表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/25

15 ゴールデンウイーク初日

ゴールデンウイーク初日です。

いつもダンジョンに行くのは授業を終えた月曜日から土曜日の午後だけだったので、先輩も私も制服でした。

お休みの日に先輩に会うのは今日が初めてです。

いつもの待ち合わせ場所に現れた先輩はパーカー付きのグレーのスエット姿でした。

かっこいい。

なんてかっこいいんだろう。

敏腕コーチだ。

こんな人に習いたい。

この人についていったら絶対優勝できそう。

強そう、あ、強いんだった、それも世界一。

先輩宇宙人が攻めてきたら地球代表で戦うんだもんね。

その時この姿で飛行機に乗り込むんだろうな。

タラップから降りてくる先輩、絶対かっこいい。

かっこいい。

かっこいいしか言えないよ。

なんか、先輩の着てるジャージ高そう。

絶対高いよね、なんか、素材が良さそうだもん。

私でもわかる、質感が違う。


「先輩かっこいいです」


「えー?」


しまった、つい声に出してしまった。

身体の方が耐えられなかったらしい。

なんてダメな子。

もっと我慢して。


「かっこよすぎます」


ダメだ。

こんなかっこいい姿見て、褒めない方がおかしいよ。

そっちの方が絶対不自然。

もっと自然に、自分の心に素直に生きなくちゃ。

逆らっちゃダメ。


「え、あ、そう」


「そのジャージとってもお似合いです」


「ありがと」


「なんでそんなにかっこいいんですか?」


世界の謎でもなんでもない。

だって皐月先輩だもん。

聞く方がおかしいか。

かっこいいのに理由なんかないもんね。


「え、あー、楓にそう見えているだけで、ホントはそうじゃないかもよ」


「え、そうなんですか?私にだけ先輩世界一かっこよく見えてるんですか?え、じゃあ皆がかっこいいって言ってるのは?あれも私にだけ聞こえる幻聴ですか?」


「ははっ、そんなわけないでしょ、俺がかっこいいのは本当のことだよ」


「そうですよね、驚かせないで下さいよー」


「ごめん、ごめん、行こ」


「はい」


目的地のE級ダンジョンが近づくにつれて、お祭りのように、屋台が沢山並んでいるのが見えてきた。


「後で食べようね」


「はい、あのお祭りなんでしょうか?」


「ううん、ゴールデンウイークだから。学生ハンターが大勢来るから、書き入れ時なんだよ」


「はあ」


「あと、ハンターのカップルが来るから、このE級ダンジョンはハンターのデートスポットだから」


「そうなんですか?」


「うん、D級までは、どっちかっていうと、娯楽施設みたいなものだから、行楽気分で来るハンターが多いよ、ただだし」


「そうなんですか」


「うん、WARなんて全然稼げないし、皆スポーツジム行く感覚じゃないかな、強くなったらまず来ないし」


「じゃあ先輩は、強いから全然楽しめませんよね?」


「そんなことないよ」


「本当ですか?」


「楓がいるから楽しいよ、楽しみにしてたし」


「あ、でもゴールデンウイークが終わったらD級ダンジョン以上に行けるようになるんですよね?」


「あー、そう言えばそうだったね」


「そうなったらC級以上に行きますか?」


「まだ当分いいでしょ、暫くのんびりダンジョン楽しも」


「でもそれだと先輩WAR全然稼げなくないですか?」


「大丈夫、俺がS級ダンジョン三つくらい攻略したら1500億なんてすぐだよ」


「そうなんですか?」


S級一つで500億WARってことか。

うーん、想像もできない、なにその冗談みたいな数字。


「俺はさ、毎年1500億WAR以上稼いでるんだけど、1500億以上からはもうカウントされないんだよね、貢献度消滅させられてんの」


「え、なんでですか?」


「俺が勝ちすぎるのが面白くない人達が多いんでしょ」


「いいんですか?」


「別にいいよ、WARのためにダンジョン行ってるわけじゃないから」


「楽しいから、ですもんね?」


「そう、俺が楽しいから、ダンジョンは俺をずっと楽しませてくれたから」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ