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反撃開始の助っ人参上!

冷たく硬い感触に体の痛みが伴って、ゆっくりと目を開く。

辺りは薄暗く、蝋燭の燈がポツポツと浮かんでいる。

自分の鼻先に残った薬品の匂いに、むせるように咳き込みながら体を起こせば、自分がどのような境遇に置かされているのかをふつふつと理解しはじめた。

まわりは石垣でおおわれていて、鉄格子の窓の向こうには月が見える。

反対側を振り向けば、そこはまるで牢獄のように鉄格子が並んでいた。

牢獄のようにではない。

牢獄そのものだ。

時代錯誤もいい加減にしやがれと言いたいが、あえて口をつぐんだ。

見れば鉄格子の向こうには見張りのような忍び装束を着た男が、こちらに背を向けて立っている。

俺は立ち上がって鉄格子を握り、揺らす仕草をするも、やはりびくともしなかった。


「・・・クソッ」


俺が小さくつぶやいても、見張りの男は俺が起きたことに気付いていたのか見向きもしない。

ワザとそうしているように見えたが、俺はあえてその男に話し掛けることはしなかった。


「目が覚めたのかね」


突然かけられた声に、俺は声の主に顔を向ける。

見れば図々しくも、俺が意識を手放す直前に見た優花の爺さんだった。

爺さんは檻の中にいる俺を目を細めながら見つめる。

それから一瞬だけチラリと見張り役の男に視線を向けて、また俺を見つめた。


「気分はどうだね?」


「・・・最悪だ。ありきたりな質問で悪いけど、なんで俺がこんなところに打ち込まれなきゃならねぇの?」


「目上に対する口の聞き方を忘れたか小僧」


「生憎と、敬語を使う余裕がないもんでね」


ピリピリとした雰囲気で俺が言葉を返せば、爺さんはフンッと鼻先で見下すように笑った。


「質問に答えてやろう。お主、“宴”に選ばれた者であろう?お主は“宴”に参加せずともよい。なに、お主を抹殺しようなどとは考えておらぬ。すべてが終わり次第、解放しよう。それまでここに居てもらうだけじゃ」


「・・・は?どういうことだよ?!俺が神様の願い事やらを叶えれば、アンタ等は解放されんだぞ?!やること間違ってねえか?!」


俺が鉄格子を握り締めながら叫べば、爺さんは何食わぬ顔で俺をじっと見つめた。


「我々、里の民は“解放”を望んではおらぬ」


爺さんのその一言に、俺は言葉を失った。

あれだけ苦しめられてきた呪いとやらから解放されると言うのに、なぜそれを望まないのかがわからない。

それにこのままだと、里の人間同士の殺し合いが始まって、里の人間は一気に減少する。

爺さんだって誰かに殺されるかも知れないのに、なぜそこまでしなければいけないのかが理解できなかった。

俺はギッと爺さんを睨めば、爺さんも負けじと俺を睨んでくる。

一般人である俺には到底、理解できることではなかった。


「アンタだって殺されるかもしれねぇのに、そこまでしてアンタが守りたいものって一体なんなんだよ・・・」


俺は消えるような声で尋ねる。

どうして俺みたいな考えを持つことができないのか。

理解に苦しみながら目を瞑れば、爺さんは穏やかな、しかし強い言葉をもらした。


「この里は日本政府からの援助を受けて成り立っている。現時代は殺人などもっての他。それを黙認されているのは日本国家に神々の力が必要とされているからこそ・・・。神々の力を失っては、我々の存在は瞬く間に世間へと知れ渡り、里は間違いなく崩壊へと歩んでゆく。そうなっては決してならんのだ。たとえ誰かの命を代償にしようと、我々が神々の力を失うことは崩壊を意味する」


それは本当にどうしようもないように、ただ苦しそうにそうつぶやく。

この爺さんはちゃんと人としての感覚を持っている。

ただ立場上、この里の人間として生きてきた年月が長すぎた。

それは俺みたいなちっぽけな人間にねじ曲げられるような簡単なものではない。

今まで積み上げてきた里のすべてを奪おうとしている俺は、ここに居て当たり前なのかもしれない。

何が正しくて、何が間違っているとは一概には言えない。

泣きたくなるほどそれは無意味な考え方だ。

全部が間違っていて全部が正しくて、俺とこの人の間にはそういう互いに理解できない壁がある。

いまさら一般人の生活をしろと言われても確かに難しいかもしれない。

俺はどうしようもなく、何も言えないままうつむいた。


「今宵、“宴”は終焉を迎えることとなる。その後、里が落ち着けば君を解放しよう。命は保障させていただく。ただし、この牢から出ないかぎりは・・・だ・・・」


爺さんの言葉から、俺は自分が丸一日眠りについていたことを悟った。

今は月が見えているから、もうそれほど時間がないのだろう。

俺は何も言わないまま俯いていれば、爺さんの気配は次第に俺の目の前から遠退いていった。


まったく、自分の無力さにこれほど歯痒いと思ったことはない。


ただ重苦しい。

誰が悪いとか、誰が正しいとかどうすればいいか色々考えて、考えれば考えるほど自分の無力さに嘆かずにはいられない。


なんとかしなければとは思っていても、何も思いつかないのだ。


俺は鉄格子から離れ、石垣の壁に寄り掛かると、自分の膝を抱えた。

ひんやりとした空気が流れ込んでくる。

夏場にはもってこいだが、夜なせいか肌寒くも感じられる。

緩やかに流れる空気に蝋燭の火がゆらゆらとゆれた。

今できることはとりあえず、神様の願いごとやらを考えることだ。

ここからどうやって出るかは後回しにして、俺はとりあえず冷静になって頭をフル回転させた。

人の願い事ならいくらでも思いつく。

金がほしいだとか、幸せになりたいだとか、そんなありきたりなものばかり。

願い事なんて所詮は他力本願な考え方だ。

第一、里の考えや昔話からすれば人間は神様から生まれたんだろ?

だったら神様の願い事だって実はありきたりなものなんじゃあ・・・



あれ?



ふと、脳裏に浮かんだ疑問に思わず考えるのをやめた。

なんだろう?

何か忘れている気がする。

昔話と現在置かされている状況に食い違いが生じる。

なんで・・・なんで“アイツ”がいないんだ?

“アイツ”の存在がなぜそこにあるのかがわからない。

それに・・・今の現状に、なぜ“あの人”が存在しない?

存在してもおかしくないのに、なぜ誰もそのことに気付かないのだろうか。


俺はおもむろに立ち上がって、見張りをしている男に歩み寄った。


「なぁ!アンタ!ちょっと聞きたいことがあるんだけど!」


俺の言葉にようやく振り返った見張り役の男は、思ったよりも若く、やさしい表情をしていた。


「何か?」


男が静かに答えるのを聞いて、俺は一瞬躊躇したものの、改めてそいつと視線を合わせて思い切って尋ねた。


「この里に伝わる昔話って知ってるか?」


「・・・はい。里の人間なら誰もが存じておりますが」


「なら話は早い。質問なんだが、神様に愛された娘ってやつ居たじゃん?その人ってなんで不死不老の力を神様から貰ったのに、里の人間に殺せたんだ?」


俺の質問に、男は少し驚いたように目を見開いた。


「・・・そんなこと・・・考えもしませんでした」


考えもしなかった?

その返答は里の人間だからという意味なのだろうか?

俺が眉をひそめれば、男は体ごとこちらに向き直り、静かに話した。


「我々が背負わされた運命は神から受けた罰だとずっと言い聞かされてまいりました。それを疑うこともなく、当然であったので、疑問に感じたことが一度もなかったのです」


俺の存在を邪険している里の人間の回答とは思えないほど丁寧な口調だった。

俺は少し考えて新しい質問を繰り出した。


「じゃあ・・・さ、アンタ、天使の存在は知ってる?」


それは一番最初に思い浮かんだ疑問だった。

神様は四神をうみ、人間をうんだ。

じゃあ天使は?

あの十六夜の存在はいったい何なのだろうか。

男は俺の質問に、今までにないくらい不思議そうな顔をした。


「天使とは・・・あの物語に出てくるような羽の生えた天使ですか?そんなものが存在するとは聞いたことがない」


男の返答は俺の考えにすっと入り込んできた。

納得のいく返答に、俺は再び考え込む。

そうだ。

里の人間は今までずっと勘違いをしてきていた。

伝えられてきた昔話は最初から間違っていたんだ。

俺の考えだとうまくつじつまが合う。

それどころか優花が巻き込まれたこと事態、矛盾が生じてくるのではないか。


俺が考え込んでいると、男は少しだけ安堵のため息を漏らした。

その雰囲気に俺は考えるのをやめて男を改めて見つめた。


「俺、里をつぶそうとしてるのに、なんでアンタはちゃんと答えてくれたんだ?」


俺が静かに尋ねれば、男は困ったような顔をする。

俺に警戒心も持たないようなその穏やかな表情に、俺はじっと答えを待った。


「・・・里の者が皆、“不変”を望んでいるわけではありません・・・。私は優花様が里見様に託した希望を信じたいと思っております」


「なんで・・・」


「・・・私はすでに妻を殺しています。愛する者を自分の手で殺めてしまったことは、今でも当然、忘れることはできません・・・もう、失いたくはないのです・・・。呪いに縛られ、大切な者を失うことがどんなに辛く悲しいことか・・・。それを、我が子が・・・同じ過ちを犯すと思うと・・・」


そう言って辛そうに笑みを浮かべる。

見た目からして年令はそれほど老いてはいない。

子供もきっとまだ幼いのだろう。

その幼い子から母親を奪ってしまったことに深く傷ついている。

今まで見せていた表情は、里の人間じゃなく、父親としての表情だったとようやく気が付いた。


「・・・ですから私にできるかぎりのことはさせて頂きます。どうか“解放”を・・・」


切実に願う父親像に、俺は静かに頷いた。

だが、肝心の神様の願い事というものはまだわかっていない。

カラクリが解けても仕掛けがわからないのだ。

こうなってくれば神様の願い事とは十六夜の願い事になってくる。

なぜ優花に“憶印”を打つことでこのような事態が起こるのかもまだこれといった確信がつかない。

本当、自分はマヌケでどうしようもない。

ただ自分を責めることしかできなくて、俺は男に急かすようにつぶやいた。


「ここから出してくれない?まだ俺にはやることがあるんだ」


俺がそう言えば、男は悲しそうな表情を浮かべて、無言のまま首を横に振る。


「なんでだよ!今、なんでもやるって言っただろう!」


「・・・鍵は虎之助様がお持ちなのです・・・それに・・・私は逆らうことができない・・・」


「なん・・・」


「息子を・・・人質に捕られております・・・。私のような、“解放”を求めている里の民は皆、反逆を起こさぬよう・・・真由羅様もその一人です。真由羅様は、主を人質に・・・」


その重苦しい言葉に、俺は頭が可笑しくなってきた。

人質とか、殺し合いだとか、神様だとか、もうそれは一般離れした考えが山積みになっていて。

冷静になっていたつもりだったけれど、もうそれすら忘れてしまった。

なんで俺がこんなことに巻き込まれなきゃならないんだろうと、そう思えば思うほど自分の存在が無意味になっていく。

俺はその場にズリズリとしゃがみこみ、冷たい地面を見つめて小さくこぼした。


「もう・・・疲れた・・・」


夏の空は暮れるのが遅いと思っていたけれど、俺が気付いたときにはもうすでにあたりは薄暗くなっていたから、もう約束の時間までそう時間はないだろう。

両膝を抱えながら鉄格子に見える空を見上げてはため息を漏らした。

俺の質問に答えてくれていた男はまた自分の立ち位置に戻ると、何もしない俺に何も言わないまま自分の職務を全うする。

父親と、里の人間と、ただ一人の男と、彼の背中はたくさんの自分を背負っているように見えて、なんだかたくましく思える。

俺は、あんな背中をしてるだろうかと、少しだけ自分に問いかけながらもただひたすら考え続けていた。

さっき鍵穴を近くに落ちていた針金みたいな棒でいじってみたけれどカチリとも音がしなかった。

鍵穴をこじ開けている間、彼は見て見ぬふりをずっとしていてくれたけれど、きっと俺と同じく内心はハラハラとしていたに違いない。

俺みたいな男に里の運命がかかっているとなれば、気が気じゃないだろう。

針金は古くなっていたために、だんだんと短くなっていって、最後には持つことも出来ない位、バラバラになってしまった。

なんか俺みたいだなってくだらないことを考えながら、次にどうするかを考えているうちに刻々と時間は過ぎていった。



「・・・?」



「・・・里見様・・・今の聞こえました?」



「・・・アンタにも聞こえたって事は聞き間違えじゃないよな?」



ふ、と顔を上げた俺に、彼は背を向けたまま俺に問う。

俺も最初は間違いかとは思ったけれど、確実に近づいてくるその音に、彼は体をこわばらせた。

どう聞いてもそれはバイク音だ。

暴走族みたいな大きな音ではないけれど、車のような静けさもない。

タイヤの回転音まで間近に聞こえてきたかと思うと、一発パンッと何かが弾ける音がして、次の瞬間には門番をしていた彼がその場にドサッと倒れた。

俺は思わず立ち上がって、牢の鉄柵を握り締めると、向こう側に二台のバイクが勢いよくタイヤを滑らせながら俺の前で止まった。

二人ともヘルメットを被っていて、他の人間なら誰だかは分からないだろうけれど、俺はすぐに理解してバイクにまたがったままヘルメットを取ったそいつを見た。


「よぉ色男♪仲間はずれにすんなよ♪いじけちゃうぜ?」


ニッと白い歯を見せながら、手に持っていたさっきの破裂音の正体をヒラヒラさせて、バイクのエンジンを切るとメットをそこに置いて、俺に歩み寄ってきた。

もう一人も同じ行動をとりながら俺に近づくと、フンッと鼻を鳴らしながら俺を見る。

俺は二人を交互に見て、それからハッと我に返ると冷静に尋ねた。


「笹木・・・、それ本物か?」


「んなわけねぇじゃん。モデルガン。ただし改造してあるけどな」


銃弾は麻酔弾だということを付け加えながら機嫌よく改造モデルガンを見せびらかす笹木に、俺は安堵のため息を漏らした。

友人が殺人鬼になる心配がなくなったのと、さきほどまで協力してくれていた男の安否を確認できたからだ。

俺がホッとしているのを見て、笹木は吉倉に視線を移すと、視線を受け取った吉倉は小さく頷いてヘルメットをバイクの座席の上に置くと、かちゃかちゃと小さな金属音を鳴らしながら、牢屋の鍵を専用工具で開け始めた。

専用工具を持っていること自体も犯罪なのだが、ここはあえて黙っておく。

俺は吉倉が作業をしているのを横目に、笹木を見た。


「犯罪の1つや2つでガタガタ言うなよ?そうしなきゃ神様に喧嘩なんて売れねぇだろ?」


何で知っているのか、という疑問が浮かび上がってきたが、それは吉倉の言葉で理解することになる。


「お前が運ばれて行くの見て、女中一人口説き落として全部聞いたんだよ」


「前原に言ってやろう♪」


「シメるぞ笹木」


文句を言いながらも鍵を開ける作業の手は止めていない吉倉に、笹木はケラケラと笑って見せた。

そんな余裕のない俺は、慌てて知りたい事を早口で質問することにした。


「あ、おい!ここどこだ!?今何時?!時間がない!早くしないと!!」


「落ち着けよ」


「落ち着いてられるかっ!!」


俺が大声で叫べば、笹木は少しムッとした表情を浮かべ、それから無言のまま俺に手招きをする。

牢の中から笹木の間近まで迫れば、笹木は一瞬フッと笑って鉄柵の間を起用にストレートパンチでくぐらせた。

牢の外から殴られた俺は、思わずその場に尻餅をつく。

殴られた左頬は熱を帯び、口の端から血が流れた。


「落ち着いて聞けよ。今は夜の11時。場所は優花さんのいる朱雀の里やらから50kmほど離れた玄武の里って場所だ。ただし、お前勘違いしてるみたいだから言うけど、その宴とやらの期限は明日の夜。まだ一日経ってねぇから安心しろ」


それを聞いた途端、俺は尻餅をついたままフッと笑った。

つまりあの爺さんが言っていたことは俺を諦めさせるための嘘だったってわけだ。

冷静さを欠いていた自分の行動が恥ずかしくなる。

俺は殴られた頬を押さえながら、ゆっくりと立ち上がった。


「あー…腹減った」


「冷静になった途端それかよ」


「昼から何も食ってねぇんだもん」


俺がポソリと言ったと同時に、吉倉のいる場所から、カシャンと軽い音がした。


「開いたぞ」


古い軋みの音をさせながら、先ほどまで頑として開かなかった牢屋の入り口がゆっくりと開く。

俺はそこをくぐって外に出て、ゆっくりと背伸びをした。


「とりあえず脱獄は成功したけど…これからどうするつもりだ?」


笹木がヘルメットを抱えたまま俺に尋ねれば、俺は目を合わせないまま地面を睨みつける。

どうするかなんて決まっているけれど、どうすればいいかなんて分からない。

何も言わない俺に、笹木は大きく盛大なため息を漏らした。


「お前が何考えてるのかなんて馬鹿な俺達にはわかんねぇし、理解してやることも多分できねぇ」


そういいながら俺に一歩近づけば、俺は顔を上げて改めて笹木を見た。

笹木は堂々とした態度で、まっすぐ俺を見る。

コイツはしっかりと俺に視線を合わせて、しっかりと俺を見てニッと笑った。


「テメェにその覚悟がありゃあ、俺達は喜んで一緒に地獄に落ちてやるよ」


そうはっきりと言った笹木を見れば、笹木の肩に肘を乗せて、吉倉が続けるように言った。


「どうする?乗るか反るかはお前が決めろ」


それはもうとても無邪気に。

今から何か楽しい事を企んでいる小学生のように無邪気に笑う二人を見て、俺はただ唖然とした。


まったく、本当にとんでもない友人を持ってしまった。

先ほどまで難しいことを考えすぎていた俺が馬鹿みたいで、考えること自体が馬鹿らしく思えて、こいつ等となら…って賭けみたいなことを思い浮かべる自分の馬鹿さ加減にも呆れてしまうほどに。


俺は二人から視線をはずさないまま、大きくため息を吐くと、俺の答えを待たずしてニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべる悪友二人に、フンッと鼻を鳴らしながら言った。


「・・・たく・・・好きなこと言いやがって・・・。俺の意志なんてすでに尊重されてねぇじゃねぇかよ」


「テメェの意志なんざたかが知れてるだろ?」


「そこまで俺達は馬鹿じゃねぇよ」


「どうだか?」


悪態つく俺に、二人は少しむっとするもすぐにプッと噴出して小さく笑い始める。

クソッタレな親友達の存在が、こんなにも大きなものだなんて自分でも知らなかった。


そんなことを死んでも口にしないけれど、心の中で感謝しつつ、俺はもう一度背伸びをしながら二人を改めてみた。


「考えんのアホらしくなった。とりあえず姫君奪還といこうか?」


『了解』


反撃開始だ。



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