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恋するおんぷ♪ ~選択肢ゼロ!好感度MAXから始まるなんて聞いてない!~  作者: ぼんぼり
Con Grazia

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06 「息抜き」

 会社の近くにあるショッピング街を、光くんと一緒に回っている。


「次は、あっち!」

「えっ!ちょっと、待って!」


 わたしは、慌てて光くんの後を追った。絶賛、光くんに振り回され中。いくら変装してても気づく人には気づかれると思うんだ。大きなレンズの伊達メガネ、マスク、帽子といかにも芸能人ですって感じだし。写真を撮られないようきをつけているわたしを見習ってほしいよ。光くん、全然気にしてないみたいだし。


 初めは、ウインドウショッピングのはずだったのに、気づいたらわたしの洋服選びになっていた。その引き金になったのは、さっき行った店で店員さんになんか言われたらしい。しかしその内容は、絶対教えてくれなかった。


「今度は、これ着て!」


 光くんが、持ってきたのは赤いチェックのワンピと小さめのボアベストだった。そして、白のインナーワンピとニーハイブーツ。完璧な、トータルコーディネートだった。


「でも・・・わたし、買わないよ?」

「いい!ボクが買う!!」

「えっ!!」

「あの店員に、ぎゃふんって言わせてやる!!」


 何言われたのさ、とボソッと呟いた。光くん、気合いの入り方が半端ない。しぶしぶ、わたしは光くんから服を貰うと、試着室の中に入って着替え始めた。その間、光くんは外で誰かと話していたようだった。


 奏が試着室に入るのを、見計らって女の子が3人、声をかけてきた。しかし、光は質問にも上の空で軽く流している。なぜなら、もうすでに光は、目の前にいる逆ナンしてきた女の子達にうんざりしていたからだ。うざいな、と思いつつも光の頭の中では、さっき店員に言われた言葉がこだまのように何回も何回も繰り返していた。


 基本、光は奏以外興味がない。好きな人には直進型だ。自分でも過ぎく束縛しすぎるってもの理解している。自分の想いと同じように返してほしい。誰にも見せたくないなぁ。


「何が、お姉さん綺麗だね?だよ!」

「えっ?何か言った?・・・だからさぁ~。」

「これ、進めてよ・・だぁ。全然、分かってない!」


 光は、イライラの余り言葉に出して憤慨していた。光は、さっきの店員に姉弟だと間違われ、変な洋服を進められたのだ。仕舞いには、奏を紹介するように言われた。一番、言われたくないことを言われて、光は悔しくて仕方がなかった。


「一緒にあそぼ!ねぇっ?」

「うるさい!つーか、誰?あんたら!」

「――っ!何よ!さっきから、私たちの話聞いてなかったの?ちょっと格好いいからいい気になって!」

「うざい。お前に興味ないし。」


 冷たく言い放つ光に、女の子達はわめきだした。だんだんとケンカがヒートアップしてきたときに、出ようか出まいか迷っていた奏が光に声をかけた。


「あのっ、今大丈夫かな?えっと試着してみたよ。」


 カーテンを恐る恐る開けて、様子を伺うように奏は顔を覗かせる。最初に、奏と目があったのは逆ナンしてた女の子達だった。


「お姉さん?」

「姉弟で買い物してたの?」

「――っ。ごほん、おねーさん。そろそろ僕たち移動するんだ。ごめんね、関わらないでくれる?」


 さっきとは打って変わって、可愛い声で言った。光くんのその笑顔に、女の子達はドキッと頬を赤らめていた。惚けているのをそのままにして光は奏の姿を見て先ほどの険悪ムードとは打って変わってとびっきりの笑顔になった。


「かわいい、やっぱりボクの見立て最高!じゃ、店員さんと話してくるね。」

「本当にいいの?」

「うん!ボクが奏ねぇちゃんに来て欲しいんだ。」


 光くんは、そう言うとレジに向かって行ってしまった。奏はこの状況で放置と思いながらも、素知らぬふりでカーテンをゆっくりと閉めた。関わらないのが一番だ。

 光くんが呼んできた店員さんに、試着した服の値札を外して貰い、さっきまで着ていた服とパンプスを紙袋に入れて貰った。さっきの女の子達は、わたしを見ると急に態度がそわそわし始めて、慌てて店の外に出て行ってしまった。結構、失礼だよね。それにしても、光くんが選んでくれたワンピ可愛い。裾の内側に着いたひもを縮めたりすると形が変わって、インナーワンピの裾が見える。そこが可愛い。ホント、光くんセンスいいな。


「お待たせ。やっぱり、可愛い。絶対、似合うと思ってたんだ。奏ねぇちゃんのふわふわの髪にすごくぴったりだもん。」


 照れたように、にへらっと笑った。こっちも可愛い。


「どうしたの?この跡・・・。」


 首筋にあるあの時のあざに光くんの指がゆっくりと触れる。宗ちゃんに、絆創膏を貰うのを忘れていた。


「えーっと、虫・・・虫に刺されたの。」


 わたしは光くんと目線を外しながら、気まずそうに答えた。疑り深い瞳で、光くんはわたしを見ている。すごく心臓がどきどきしている。でも、光くんは何かを悟ったみたいににっこり笑って、わたしの首から手を離した。そして、その手をわたしの手に移動して、「アイス食べに行こう!」という言葉と共に優しく握った。手を握ったまま勢いよく店を、飛び出す。光くんが触れた所からじわりじわりと熱くなって、それはもしかしたら顔にも、もちろん繋いでいる手にもその熱が伝わっていたかも知れない。


 ーー熱い。ドキドキする。

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