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Blade & Dragon Dance 〜月天を焦がす銀剣竜舞〜  作者: 西順


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対マッシュ

「えー、ブレイド選手。えー、ブレイドくん。えー、出てこないと失格ですよ」


 ダン先生が試合場で俺を呼んでいるが、俺は人垣に邪魔されて試合場へ向かえない。


「います! ここにいます! 通して下さい!」


 人混みの中でそう叫ぶも、周りの人も身動き出来ない状態だから、どうしようもない。暫くそうやってもがいていると、グンッと身体を持ち上げれる浮遊感を覚える。俺は誰かに後ろ襟を掴まれ持ち上げられていた。誰だ!? と振り返る前に、試合場へと放り投げられる。


「うわああああ!? 痛って!」


 変な格好で試合場の地面に衝突した為に、全身をしこたま打ち付けた。痛い。いや、それより誰がこんな事をしたのか。放り投げられた観客たちの方を見遣るが、誰だか分からない。


「お兄ちゃん頑張れー!」


 と観客たちの後ろの方から、父に肩車されたノエルが声援を寄せてくれている。それにしても手を振りながら考える。まさかさっきのは父さんが? いや、父は観客の一番後ろにいる。俺を放り投げたのは恐らく違う人物だろう。


「来ましたね。えー、では直ぐに試合を始めますので、えー、玉の用意をして下さい」


 時間が差し迫っているようだ。ダン先生の進行が早い。俺はクズ魔核を触媒に、「スフィア」と唱えて玉を生成する。玉は元がクズ魔核なので、ちょっとの衝撃で直ぐに壊れてしまう。なので動かす事はおろか触る事も出来ない。これを壊れないように守りながら、戦うのがシージでは肝要になる。


「はっ、あのまま人混みに隠れてぶるぶる震えていた方が良かったんじゃないか?」


 誰だろう? と声の主に視線を向けると、俺の対戦相手だった。赤い制服に青の差し色が入っているので、同じ一年生のようだ。が、


「誰だあんた?」


 知らない顔である。


「くっ、隣の組のマッシュ・ドームスだ! ちょっと学院で噂されているからって、調子に乗るなよ! 一年生最強はこの俺だ!」


 薄赤色の髪に茶瞳の少年が吠えているが、俺はいつ調子に乗っていたのだろうか? 覚えがない。


「その減らず口、直ぐに出来なくしてやるぜ!」


 更に吠えるマッシュ。むしろ減らず口をしゃべっているのはマッシュの方な気がするが。


「えー、では、えー、試合開始」


 ダン先生は俺たちのやり取りになんて興味ないのだろう、淡々と試合進行していく。


「フラッシュ!!」


 先攻で仕掛けてきたのはマッシュだ。フラッシュは閃光魔法で、この魔法により、試合場が(まばゆ)い光に包まれ、何も見えなくなる。


「ファイア・アロー!」


 そこに更にファイア・アローをぶつけてくるマッシュ。眩い光で見えなくなった玉を、数による面攻撃で制圧する作戦のようだ。俺は自分が被弾するのを避ける為に、直ぐに試合場に伏せる。


 ドドドドッと何かが俺の後ろで爆ぜる音が聴こえる。その後フラッシュで見えなくなった視界が回復し、マッシュがにやりと笑っていた。


 決まった。と思ったのだろうが、そうはいかない。俺の後ろでファイア・アローが爆ぜた事で起こった爆煙が晴れると、俺の玉は土と氷で出来た防御の檻で守られていた。


「フローズン・アース・プリズン」


 凍土で出来た俺の防御魔法だ。


「くっ、や、やるじゃないか……! なら、ファイア・スピアー!」


 一発の威力の高いファイア・スピアーで檻を無理矢理こじ開けにきた。


「ファイア・スピアー!」


 だがそうはさせない。俺はマッシュのファイア・スピアーをファイア・スピアーで迎撃する。


「くっ、なら……!」


 ファイア・スピアーの数を増やすマッシュ。だが、


「俺の方にばかりに注視してて良いのかな?」


 俺の言葉にハッとして玉を振り返るマッシュだが、もう遅い。


「アース・ピラー!」


 俺の呪文に呼応してマッシュの玉があった地面が盛り上がり、屹立して柱となって天を突く。


「ああ……」


 砕かれる玉を目にして崩折れるマッシュ。残念だったな。マッシュの敗因はやはり最初の奇襲で俺の玉を破壊出来なかった事だろう。奇襲が失敗した後のリカバリーを考えていなかった事が俺に付け入る隙を与えた。


「お兄ちゃーん!」


 俺の勝ちを喜ぶノエルがに手を振って応えていると、


「えー、ブレイド選手の勝利です。えー、では、えー、速やかに退去して下さい」


 とダン先生。進行早くない? 俺は勝利の感慨に耽る暇もなく、すごすごと観客たちの方へ引っ込んでいった。マッシュはかなり落ち込んでいるようで、とぼとぼと引っ込んでいっている。止めてくれない? なんか悪い事した気になるんだけど。



 ダン先生がサクサク進行していくので、シージはどんどん進行していった。選手たちの悲喜こもごもがありながら一回戦は一巡し、二回戦。俺の対戦相手は、


「お久しぶり、と言う程ではないかしら?」


 俺の前に立つのは四年生のサンドラさんだ。サンドラさんが試合場に立つと、観客たちから歓声が上がる。どうやらサンドラさんにはファンが付いているらしく、歓声に手を振って応えるサンドラさん。二回戦でもう学院五指に入る相手との対戦か。ネビュラ学院の層は厚そうだ。


ここまでお読み頂きありがとうございます。作者は感想に飢えております。貴方の感想が作者を活かします。ペコリ。

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