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茶吉の日常

農業高校に通うカリンちゃん

作者: 茶吉

農業高校に通うカリンちゃんが、ニワトリ小屋に混じり込んでしまったちょっと色の濃いひな鳥を貰ってきた。規格外だと即、殺処分にされてしまうのだそうだ。かといってカリンちゃんには世話をし愛情を注ぐべき牛たちがいて、鳥の世話までする余裕がない。一方、アサミはそのちょっと変な色のひな鳥にちょっと魅かれてしまったし、殺処分などからはなんとしても守ってあげなくちゃなんて、ヒーローっぽい気分にその場ではなってしまって、ひな鳥は私に託してくれれば責任を持って育てるからなどと宣言してもらってきてしまった。ところがそんなヒーロー的な気分が長続きするはずもなく、3日と経たないうちに世話は見るに見かねて手を出した茶吉の仕事になった。とうぜんひな鳥は茶吉に懐き、茶吉のソファーで寝るようになった。みるみる大きく成長したひな鳥は、毎日ソファーに卵をひとつ産む。陽当たりの良いソファーに置かれた卵は次々とかえり、ちょっと色の濃いひな鳥たちが出てきた。このままではどんどん増えてゆくのでSNSで里親を募集し、里子に出していった。色が鮮やかなのでインスタ映えするのと、すぐに成長するのとで、喜ばれた。すぐに成長するし、どんどんどんどん成長する。餌にもよるのだろうが、里子のうちの一羽が大きくなってダチョウの身長を超えたと、世界の衝撃動画セレクションで報道されていた。茶吉の飼っているアサリが貰ってきたあのひな鳥も今では馬くらいに大きくなっている。ついに車の大きさを超えたと世界のビックリ画像で紹介されると、大学などの研究機関が調査に乗り出して来た。遺伝子を解析して分かった新事実は、この鳥は、どういうわけか恐竜の遺伝子を受け継いでいる。とのことである。保護すべきか、でもどこまで大きくなるかわからない生物のためにどのような施設を作ればいいのか?そもそも恐竜は人類と共存できるのか?人類を取って食ったりしないか?保護して良いのか?悪いのか?喧々諤々の論争になった。そうこうしているうちに冬になり、全羽が凍死し絶滅した。


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