魔王暗殺 5
ベットの横に立つ陰を薄めで見ると・・・マリーさん?
マリーさんが暗殺者・・・?
たしかにマリーさんの父でもある王様を僕は脅迫染みたことしている。いくらそれが、マシロの必要としている鍵を手に入るためとは言え負の感情を抱くのは仕方ない。まあ、無理もないだろう。
だが、一応これでも僕も魔族の長でもあるから殺されるわけにはいかない。
「ごめんねマリーさん。起きてるよ。」
「ひやぁあっ!」
僕の声に驚き奇声をあげた彼女。
暗殺用のナイフやロープなど特に持っていない。手ぶらのようだ。
でも、スカートや下着の中に隠すのは暗殺者としては当然のこと。
「ま、魔王様起きてらっしゃったんですか。ビックリしました。」
「一応訓練していて、誰かが入ってくれば起きてしまいます。」
「でしたらちょうどいいです・・・。」
彼女は相当自身があるのだろうか。
暗殺しようとして、起きている僕に対して『ちょうどいい』と言えるほど。
僕としては舐めてかかると痛い目を見るであろう。
「わかりました。じゃあどこに行きます?」
「え・・・あ、ではベットの上でお願いします。」
下手に動き回って兵が来るのを恐れているのだろう。
僕が逃げる可能性もあるから、ここで素早く終わらせようと考えているのか。
見た目も雰囲気も、普通の女の子かと思っていたがそれは敵の目を欺くためだったとは。
人間大陸はいつでも臨戦態勢で構えていて暗殺なども得意という訳か・・・。
簡単に平和の象徴を手に入れられると思ったのが、考えが甘かった。
「そういえば、一緒に寝ていたはずのマシロとアリスは?」
「ああ、彼女たちでしたら今頃ぐっすり寝ていますよ。
アリスちゃんは大人しかったけど、マシロさんはちょっと・・・ね。」
寝ている・・・。殺したということだろうか。
アリスは大人しかったからサクッと。マシロは抵抗したということだろうか・・・。
マリーさんはそういうことを言いたいのか。
っく・・・。
まさか本当にマリーさんが暗殺者だなんて。信じられない。
「目的は・・・僕だよね?」
「そうです。だからこんな時間に来ました。」
「フフッ、そうだよね。マリーさんはどうしたいですか?」
「えーっと、・・・では、まずは少しお話でもしましょうか。
ここ座ってもいいですか?」
「いいですよ、どうぞ。」
彼女は僕のベットに腰を掛けた。
僕を暗殺するためにこの部屋に来たのに話をする・・・。もしかしたら、僕のことを人質にとって魔王城の宝などを奪おうというところだろうか。
「私、昔から周りにに『魔族は恐ろしいものだ』と教えられて生きてきました。
多くの兵が死に、街も焼き払われたところもあり私自身恐ろしく思っていました。」
彼女は魔族の話をし始めたようだ。
僕たちが恐ろしいというのは、人間たちなら今に始まったことではない。
むしろ、その恐怖があったから人間と魔族の均等が保たれていたのだろう。
「付き人のアイとマイの母も大戦で二人を逃がすために魔族に殺されました。
平気で人を殺して、大切な人や住む場所を奪って・・・。だから私はあなた達魔族をずっと恨んで憎んでました。」
「まあ、それは僕たち魔族がしてきたことですから仕方がないです。」
「・・・。」




