表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blade & Dragon Dance 〜月天を焦がす銀剣竜舞〜  作者: 西順


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/128

予想

「もう皆から聞いたんじゃないんですか?」


 と蒸かし芋食べたさにごねる俺に、


「確かに聞きはしたが、何せ初めてのか事態だ。情報ソースは多いに越した事はない」


 とゴードンさん。まあ、そうかも知れないな。きっとゴードンさんとエドワードさんがここに来ているだけで、他の竜騎士団員はウーヌム村なんかで、事情聴取をしているのだろう。


 俺は、前夜に流星が落ちたのを目撃した事から話し始めた。



「成程な。同じような黄金の武器でも、使い手によってかなり武器の形状や性能に差が出てくるんだな」


「それもどうですかね?」


「ん? どう言う事だ?」


「黄金の武器は流星の欠片ですから。もしかしたら、俺が手にした部分が枝みたいになる部分で、他の皆の手にしたのも、たまたまそう言う部分だったのかも知れません」


「成程、その可能性もあるのか。それは他の同行者からは聞けなかった知見だな」


 そうなのか? 見ればリビングで寛いでいる皆がうんうん頷いている。まあどれが本当か分からないけど。


「メラニゲルについてはどう思っている? 皆はなんで黄金迷宮(ダンジョン)に変わってしまったのか分からんそうだ」


 それはそうだろうな。俺だって分からん。


「予想だけでもいいんだ。このまま王城に戻って、メラニゲルはダンジョンになりました。なんて報告しても、お前は何言っているんだ? と言われそうでな」


 確かに、実際メラニゲルがダンジョンに変わる所を目撃した俺たちだって、何が起こったのか訳分からないしな。


 ダンジョンとは世界各地に突如として出現した、作者不明の迷宮の事だ。一番新しいダンジョンでも千年以上前のもので、それはいつ、どこで、誰が、何の為に、作られたのかは分からない。謎の巨大建造物。それがダンジョンだ。


「私見で良いなら」


「ああ」


「俺の考えでは流星こそが、ダンジョンの素だったと思っています」


「ほう」


「生物やら魔物やらに寄生する理由は分かりませんけど、寄生された生物が完全に黄金に変わると、ダンジョンに変化するようです」


「どう言う事だ?」


 ゴードンさんとエドワードさんが顔を見合わせる。


「俺たちは何体か、流星の欠片、黄金に寄生された魔物と戦ってきましたけど、皆、死んた後は死体と黄金の直方体に分離していました」


「その報告は受けているし、君たちが戦ったと思われる魔物の死体も、こちらで確認している」


「そうですか」


 俺は水を一口飲んで喉を潤わせた。


「だが、メラニゲルは他の魔物たちと違って、死んだ後にダンジョンへと変化したんだよな。流星がダンジョンだと言うなら、何が他の魔物や、君たちと違っていたんだい?」


「黄金への変化率です」


「黄金への変化率?」


「俺たちを見て分かると思いますけど、右腕の腕輪以外、黄金の部分はありませんよね?」


「ああ」


「俺たちの倒してきた黄金に寄生された魔物たちも、表面は黄金に覆われていても、中身までは黄金に侵されていませんでした」


「メラニゲルは違った、と?」


 俺は首肯する。


「俺たちの攻撃が凄まじかったと言うのもありますが、メラニゲルはかなり傷付き、傷付く度にその部分を黄金によって置換していっているようでした。そして全身を黄金に変えたメラニゲルは、完全に身体の外から中まで黄金に変わっていました。これは、最後にアルジェントのブレスで頭を吹き飛ばした後のメラニゲルの首を見たら、完全に黄金になっていた事から確かかと」


 腕組みをして聞いていたゴードンさんが口を開く。


「つまりダンジョンとは空から降ってくるもので、生物や魔物に寄生し、その生物を徐々にダンジョンに作り変える存在だと?」


 自分が説明した事を繰り返されただけだが、何言ってるんだ? って感じが酷いな。でも、


「まあ、そんな感じですね」


「しかしそれだと……」


 ゴードンさんは俺や皆の右腕に輝く黄金の腕輪を見ている。確かにこの腕輪はヤバいものだ。だが、「外れない」と俺の脳が警告している。きっと死なない限りは外れないだろう。俺たちがダンジョンにならない為には、出来るだけこの黄金の武器を使わない事だろう。


「もう、良いですか?」


 話が終わったなら、腹が減っているので蒸かし芋を食べたいのだが。


「ああ、病み上がりに悪かったね」


 ゴードンさんとエドワードさんは立ち上がると、俺が蒸かし芋を食べる横で何やら今後どうするか話し合いを始めていた。


 まあ、新しいダンジョンが国内に出現したとなると、冒険者やそれ目当ての商人など、多くの人々がやって来る事になるだろうからな、ウーヌム村も町やら街に発展するかも知れないな。ここが王家直轄領な事は幸いしたな。どこかの貴族領なら、この黄金迷宮を巡って、下手したら内戦になっていたからも知れない。


「あ、そうだ! こっちからも聞いていいですか?」


 俺は立ち話をする二人に話し掛ける。


「もう、あのダンジョン内部には入ったんですか?」


「ふふ、流石に気になるようだね。だがまだだ。しっかり調査隊を組んでからだから、ダンジョン内部に侵入するのは、五日から十日後だろうね。気になるなら、調査隊に君たちの名前も要望しておこうか?」


「あっはっはー、遠慮しておきます」


 あれだけ激しい戦いをした後だ、もう、当分戦いたくない。見れば皆も苦笑いしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ