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区切りに悩んで今回短いです。
なので後ほどもうひとつ更新します。
「あれ、起きたんですか。大丈夫ですか?ご飯食べます?」
私が声をかけるとクロード様はゆるゆると首を振ってそっぽを向いてしまった。しまった、放っときすぎて拗ねているらしい。なんだもう大人げないな。別にご機嫌をとってやる義理はないのでそのまま黙っていると、しばらくしてようやく口を開いた。
「ニーナ・・悪いが肩をかしてくれないか。洗面所へ行きたいんだ・・」
クロード様はものすごく恥ずかしそうに小声で言った。どうやらトイレに行きたいのを我慢していたらしい。
「ああ、なんだ早く言ってくださいよ・・ええと、確かここに・・あったあった、ハイ尿瓶」
「?!?!?!」
ズボンに手をかけようとするとクロード様が死ぬ気で抵抗してきた。
「それっ!それだけは勘弁してくれ!絶対に絶対に嫌だ!!!」
「へーほーフーン。私も以前、クロード様に止めてって言った事何度もあったなーでも一度も聞いてくれた事なかったなーあー嫌だったなー止めて欲しかったなー」
絶対に嫌ならぜひ尿瓶を使っていただこうじゃないか。私の懇願をいつもまるっと無視してくれたんだから、私だってクロード様のお願いを無視していいと思うの。嫌がるクロード様を抑えつけズボンを脱がそうとするとクロード様が叫んだ。
「いやだーーーっ!!!好きな女にそんな姿を見せるくらいなら死ぬ!ニーナこそ!私のモノを掴めるのかっ?!絶対出来ないだろ?!」
な、なんかクロード様キャラ崩壊してますけど・・。あーそうか、尿瓶にさせるってことは私がクロード様のイチモツを持って入れなきゃいけないんですよね。あーさすがにそれは無理だ。ちっ、くやしいけどここは諦めよう。
「わかった、わかりましたーハイ、おんぶしてあげるからトイレ行きましょう」
おんぶすらも屈辱だったようだが、さすがにもう何も言わなかった。トイレの前で『おしり拭きましょうかー?』と声をかけていじめたりしたらあのクロード様が泣きそうになっていた。いやもうすでにベソかいてた。
・・・なにこれ楽しい!!!もっといじめたい!
その後は食事をあ~んして食べさせてたりするうちに、クロード様はすっかり従順な飼い猫のようになってしまった。
いつものエラそうな喋り方じゃなく『うん、ハイ、ゴメンナサイ』とか未だかつて聞いたことのないワードを発するようになってしまったので、怪我とイジメのせいで正気が怪しくなっているのかと心配になってきた。
「クロード様?包帯も換えたし少し寝ましょうか?」
「・・・じゃあ手を握ってて欲しい」
おいー!なんすかソレェ!甘えんぼか!俺様遊び人が台無しだな!
でもちょっといい気分なので手を握って頭を撫でてやる。すると嬉しそうに目を細めて手にすり寄るようにしてそのまま寝てしまった。えっ?なにこれ?ちょっと可愛いじゃないか。
本当に、この人の事がわからなくなってきた。あんなに苛めたのに、なんで私に撫でられて嬉しそうにしているんだろう?
「・・・実は、私の事ホントに好きだったりして」
なーんて、そんなわけないけど。
「・・・だからずっと好きだって言ってるのに」
「うわあ!まだ起きてたんですかあ!」
「・・・ニーナが好きだって・・ずっと言ってるのに・・なんで・・ぐすっ・・」
あああヤバイ泣いちゃった!ええと、たぶんいま正気じゃないよね?!
「いっ、イヤイヤ、だって出会ってからずっと私を服従させようとするだけじゃないですか。初対面でほとんど会話もなく夜這いですよ?そんなんでどうして好かれてるとか思えるってゆーんですか」
「だって・・ずっと会いたかったのに、全然俺のこと覚えてないから、くやしくて・・」
一人称俺になっちゃってるよ?夢うつつなのかな?幼児退行かな?これは本当にクロード様なの?
「ずっと?ずっとっていつから?」
「・・・初めて会った時から。子どもの時、ニーナに回し蹴りされたあの時から」
ん?
回し蹴り?
誰が、誰に?いつ?
えええ?!記憶にないんだけど!なにそれ?!
尿瓶って実物見たこと無いんですが今でもあるんですかね?
それよりも相変わらず下品ですいません(え?今更?)




