なろう初心者のためのクソの役にも立たねえ指南書
『この指南書を読めたおかげで、私は正しくなろうの読者として成長できたと実感しています』
『何を書いても伸び悩んでいた俺の小説、そんな時この指南書の存在を知りました。
はじめは嘘くさいな。と思ったのは事実です。ですが、ここに書かれている事をひとつひとつ試すうちに、俺は神の存在を実感し、信仰とは魂を解放する行為なのだと知りました』
『なろう作家への道、人類の課題、今日の晩御飯は何にする。この指南書には、その全てがありありと克明に書かれている!』
『マイナスイオン、コエンザイムQ10、水素水…、今まで消費者は、さんざん社会の嘘に振り回されていたように思います。
しかしこの指南書を読めばもう安心!貴方もこれさえ読めば私のように愚かなるニンゲンの殻ヲ脱ギ捨テ新タナル新人類ヘトナレ……ギギ…アギュアアアアアアア!!!』
※「なろう初心者のためのクソの役にも立たねえ指南書」レビューより抜粋(の予定)
1.概要
どうもはじめまして。
午前深夜と申します。
今日は私が今までなろうで読んで、書いてきて、気付いた事思った事を忌憚なく初心者にもわかりやすく記せればと筆を取った次第です。
2.これからなろうを読み始める貴方へ
小説家になろうでは、たくさんの、まさに大量の小説が書かれています。
当然、作者の力量や読者の好みによって玉石混交のあり様。
その中から自分好みの作品を見つけるのは正直骨が折れる作業だと言えるでしょう。
そこで、私がまず皆さんにオススメしたい方法は…腕立て伏せです。
ゆっくりと負荷をかけて正しい腕立てを身に付ければ、10回するだけでも大きな効果が期待できますし、
腕立て伏せでまっさらになった頭だと、素直に自分に合った作品がポンと見つかるものなのです。
そしてこれから先、もし貴方がなろうで小説を書きたい!と思った時に存分に力になってくれるでしょう。
3.これからなろうで書こうと思う君に
なろうには本当に多種多様な作品が日々生み出され続けています。
残念ながら、そんな中で新たに作品を生み出しても、すぐに埋れてしまうのは目に見えています。
しかし、それでも、だからこそ作品を生み出す価値があるとも言えます。
切磋琢磨できる環境こそが人を成長させます。
面白い作品には必ずファンが付くものなのです。
なのでどうか「自分の作品はニッチなジャンルだから」とか「こんなに面白いのに読者は分かってくれない」
なんて腐った思い込みは捨て去ることを勧めます。
そもそもが、自分が面白いと思ったモノを、相手にも面白いと思ってもらう。そのための手段が、技術が、小説でありエンターテインメントなのです。
ここまで言えばもうお分かりでしょう。
今、貴方に必要なのは…そうです。腹筋です!
4.なろうで人気になりたいお前へ
努力もした。筋トレもした。なのに人気が出ない。
そう思い悩んでる人は多いでしょう。
ですが、ここで一つ考えてみて下さい。
何か大事なことを忘れていませんか?
貴方が行ってきた腕立ても腹筋も、もしくはランニングや重量挙げにまで手を出した方もいるかもしれません。
しかし、
それ、小説と関係あります?
誤解のないように言いますが、筋トレが小説を書く目的になってはいけないということです。
貴方は身体を鍛えるばかりに固執して、肝心の、何故身体を鍛えなくてはならないかを思考放棄していませんか?
今一度、冷静になって欲しいのです。
冷静になって、なろうで人気の作品を読んでみましょう。
ここまで鍛錬を重ねた貴方なら気付くはずです。
事実、人気なろう作家の全てが拳法の達人であるという事に!!
蟷螂拳、合気道、少林寺、空手、ジークンドー…
優れた格闘家のすべてが人気なろう作家と言うわけではないです。しかし、
書籍化を果たしたなろう作家のすべては格闘家であると言い切れます。
拳法を極め悪鬼羅刹蠢くなろう格闘家達を打ち倒してこそ、人気の、書籍化の扉は開かれると知りましょう。
もはや小説なんて書いている場合じゃない。
これを読む暇があるなら今すぐにでもトレーニングを開始するべきです。
食事だって立派なトレーニングです。今日からお前の主食はプロテインだ分かったか!!
5.それでも夢破れてしまった貴様に
人気なろう作家にコテンパンにされ、裏路地で顔を腫らし口から血を流し座り込み、安酒をあおっている貴方。
夢を見て走り続けた果てに残されたのは、鍛え抜かれた身体だけ。
それも今や傷だらけのズタボロだ。
神を恨み、世界に呪詛を吐くのは簡単です。
それは己を慰めるには最適かもしれない。
でも、だからこそ貴方は困難を背にもう一度筆を取り、小説を書いてみるべきなのです。
面白いか人気があるかなんて関係ない。貴方が、貴方自身が納得できる作品を作り出すべきなのです!
だってそうでしょう!
元来、小説に筋トレも拳法も関係ないのですから!!
6.もはや人ではなくなってしまった存在に
「アギュォォオオオーン!!!!」
怒りで我を忘れた貴方は異形の姿となり、月夜に咆哮を晒しました。
無理もありません。自らの身体を苛め続けた結果が、小説とは何の関係もないと切り捨てられたのですから…。
赤子のように叫び、街を破壊して歩く貴方に警察も自衛隊も手が出せません。
特定のジャンルやテンプレに凝り固まったなろう界の歪みが、このような悲劇を招いてしまったのです。
異形となった彼を救うにはどうすればいいのでしょうか?
それは……百合です。
百合の力こそが異形に対抗する唯一の方法!
だから、なろうでもっと百合が流行るべきなんだ!
もっと!もっと百合を!百合小説を!
みんな!百合小説家になろうよ!!
7.そして、それはきっと、遠くない未来で
WEB小説サイト「小説家になろう」から端を発した世界中を巻き込んだ百合ブーム。
百合の力によって、かつての異形から人の姿を取り戻した貴方は、遂にもう一度筆を取ることに決めました。
それがどんな小説なのか。百合か、異世界か、純文学か。私には分かりません。
ただ、願わくば、どうか貴方の作品が、貴方自身を幸せにしてくれることを祈っています。
8.最後に
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
勘の良い人ならこの指南書は、小説にもなろうにも何ら関係なく、そもそも指南書ですらないと気付いたかも知れません。
結局のところは、自分が納得できるか否かが一番重要なのだと思います。
本当はそれだけが言いたかった筈なのに、いつの間にかこんな駄文を形成してしまった愚かな私をどうかお許し下さい。
午前深夜という人気でも何でもない底辺の言う戯言だと、どうか笑い飛ばしていただければと思います。
それでも、分不相応な私から貴方たちに何かアドバイスが贈れるとしたら、
そうですね……。
まずは腕立て伏せから始めてみるのはいかがでしょう?
了