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Blade & Dragon Dance 〜月天を焦がす銀剣竜舞〜  作者: 西順


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流星墜落現場

 俺たち五人は、メラニゲルが向かった流星墜落場所とは違う、そこから一番遠い、別の流星墜落場所に向かった。


「これは……?」


 墜落場所は巨大な爆心地となっており、これが村や王都など、人が住む場所に落ちなくて良かった。と心底思える規模だった。


「でも、墜落したはずの流星の欠片は見かけませんね」


 とリオナさんは爆心地に降り立つと、全てが吹き飛ばされた風景を見渡していた。他の面々も同様に地上に降り立ったり、竜に乗って、空から探索したりしていたが、何かしらを見付ける事は出来なかった。



「どうする?」


 探索を一通り終えて、全員で集まった所で、アインが尋ねてくる。他の四人も俺の次の言葉を待っていた。


「他の墜落場所に行こう。もしかしたらここは既に、メラニゲルがやって来た後なのかも知れない」


 俺の言葉に四人が頷く。早速この場から離れようと、それぞれが竜に股がった所で、何かが凄い勢いでこちらに突進してきた。俺たちはそれから逃れるように直ぐに竜を上昇させる。


「ブルオアアアアッ!!」


 ついさっきまで俺たちがいた所を通り過ぎた巨大な何かが、立ち止まり上空の俺たちを振り返る。それはグレートボアであった。


 しかもただのグレートボアではない。背中の毛が黄金色となり、側面には黄金のラインがついている。まるで先程出会したメラニゲルのようだ。


「ブルオアアアアッ!!」


 こちらを見据え吠えるグレートボア。するとそれに呼応するかのように、背中の黄金の毛がこちらへと伸びてきた。俺たちは慌てて更に上昇してそれを躱す。


「ブレイド殿、これは!」


「ええ。メラニゲルと同様の状態です!」


 どうやらあの黄金の部分が、昨夜この地に墜落した何かであるようだ。


「どうするんだ!?」


「倒す!」


 尋ねるショーンにそれだけ答えると、俺はアルジェントに跨がったまま、木剣を木槍に変えて突っ込んでいく。


「ブルォァアアッ!!」


 吠えるグレートボアの黄金の毛が、こちらに伸びてくるのを、俺とアルジェントは横回転で躱しながら、グレートボアの黄金の背に一撃与えた。


 バキィンッ! と砕かれる俺の木槍。硬い。今まで戦ったどの魔物より硬く感じた。俺は直ぐに砕けた木槍を元に戻しながら、その場から離脱した。


「どう!?」


 上空に戻るとマイヤーが聞いてきた。


「あの黄金の部分は攻撃を通さないな! 攻撃するなら、露出している普通の毛の部分だ!」


 俺の言葉に四人は首肯すると、それぞれ上空から、グレートボア目掛けて降下していく。


 ドスドスドス! とリオナさんの木槍が、マイヤーのハルバードが、アインの槍が、グレートボアに突き刺さり、最後にショーンの竜ルブルムが、炎のブレスを放出する。


「ブルォァアアッ!?」


 四人の攻撃にグレートボアは、巨躯を震わせその場で暴れ回る。


「ブルォァアアッ!! ブルォァアアッ!!」


 痛がりながらグレートボアが何度も吠えていると、グレートボアの身体を覆う黄金部分が増えていく。そうして眺めているうちに、グレートボアは全身が黄金に覆われてしまった。


「はあッ!!」


 リオナさんが黄金のグレートボア目掛けて木槍を突き立てるが、バキィンッ! とやはり砕かれてしまった。


「やばいな」


 こうなると、どこを攻撃したものか。思案を巡らせているうちに、


「ブルォァアアッ!!」


 グレートボアが黄金の毛を伸ばして攻撃してきた。皆がそれを避ける最中、俺は思案する事に集中し過ぎて、避けるタイミングを逸してしまった。


「ぐはっ!」


 黄金の毛に巻き取られた俺とアルジェントは、そのまま地面に叩き付けられた。痛みで息が詰まる。


「ブルォァアア……!!」


 俺たちを地面に叩き落としたグレートボアは、今にも俺たちに向かってこようと、地を足で掻いている。俺とアルジェントはその場から直ぐに離脱しようと試みるが、黄金の毛が絡まってそれもままならない。


「ブルォァアアッ!!」


 そんな足掻きをしているうちに、グレートボアがこちらに突進してきた。


「くっ!」


 追突されるのを覚悟して、目を瞑って身を固めると、ドドドドッ!!と凄い音がした。そっと目を開けると、グレートボアの上に四頭の竜が覆い被さり、動きを止めていた。


「どうする!? 攻撃が通らないけど!」


 竜たちがグレートボアの黄金の毛に巻き付かれていく中、マイヤーがこの後どうするかと尋ねてくるが、俺からしたら見動きを封じてくれただけで十分だ。


 俺はアルジェントに魔核を食べさせると、暴れているグレートボアの口にその狙いを合わせる。


「アルジェント! チープ・バースト!」


 アルジェントの口腔より光が溢れ出し、その熱光をグレートボアの口目掛けて吐き出した。


 黄金に覆われてないグレートボアの体内から、炎と煙と共に肉の焼ける臭いが漂い、その熱に暴れ回っていたグレートボアだったが、しばらく暴れ続け、そして息絶えた。


「はあ……、はあ……」


 グレートボアが、竜五頭でやっと倒せるレベルまで強くなっていやがった。これをメラニゲルに置き換えると、嫌になるな。


 などと考えていると、黄金の毛が、グレートボアの死体からもぞもぞと移動を始めた。なんだっ!? とその様子を見守っていると、黄金は直方体に固まり、フワッと宙に浮き上がったのだった。


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