第47話 試練の塔へようこそ アイシャさん ①
次の日、俺とアイシャは、仲直りをした。
ほっとした表情のリーフリットが印象的だった。
色々心配かけたリーフリットに、何かサービスしてあげようと、頭の隅にメモをした。
その日の夜は、萌えに燃えた、二人が意識を失うまで、頑張った♪♪
翌朝、二人ともまともに歩く事さえできず、メイドの肩を借りていた。
事ここに居たり、やり過ぎた事を悟り、猛省した。
こんな平和な日から、十日後、世界中の教団の神殿に、神託が降ろされた。
転職システムについてである。
①転職できる資格は、LV20以上とする。
②一度、職に就いたら、スキルレベル8、マスタースキルに成るまで次の転職はできない。
③上級職転職に必要な、2種類の基本職が、共にマスターであれば、試練の塔を経て、上級職の道が開かれる。
但し、試練の塔に挑む場合、最低LV40が必要。それ以下の場合、命の保証はない。
④基本職への転職の手数料は、大銀貨1枚(1万円)位を目安とする事。
⑤基本職の職種
戦士、弓使い、モンク、シーフ、回復術士、魔術士
⑥上級職
バトルマスター=戦士+モンク
パラディン =戦士+回復術士
マスターモンク=モンク+回復術士
魔法戦士 =戦士+魔術士
賢者 =回復術士+魔術士
レンジャー =シーフ+弓使い
俺は神託の内容を見て
「基本職と上級職がやけに少ないな。
踊り子も詩人も無いし、薬師や錬金術師などの生産系が、ゴッソリ抜かれてる。僧侶も回復術士に成ってるし」
「戦うのに特化してるみたいね。でも、あなたの好きなダンシングソードも消えてるわね」と、リーフリット。
「あれは大勢を相手にするのに、使い勝手が良かったんだけど」
「何にしても、この6種類は、転職可能なんだ。楽しみだなぁ~♪♪」
アイシャは、とても機嫌が良い。
ご機嫌で何より。俺はこれから、試練の塔造りが待っているんだけど。
数日後、教団から試練の塔の建設依頼が来た。
建設予定地は、教団の総本山、テニオン神国の聖都アクアポリス。
俺はテニオン神国へ出発した。
祈りの都アクアポリス、白で統一された白亜の都、中央の大聖堂を中心として、整然とした街づくりが行われている。
ひと際目を引くのが、最も大きな聖堂を中心として、二回り小さな聖堂が正6角形、道路の感じから六芒星を描いている。
「あれは、中心は創造神様と大地母神様が、夫婦神として一緒に祀られているわ。
北側の神殿から、時計回りに、戦神、海王神、商業神、技能神、魔法神、輪廻転生の神が祀られているわ」
案内役のリーングランデ大聖女様。
「明るい感じで、思った以上に洗練された綺麗な都でびっくりしたよ。
もっと堅苦しくて、陰鬱なイメージしていたから」
「そういうことは大きな声で言わない方が良いわよ。
異端告発されても、責任持てないからね」
リーングランデは、悪戯ぽく笑う。
「気を付けるよ、リーン」俺もつられて笑った。
「リーフとアイシャが来てくれて、助かったわ。
後で良いから、精霊樹を診て欲しいの。
庭師もビビッて誰も世話してくれないのよ」
「良いけど、こんな遠い所、そうそうこれ無いわよ」
リーフリットが、他人事のように答える。
「転移魔法が使える女に言われても、説得力の欠片も無いわ。
リーフって、もっと慈愛に満ちていると思っていたわ」
「初めて聞いたわよ、そんな話」リーフリットが、受け流す。
乗る気でないリーフリットを諦めて、
リーングランデは、ターゲットをアイシャにロックオンした。
「アイシャ、上級職、これからでしょう?
お勧めは『賢者』よ。
賢者なら、転移魔法も使えて、飛翔魔法で空だって飛べるわ。
並列処理スキルで2つの魔法を同時に使えるし、無詠唱が使えるのも賢者からよ。
ねえ、アイシャ、賢者って、お得が一杯と思わない」
リーングランデのテンションに、若干、アイシャは引き気味だ。
「アイシャ、リーンの言う事なんて、気にしなくていいぞ。
アイシャの好きな職を選べば良いから」
俺は、アイシャに助け舟をだす。
「余計な事を云うのは、この口かしら」
リーングランデは、俺のぽっぺたを『ギュ』とつねる。
莫迦な会話をしていたら、試練の塔建設予定地に到着した。
「遠い所からご足労いただき、ありがとうございます。」
試練の塔の建設責任者の司祭と護衛の騎士に出迎えられた。
「ここが建設予定地ですか・・・」
「左様でございます」と建設責任者の司祭。
建設予定地の広さは十分にある。
しかし、図面を見せてもらうと、試練の塔と云う割に随分と小さい。
「試練の塔と云う割に、随分、小さい気がするのですが・・」
「私も最初は驚きましたが、技能神様から神器をいくつか戴いております。
寧ろ、大きすぎるくらいですよ」
自信満々の責任者の司祭。
「そちらが良いのであれば、異論はありませんが」
俺は、大量に積み上がっている石材の山を見て、溜息を付いた。
クリエイトスキルを駆使して、まず直径50メートルの円形の土台を造る。
そして図面通りに石材を積み上げ、加工する。
2時間ほどで、底辺の直径50メートル、高さ100メートルの塔が出来上がった。
高さ的には、大阪の通天閣くらいか。
試練の塔と云うからには、この倍はあると思っていた。
そして塔の構造上、上に行くほどフロアの面積は狭くなってゆく。
「こんなんで大丈夫か?」俺は、独り言のように呟いた。
「ありがとうございます。勇者様。これで、作業に取り掛かれます」
満面の笑みで建設責任者の司祭は、礼を言う。
作業員は、大量の機材を塔に運び込む。
「棟の完成まで、1月。神力を貯めるのに更に1月。
2か月後に式典と最初の挑戦者として、アルメニア騎士団を予定しております。
2か月後、皆様の挑戦をお待ちしております」
その言葉を聞いて、アイシャのやる気スイッチが入った。
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あなたの人生に幸あれと、願いを込めて。




