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16 ダンジョンのイメージ

大きな石の門を潜った。

広い。

人が沢山いるのに、それを全く感じさせないほど広々としている。


「ダンジョンって、なんかイメージと違いますね」


「どんなイメージだったの?」


「もっと暗くて、地下で迷路で、一本の狭い道を怖々と進んでモンスターに遭遇してっていう、こんな風に綺麗な青い空が見えるとは思わなかったです」


「人口ダンジョンはそういうの多いよ、作るの楽だから」


「そうなんですか」


「でもそっかー、ダンジョンのイメージかぁ」


「先輩はそういうのなかったですか?」


「思ってたダンジョンと違うって?」


「はい。行く前に想像しますよね?」


「うーん、ダンジョンをイメージするより先にダンジョンを知っちゃったから、なかったな、そういうの」


「あ、そうですよね、三歳から来てるんでしたよね」


「うん、ここも小さい頃来たことあるよ」


「そうですか、ここ広いですね、混んでるって感じしないです」


「うん」


少し歩くと大きな橋があり、池の水は何やら禍々しい色をした赤で、なんかゴポゴポ言ってる。


「先輩、この池落っこっちゃったらどうなるんですか?」


「濡れるだけだよ」


「あ、そうですか」


「このダンジョンは世界一安全なダンジョンって言われている。危ないものは基本的には何にもないよ」


「そうですか」


「うん、デートスポットでもあるし、地方のハンターが東京来たら必ず行くダンジョンでもあるかな、近くに東京ドームあるから、デーゲームで野球見て帰りに寄ったり、昼までここにいて、帰りにナイター見たり、立地がいいんだよね、夏休みとか凄いよ」


「夏、暑いのにですか?」


「ここのメインタワー、見えてるでしょ、あれ」


先輩が指をさす。

先輩の指先には、細長い塔。


「あの中涼しいから、冬はあったかいし、ここ快適なんだよね、そこも人気の理由」


「そうですか」


「あ、そうだ。ダンジョンで会った人から食べ物貰っても絶対に食べちゃダメだからね」


「はい」


「ダンジョンでは自分以外誰も信じないこと」


「はい」


「俺のことだけ信じて」


「はい」


「あと変な宗教の勧誘してる人もいるけど、相手にしなくていいから」


「あ、はい」


「飴くれたりするけど、食べないでね」


「はい」


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