御神木のお世話です。

 東部、中部、西部と3か所に分かれますが、

 住む村と住居、当座の資金はこちらで用意します。

 どうか、一族郎党引き連れて、この地に来ては頂けないでしょうか」


「・・・あい分かった」涙声で里長は答えた。


「騙されてはなりません。怪しげな術で、我らを騙そうとしているだけです。

 目を覚ましてください。里長」


 護衛のダークエルフが里長の腕をつかむ。

 里長は、護衛の腕を振り払う。


「え~い、うるさい!!夢であったとしても、これほど幸せな夢はあるまいよ。

 初めて覚めて欲しくない、と思える程な」




 里長と護衛を連れて、ダークエルフの隠れ里の謁見の間に転移した。

 そこには、ダークエルフの男衆が、全員、悶絶して気絶していた。

 リーフリットとアイシャは、何事もなかったかのように、腰に手を当てて立っている。


「また派手にやったね!」と言うと


「あなたが、里長を連れて行くから、こうなったの」


 あっけらかんとリーフリット。


「手加減したから、大丈夫でしょ」とアイシャ。


「なんかすみません、里長」俺は、いたたまれず謝った。


「別に構わんよ。それより、これからの話を始めようか」


 10日後、俺たちが受け入れ準備を整えて、迎えに来ることが決まった。





 俺たちは、ダークエルフ『ムハービット』氏族の受け入れ準備をしている。

 里長達と別れた後、『天使アイオーン』の回収を行い、

 領都、支城府に、程近い場所を、ダークエルフの新たな村として開拓中だ。


 安全の為、四方を土塁を築き、空堀を巡らせる。

 念の為、土塁の上から、丸太の柵を巡らせる。

 村の出入り口には、見張り台を設置する。

 移住が完了した時にでも、人避けの結界でも張れば、防犯面は問題ないだろう。


 公衆浴場をもうけ、小川のある中部の村には、水車式洗濯機と脱水機を用意した。

 井戸は当然、手押しポンプで。


 事前に里長を招き、最終チェックをしてもらい、受け入れ体制の準備が整った。




 ダークエルフ、受け入れの為、中央広場は、関係者以外立入禁止にした。

 俺とリーフリットは、数回に分けて、中央広場と隠れ里を転移で往復した。

 全て運び終えると、精霊樹の前では、里長と同じ光景が広がっていた。

 戦火で焼け出された世代は、四つん這いになり、嗚咽し号泣している。

 若い世代は、呆然と立ち尽くしている。


 これで終わりでは無いので、気の収まったのを見計らって、グループを3つに分け、西の村には、リーフリット、東の村には、俺が、それぞれ転移魔法で連れて行く。

 残った中部の村には、徒歩でアイシャが案内をする。

 村の案内のほかに、世話をすることになる精霊樹に案内する。

 古い世代の精霊樹に対する熱意は、周りがドン引きする程だ。




 ダークエルフたちは、

 1月もすると、ここでの生活にも慣れ、落ち着きを取り戻した。

 本来、森の民が平地での暮らし、しかも、農業、馴染めるのかと心配した。

 ダークエルフたちの村の暮らしも高評価のようで安心した。

 そんなある日、里長が、娘を伴って訪ねてきた。


「アキュフェース殿、実はお願いがあって来たのじゃ。

 娘のラターシャじゃ。

 娘を、婿殿いやいや御屋形様の側仕えにして欲しいのじゃ」


 里長の魂胆は、何となくわかる。娘を愛人にねじ込みたいのだろう。

 ラターシャさんは、ボンキュッボンの好みの美女だ。

 スラっとした長い脚、腰はくびれ、大きなお尻も胸も張りがあり肉厚だ。

 車に例えると、メル〇デ〇・べ〇ツの最高級グレードみたいな。

 普段乗っている、乗り心地が良いライトウエイトスポーツも大好きだが、

 最高級の乗り心地を体感するべく、試乗してみたくなるのが、男のサガ。


「その様な気遣いは、無用ですわ。私たちがおりますから。お気遣いなく」

 リーフリットの圧。


「側仕えなら、ボクたちがやってるから、必要無いよねぇ。

 まさか、まだいるの? アリエナイよね」アイシャの圧、マシマシ。


 俺が答えるより早く、断りを出した。二人の圧が怖い。

 しかし、勇者アキュフェースよ。

 ここで屈してはいけない!!

 漢として、当主としての意地を、意地を、見せるのだぁ~


「そうですね、元々、そんなつもりで誘ったわけではありませんから。

 娘さんを人身御供にしなくとも、私達の友好は何一つ変わりませんから、

 安心してください」


 そう言うと、俺は乾いた笑顔を浮かべる。

 やっぱ、無理、二人の笑顔が怖すぎる。


 こうでも言わなきゃ、『絶対、二人に刺される』そんな予感。


 ラターシャさん、好みの路線は違うけど、1度くらい試乗したかったな~

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

ブックマークの登録と

☆☆☆☆☆に、面白かったら★5つ頂けると、今後の励みになります。

この作品が、明日も頑張れる一助となりますように

あなたの人生に幸あれと、願いを込めて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ