魔王の戦い 2
「うーん・・・。そういえばマイさん、さっき氷牢柱のこと言っていまし――」
「おおっ! 三番ぁ・・・いやいやじゃなくてそうそう、氷牢柱のこと聞きたかったんだよー。」
「それなら聞いてくれればよかったじゃないですか。」
「うっ・・・。まあ、それはいいとして。
あの氷牢柱と火柱の合わせ技って、どの本に書いてあったのかなって。一応、王国軍の隊長だし参考にしたくて。」
「それなら、アリスのほうが詳しいですよ。僕よりも魔法強いですし、攻撃魔法は僕は全然だめですから。」
「ぅう・・・。いや、あの氷牢柱がかっこよかったから知りたくなったんだよ!」
「そうですね・・・。覚えてないです。もうだいぶ昔の話ですから。
探して見つかったら今度持ってきますよ。いろいろの魔法も載っていましたから。」
「本当ッ!? ありがとー! ああ、それとさ魔法の――」
コンコンッ
「王様がお目覚めになりました。謁見の間にお越しください。」
「えーっ!! 私まだ話していないですっ!!」
「私だって話してないわよっ!!」
「だから、話しかけてくればよかったではないですか。」
「・・・うぅー。」「むぅ・・・。」
先ほどから噛み合わない問答をしている。
アリスもマリーさんも何だかぎこちないというか避けているような。
アイさんに促されて部屋を出ることになった。
一番後ろを歩くアイさんにこっそり聞くことにした。
「アイさん、さっきの一番とか三番ってなんのことですか?」
「さあ? なんのことでしょうね?。」
「なんだか僕だけ仲間外れにされているみたいです。」
「うふふっ、大丈夫ですよ。そのうちわかりますから。」
彼女の笑顔は何か知っているようだ。
知らないふりをしているつもりだろうが、不敵ともとれるその笑顔が余計に怪しい。
謁見の間に入ると、玉座にはすでに王様が座って待ち構えていた。
服装は相変わらず派手な格好で、付き人の二人がこちらに来ているために今日は兵を10人ほど近くに待機させている。
「お父様。この方たちは、全く戦うつもりはありませんから兵は下げてください。」
「マリーは黙っていなさい。」
「失礼ですが王様。昨日のアンデットモンスターたちは、この方たちがいなければ王都に甚大な被害が出ていたのは火を見るより明らかです。
恩人に対してこの扱いは失礼にあた――」
「ええいっ! 静かにしておれぇ!!」
王様は立ち上がりマイさんの話を遮った。
まわりの兵たちは完全武装。槍に盾に剣にとやる気まんまんのようである。
こちらとしては、そのようなつもりで来たわけではないがしかたないであろう。
「王様。こちらは戦うつもりはありませんが?」
「お前らがマリーを誘拐していたのか。」
「そうです。」
「待って! 違うの私が――」
「マリー黙りなさいっ!! 女のお前は引っ込んでなさい!!」
「ねえ、ピエロ。私暴れていい?」
「だめですね。一応すでに僕の周りには防護壁ががってあります。無詠唱のものですから弱いものですが。」
王様はマリーさんの話を聞く気もなく会話にならない。
マシロはまたしも王様にたいして怒りが込み上げているようである。
毎度のことながらこの王様は本当にやりたい放題にやってきたようだ。
「アイとマイ! お前らもなぜそちら側にいるんだ!」
「そうですね。失礼いたしました。
マイ、行きますよ。」
「・・・。」
「マイ。」
「・・・わかったよ。」
「ふん。それで貴様らは誘拐して何が目的だ?」
「・・・えっ?」
僕やアリス、マリーさんにアイさんマイさんが驚く。
それもそうだ。誘拐した晩に手紙を渡して魔王が連れ去ったとこにしている。
だが、それに王様は気づいていないのだろうか。
僕たちは魔王の使いだと思われているのだろうか。




