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プロローグ 終わりで始まり

 ガシャァン!!


 「うぅっ・・・」


 「フッハッハッハッハー。弱い、柔い。脆い! どうした・・・この程度か勇者よ!!」


 壁に弾き飛ばされ膝から崩る。そのまま前のめりに倒れそうになるが、どうにかといった感じで剣を杖代わりに身体を支える。

 身体も防具もボロボロな勇者とは違い、高らかに笑い傷も汚れもなく余裕に満ちた表情の魔王。


 「くそ・・・魔王め・・・。うわあぁぁぁっ!!」


 「ハッーッハッハッハー! 喚け! 叫べ! 跪け!

我を恐れよ・・・そして崇めよ。称えよ!」


 「もう一回、もう一回だ・・・。何かチャンスがあれば・・・。」


 「もう思い残すことはないな? 一思いに消してやろう!!」


 歩み寄る魔王に対し、為す術がない勇者。


 「ここまで・・・なのか・・・。」


 ピカーンッ

 閃光。

 突如として部屋全体に、この世のものとは思えないほどの光。

目に見えていたはずの世界を一瞬にして覆い尽くした。


 「うわぁあああ!なんだこの光はぁぁッ!? 身体がぁ、熱いぃっ!!」


 「っく・・・いまだ、今しかない!! 動け・・・動けえぇ!

くらえ、うおぉぉー!!」



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