表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blade & Dragon Dance 〜月天を焦がす銀剣竜舞〜  作者: 西順


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/128

命名してみた

「バルムンクが良いと思うの」


「僕のはブリューナクですかね」


「私のはミョルニルが良いわね!」


 昼下がり、リビングでリオナさん、アイン、マイヤーの三人が、俺の方をチラチラ見ながら、そんな事を話している。


「何の話?」


 何となく想像はつくが、一応確認の為に尋ねた。


「黄金の武器の話だよ。四人とも黄金の武器じゃあ、区別がつかないだろ? 四つの武器それぞれ、形も性能も違うんだ、個別の名称があってしかるべきだ」


 いつになく饒舌じゃないかアインくん。


「武器の名称ってそんなに大事かね?」


「大事だよ!」


 余計な一言だったらしく、三人に言い返されてしまった。まあ、三人が言うんだから大事なんだろう。カルロスとショーンが羨ましそうにこっちを見ているけど、きっと気にしたら負けなんだろう。


「私のは、無影断空剣(むえいだんくうけん)バルムンクが良いと思うんです」


「リオナさん、それ格好いいですね!」


 そうだろうか? 少し修飾が過ぎるんじゃないか?


「だったら僕の槍は、五尖槍から五閃槍(ごせんそう)ブリューナクなんてどうだろう?」


「良いわね! じゃあ私のは、自在游戟(じざいゆうげき)ミョルニルね!」


「おお~!」


 何が「おお~!」なのか、全く分からない。


「ブレイド殿はどのような名前を付けますか?」


「お、俺ですか?」


 そんな武器の名前なんて、考えた事もない。何でも良いんじゃなかろうか?


「ミストルテイン、ですかね?」


 と、俺が口にすると、三人さっきまでうきうき顔だったのに、ひゅーと冷めきった顔に変わった。カルロスにショーン、ニヤニヤするな! 肩を震わせて静かに笑うな!


「ミストルテインって、(えだ)じゃん」


「確かにブレイドの武器は枝分かれして自在に形を変えるのが特徴ではあるけど……」


「ブレイド殿、流石に枝はどうかと」


 三人に全否定された。良いじゃん枝で! ミストルテイン格好いいじゃん!


「ブレイド、どうせなら、エクスカリバー! とかグングニール! とか格好いい名前にしなよ!」


「嫌だよ! 自分の武器にエクスカリバーなんて名前付けてるやつ、格好悪すぎだろ!?」


 マイヤーがアホみたいな提案をしてくるので、俺は全否定した。


「ええ? じゃあエクスニールとか、グングカリバーとか付けたら?」


「更に格好悪くなってるんだけど?」


「わがままだな」


 何で俺が悪いみたいになってるの?


「いや、でも待て皆。黄金の枝、金枝(きんし)ミストルテインなんてどうだろうか?」


 アインの提案に「おお~!」と声が上がる。なんだこの茶番。


「良いわね。国が生まれそうだわ!」


 メッタな事を言うんじゃない。


「呪術的にもアリね」


 母よ、話に入ってこないでくれ。


「じゃあ、ブレイドの武器の名称は、金枝ミストルテインね!」


 はあ。


「ああ、それで良いよ」


 もう、好きにしてくれ。


「しかしあれねえ。武器の名前も決まったし、軽く素振りでも試し切りでもしたい気分だけど、そう易々と使用出来ない仕様なのが黄金の武器の難点よね」


 と、マイヤーは自身の右手に巻かれた黄金の腕輪を見ながら、そう愚痴る。確かに。恐らくは黄金の武器の使用時間が増えれば増える程、俺たちは黄金に、流星の欠片に侵食されていく事になり、それは人間からダンジョンに変わっていくと言う、不幸にして奇天烈な事態を、自ら招く事に他ならない。


「多少ならば、振り回して貰っても大丈夫ですよ」


 そう、声を掛けてきたのは、ミリアムだった。


「大丈夫って、何を根拠に?」


 ミリアムの言葉に、アインが厳しい目を向ける。


「メラニゲルとの戦いの後、戻ってきた皆様を回復魔法で治療してみての見解です。あそこまで酷い状態になられると、黄金化の進行を押し留めるのは難しくなりますけど、日常振り回す分には、私の回復魔法で進行を押し留められると思います」


 ミリアムはアインの目を真っ直ぐ見ながらそう答えた。ふぅむ。それが本当なら、有事に備えて、ある程度は黄金の武器の扱いに慣れる事を目的に、日頃の訓練に取り入れたいところだが。


 俺は互いに見つめ合うアインとミリアムをよそに、母スィードの方に目を向けた。


「そうね。彼女(ミリアム)の回復魔法は、私の作るポーションより有効だから、あながち嘘とも言い切れないわね」


 ふぅむ。俺たちは母の言葉に、互いにアイコンタクトで会話をし、


「なら、まあ。少しずつ、無理のない範囲でお願いしようかな」


 と言う意見で落ち着いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ