14 三年生側ベンチにて
「皐月、楓ちゃん見過ぎ」
「だって俺楓以外の一年知らねーもん」
「見てたらこっち見てくれると思ってる?」
「楓の隣に座ってる奴誰?」
「筧忍でしょ、一年一位の、イケメンだねー、寒色系だー。近くにいたら涼しくなりそー、佐倉に聞いたけどー、あの子も同じ中学らしいよ、バスケ部のキャプテンだったって」
「B級、C級?」
「B級だったと思う」
「ふーん」
「楓ちゃんは今日も可愛いねぇ」
「楓はいつも可愛いよ、なんであんなダッサい青ジャージ着てんのに可愛いんだろ。一人だけ全然違う」
「あ、そうですかー。いいですねー、可愛い女の子と毎日一緒にいられる人はー」
「見てて飽きないんだよね。俺楓ならずっと見てられる」
「あっそ」
「楓おかしんだよね、この間さ、ダンジョンで寝ちゃったんだよ、寝ちゃう?普通、ダンジョンで、初心者が」
「あんたがいるから安心して寝れたんじゃない」
「そうなんだろね、楓はさ、俺のことすっげー信じてくれてるんだよ、すごくない?」
「凄いわね、どうやったらあんたみたいな人間を信じられるのか、楓ちゃんに聞いてみたいわ、まぁ聞かなくてもわかるけど」
「なんで?」
「皐月先輩だから、でしょ」
「楓といると凄く楽しいんだよね、ダンジョンさぁ、もう最近じゃS級行ってやっと楽しめる感じだったのに、楓と行くとE級ダンジョンに行っても楽しいんだよね、ワクワクする。だってさ楓スライム見て超嬉しそうにするんだよ。ぷにぷにしてるって、触ってみたいって、キラキラした目でさー、もう俺らそういうのないじゃん?」
「まぁ、スライムはないかなー」
「楓が嬉しそうにすると、こっちまで嬉しくなる」
「それはいいですねー」
「最近すっげー楽しいんだよね、楓と会ってからずっと楽しい」
「良かったじゃない」
「うん、良かった」
「楓ちゃん手振ってるよ、手振りかえしてあげなよ」
「ははっ、かーわいー」
「あ、両手で振ってる、可愛いねぇ」
「ホント可愛い。一生見てられる」
「皐月が後輩女子にメロメロとか去年の私に言っても信じないだろなー」
「めろめろ?」
「メロメロでしょ?一生見ていたいんだから」
「そっか、めろめろなのか」
「いいじゃない、今のあんたの方が去年までのなんか面白くなさそうなあんたよりずっといいよ」
「うん、今毎日面白い、今までで一番面白いかも」
「それは良かった」
「楓はさー、近いなと思ったら遠いんだよね、近づいたなーって思ったら、あれまだそんなに近くないなーって、雲とか星みたい、だってあれすっげー近く見えるじゃん」
「可愛いこと言うようになっちゃって、いいね、そういうの凄く好き、もっと聞きたいなー」
「あいつずっと楓の隣にいんだけど、移動させていい?」
「可愛くない。やめときなさい、今日魔法禁止」




