ここは日本?いいえ、異世界です。
いきなり唐突なのだが、ここで質問だ。
皆は異世界を信じるだろうか。
オレは信じる方に1票投じたいと思う。
だってさっきまで仕事の面接してたんだぞ??
それがいきなりレンガ作りの建物が見える所にポツーンと突っ立てたんだよ。
まぁまて、考えろ。餅つけじゃなくて、落ち着け。
ふと、自分の置かれている状況を整理している時、視界の端に人影が映った。
しめた、そう思いつつ急いで追いかける。
だってこの状況になってから、初めて見る人影なんだもん。安心するじゃん??
もしかしたら、ここが何処なのか分かるかもしれないじゃん?
早速、足早にその人影に近付く。決してストーキングでは無い。
見た限り、後ろ姿から想像できるのは女性だ。
「すいません!!」
この一声をかければ、大抵の人なら足を止め、こちらを向く。
こちらに向けられた、その見知らぬ女性の顔を見た時に思った。
あ、可愛い·····
いかんいかんと頭を振り、見とれてる場合じゃないぞと自分に言い聞かせる。
ラブコメなら、ここから2人の仲は発展していくと思うけど、今のオレの状況がそうさせてくれそうにない。
まずはここがどこなのか聞かなければ。
「あの、もし差し支えなければここがどこか教えて貰えないでしょうか?」
それに対しての返答を待っていると、その女性から返事が帰ってきた。
「ここは、シャンディーという村ですけど···」
シャンディー…?聞いたこともない村の名前だ。
そもそも日本国にそんな名前の村なんかあるのか?
オレが浅学なだけかもしれないけどね。
「貴方は、冒険者の方?それとも、商人の方でしょうか?」
「いえ、ニートです」
即答で返す。
だってオレは求職中のニートだからね!
「ちなみになんですがぁ···ここって、日本という島国ですよね?」
「ニホン?そのような名前の島国はないですよ?」
彼女は続けてこう言った。
「ここはレグエパンタ国です!!」
ここでまた、皆に質問だ。
皆は、異世界というものを信じているだろうか?
オレは信じる方に、いや、信じざるおえないみたいだ·····