表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/78

第1話 報酬と新たな依頼

「魔王、討たれる!!!」


 この報が大陸中を駆け巡った。

 魔王軍侵攻の爪痕は、大なり小なり各国とも在るのだ。


 その偉業を成した6人の勇者パーティー。

 そのリーダーは異世界召喚によって、この地にもたらされた希望の光だ。


 期待通り魔王を討伐して、魔界の門を封印して、この世界に平和をもたらしたのだ。



 勇者一行は、勇者召喚が行われた地エストニア王国。

 王都グランシールの王城、謁見の間にいた。


 国王の入室を告げる声が響き、俺たちは、片膝をついて臣下の礼をとる。


 エストニア国王が玉座に座る。


「此度の魔王討伐、誠に大儀であった。勇者たちよ。面を上げよ」


 見た目の歳は四十代くらい、王冠を被ったその姿は、トランプのキングみたいだと、俺は思った。

 召喚された時の最初の印象だ。


 あの時より少し老いた印象がある。


「勇者アキュフェースよ。魔王討伐、誠に大儀。

 その功に報いて、白金貨100枚と騎士に叙する」


「謹んでお受けいたします」


 俺は聖剣を抜き、剣の切っ先が自分に向くようにして国王に手渡した。

 

 国王は剣に、軽くキスをして、臣下の礼を取っている俺の上で、剣を右に左に振る、最後に剣の腹を俺の背中に軽く当て、今度は剣を両手に持って返してきた。


 俺は臣下の礼を取ったまま、両手を上げて恭しく受け取った。


「続いて、勇者アキュフェース。男爵に任ず」


 後は同じことの繰り返しだ。


 何故こんな面倒な事をするのか、聞いたら

 国王も貴族も「騎士」の位は絶対条件で、騎士の位が無いと

 王位継承権も、家督相続も、嫡男というだけでは発生しないそうだ。


 だから女系家族の場合、騎士の称号を持つ者を婿にするか、長女が騎士修行を行い騎士の称号を得て、女主として家督を相続するのだそうだ。


 女騎士がやけに多いと感じたのは、そういう事情らしい。




 みんな褒美を貰い帰ろうとした時、侍従らしき者に呼び止められ、国王の待つ応接室に通された。


 なんだろう、厄介ごとの香りがする。


 国王陛下はとても晴れやかな顔で、俺たちを向かい入れた。


「まずは礼を言わせてもらおう。

 世界を救ってくれたこと、心より感謝する」


 そう言って俺たちに、頭を下げた。


 俺たちは慌てて


「陛下、おやめください。どうぞ頭をお上げください。

 王に頭を下げられたら生きた心地が致しません」


 俺たちはすぐに、リーングランデに同意した。


 リーングランデは、隣のテニオン神国から魔王討伐の為派遣された。

 神託の巫女である。

 現在の称号は、大聖女である。魔王討伐の戦いの中で、大聖女のジョブに至ったのだ。

 

 初めて出会った頃は、清楚な美少女だったが、今では、清楚系・美貌の大聖女に、アップグレードしている。


 飽くまで見た目だけは・・・

 茶目っ気があり、人を揶揄うのも好きである。

 見た目と性格のギャップがあり過ぎて、詐欺に近い。


 しかし神官らしく真摯に人に向き合い、慈しみを忘れない態度は尊敬に値する。

 

 しかし、初めて出会った時から感じる。

「この人には、絶対逆らってはいけない」そう感じる感覚って?


「失礼ながら陛下。ただ礼を言うために、我々を呼んだとも思えませんが?」

 ナイトハルトが問う。


 ナイトハルトは、この国の騎士である。若手有望株のトップとして魔王討伐に参加した。

 

 ご想像通り、金髪碧眼の典型的なイケメンである。

 基本真面目であるが堅苦しくない、気の置けない良い奴だ。

 一番気が合うのも、彼だったりする。

 

 女性の扱いが上手くかなりの紳士。

 実際ドコの王子様だよ、って言いたくなる。

 実際、女性ファンはかなり多い。男の俺が嫉妬を覚える程。


 現在は、剣聖。

 魔王討伐の戦いの中で、剣聖のジョブに至る。

 魔法抜きで剣だけの勝負だったら、勝てるかどうか判らない。


「実は折り入って、頼みたいことがあるのだ」


「依頼という事で宜しいのでしょうか?」

 カリオンが問う。


 カリオンは、西の大国「グランローマ帝国」の代々宮廷魔術師の家系だ。

 幼少の頃から「天才」の名をほしいままにして来た「神童」

「大魔導士」に最も近い存在。


 顔もスタイルも決して悪くない、寧ろ良い方。

 ちなみに歳は最年少、1歳だけだけど。


 それよりも問題は性格だった。

 基本的に学者肌。

 高いプライドとエリート意識。

 言動は上から目線、そしてほとんど嫌味。

 鼻持ちならない奴を地でゆく奴。

 

 そんな奴でも、確かに優秀!

 魔王討伐の戦いの中で、大賢者のジョブに至るのだから。


 そんな過去も今は昔、リーングランデお姉さまが、根気よく教育的指導を行った結果。

 

 高かったプライドは、ポッキポッキに折られて、1週間まともに口のきけない状態まで追い込まれ、更に別の角度から追い打ちを掛けた。


 今ではすっかり更生した、インテリ系の好青年である。

 少し黒いけど・・・


「諸君は、アルメニア州を知っておるか?」


「確かスタンピートで滅びた処ですよね?」と俺が答える。


「ここには王国一の街道が通っておる。その名も東海道!!」


(その名前にツッコミを入れたい!)


 王都と古都を結ぶ街道は全部で3本。

 東海道、中央道、北廻り街道。

 

 その中でも王国の大動脈と云って良い、東海道。

 人・物・金 物流の要となる最大の街道だ。

 

 アルメニア州は、その街道の中間点にあり横に細長く伸びた州である。

 魔物の巣窟となる前のアルメニアは、海産物が豊富で土地も豊か。

 海の幸山の幸に恵まれ、行商人や冒険者、そして貴族たちが行きかう豊かな州だ。


 アルメニア州内の3つのダンジョンが、同時に魔物の氾濫、所謂、スタンピートを起こしたのだ。


 急遽、王国中の騎士団、魔導士を搔き集め、結界を張っている隙に土魔法で土塁を築き、突貫工事で石壁を築き更に土塁で補強した。


 時機も悪く魔王が復活して、世界を荒らし始める時と重なった。


 だから、ずっと手つかずの状態になっていた。


 当然、中の様子は分からない。


「それで、陛下は、アルメニア州に巣食う魔物を殲滅せんめつしろと?」

 ミツルギが確認を取る。


 ミツルギは、この国の兵士で、斥候の腕を買われてパーティー入りした。

 パーティーの最年長で、性格は沈着冷静で寡黙、あまり喋らないが状況判断は的確。

 魔王討伐の戦いの中で、忍者マスターのジョブに至る。


「下手をすると蟲毒こどくの状態になっていませんか?」俺は渋る。


「下手をせんでも、そうなる可能性が高いの」と身も蓋もなく王さま。


「勿論、報酬は用意する」


 本音は報酬よりものんびりしたい。


「まず、アキュフェース。

 アルメニア州全土を領地とし、侯爵に任ずる。

 アルメニア州総督の地位も付けよう。

 勿論荒廃した領土に対して、必要な人員の手配。

 それから資金援助も行おう」


 正直どちらでも良い。今は休暇の方が、きっと大事。


「時にアキュフェース。

 お主、そこのエルフに懸想けそう、しているようだが」


 ピクッ!


「それが何か?」俺は平静を装う。


 人と亜人(エルフも含む)の婚姻は、何処の国でも認めていない。


 リーフリット、冒険の途中で知り合った、エルフ。


 初めて出会った時の事は、今でも鮮明に思い出す。


 ディードリ〇トに似ている。


 言わずと知れた、呪われた島を舞台にした。英雄譚である。


 今の日本のエルフ像は、ほとんどディードがベースになっている

 と云っても過言ではない。


 今のファンタジー世界の住人を決定づけたのは、ロード・オブ・〇・リング

しかし、この時のエルフは人間の耳の先が尖っただけのものだった。

 それ以前はエルフ、ドワーフ、ゴブリン、トロールは、国ごとに呼び名が違うだけで小人の妖精を指していた。

 今のファンタジー世界を築いたのは、間違いなくロード・オブ・〇・リング。


 日本でのエルフの代表格、長耳型は、ディードが最初。大ファンだから、断言する。


 リーフリットを初めて観たとき、余りにディード、そっくりなので、絶句した。

 名前を聞いたら・・・

(リーフリット???・・・思いっきりパチモンじゃん!!!)

 

 でも、リーフリットの方が若い気がする。見た目15~16歳、実年齢はもっと上だろうが。


 リーフリットの方が、胸がある。推定Cカップのおわん型。

 Dまであれば文句なしだが、それでも、Cカップは貴い!!!。


 チョットした会話で、彼女が前世日本人であることに気が付いた。

 そこから、意気投合するまでが早かった。


 気が付けば、リーフリット無しの生活が想像できない、自分がいた。


 喜怒哀楽が分かり易く、とにかくよく表情が変わる。

 好奇心は、旺盛。

 ワガママなくせに、基本はやさしい、


 曲がったことは大嫌い。

 日本の料理を再現すると、オーバーリアクションで喜ぶ。

 醤油も味噌も無いので、洋食由来の物に限られるが。


 流石、エルフだけあって弓矢の腕と精霊魔法の威力は、一流。

 魔王討伐の戦いの中で、精霊王の姫巫女のジョブに至る。


「普通、人と亜人は結婚出来ん」


 ピクッ・ピクッ・ピクッ


「成功報酬じゃが・・・ここに婚姻許可証がある。

この世界を救った英雄の願いじゃ。

誰にも文句は言わせんよ」


 俺の心は決まった。


「謹んで拝命致します!!」


 俺は深々と頭を下げた。


 王は満足そうに頷いた。



 しかしそれは、貴族派を中心とした4割の貴族の数の暴力に国王が屈する。

 カウントダウンの始まりでもあった。

  

ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございます。

初めてで、まだよく判っていない処が多々あります。(特に使い方)

読みやすさ重視のつもりですが・・つもりだけ?

話のテンポ感とか、学ぶぺきことが多そうです。

この作品が、あなたのストレスを和らげる清涼飲料であれば、と願って。

最後まで読んで頂き、心から感謝を。


ブックマークの登録と

☆☆☆☆☆に

面白かったら、星5つ

つまらなかったら、星1つ お願いします。

今後の励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ