表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

体温と熱の関係について

彼女(ということにしておく)の家らしい木造の薄暗い部屋の中には、少々我慢して腰かけることにした。

暗いので、なんだか畳が汚い気もするし、だいたい自分の部屋はフローリング使用である。

ジーパンでよかったなあと考えていると、彼女はいなくて隣の部屋かわからないが、なにやら物音がしていて、お茶でも入れてるのだと思って顔を上げた。

天井には口が炎の物体が、目玉の飾りを自分に向けていた。

目玉が炎に照らされて光っているのは絶対に生きてるからではないと頭を振った。

 

「あったかいお茶を飲みなさい」

 

「ありがとうございます・・・」

 

お茶は温かいので、彼女の手は熱くはないのか気になった。

ジーパンでの正座は辛いが、彼女がお茶をすすっているのに興味が惹かれる。

着物は簡素なもので、髪の毛はそういえばよく見ていなかったことに気付いた。

長いのか?

うまくも不味くもないお茶を飲み終えるタイミングで彼女が大きな口を開いた。

 

「あなた、人間?」

 

「はい」

 

え?

あれ?

こんなときって、どう答えるのだろうか?

彼女は人間ではないのはもう見ただけでわかるのだ。

だが彼女のオーラ的な中身はたぶん、その鋸のような歯とは関係なくて優しいのだろうなと思う。

彼女は可愛らしく小首を傾ける。

 

「あなた、変だわ。冷静なのね?」

 

私は手元の空になったお茶碗を見る。

吃驚しすぎて冷静になったのだろうか。

彼女は天井を向いた。

 

「あなたもそう思うわよね」

 

「おう、俺様を見ても何も感じないのかよって、そういや聞いてなかったなあ」

 

名前、なんていうんだい。

そう質問されたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ