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第13.5話 エドガーの観察日記-科学者と司祭の視点から

5月14日、リサの誕生日での湖畔デートで、エリックとリサは正式に恋人関係になった。

ラボでの二人の変化にいち早く気づいた者がいた。

司祭兼研究補佐のエドガーであった。研究者・司祭としての独自の目線で、二人の変化を観察する。


初めての方は、上部の目次からお願いします。そこから、第1話から閲覧が可能です。

リンクがうまく貼れませんでした。すみません。

エドガー・マッツァンティは、ラボのコーヒーメーカーの前で腕組みをしていた。

目の前では、エリックとリサが実験データについて議論している。

しかし、その様子を見ていると、何かがおかしい。


(あいつら……なんか変だな)


エドガーは内心でそう思いながら、二人の様子を観察していた。



「このデータ、もう少し精度を上げられそうだね」

エリックがグラフを指差しながら言う。


「そうね。サンプル数を増やせば、より確実な結果が得られると思う」


リサが答えながら、エリックの手元を見つめる。

その視線が、データではなく彼の指先に向けられているのを、エドガーは見逃さなかった。


「あの……エリック」

「ん?」

「髪、少し乱れてるよ」


リサがそっとエリックの前髪を直す。

その動作は自然だったが、明らかに恋人のそれだった。


(おいおい、これは完全に……)


エドガーは心の中で苦笑した。


挿絵(By みてみん)


昼食時、エドガーは二人と一緒にカフェテリアにいた。


「最近、研究順調そうじゃないか」


エドガーが何気なく言うと、二人は顔を見合わせて微笑んだ。


「そうですね。エリックと一緒だと、とても研究も捗ります」

「リサさんのおかげで、僕も勉強になることが多くて助かってる」


お互いを褒め合う二人。

だが、その褒め方が明らかに「研究パートナー」の域を超えている。


「へえ、そりゃ良かった」


エドガーが意味深に笑うと、二人は少し慌てたような表情を見せた。



(科学者として、冷静に分析してみるか)


行動パターンの変化:以前はエリックが一方的にリサを見つめていたが、最近は相互的になっている。

距離感の変化:物理的距離が明らかに近くなった。実験中、必要以上に近づく場面が多い。

言葉遣いの変化:敬語が減り、より親密な口調になっている。

生理学的反応:二人とも、相手の話をする時に瞳孔が拡大し、頬に軽い紅潮が見られる。


──観察記録として、これは明確な恋愛初期反応である。


(これは間違いなく……恋愛関係に発展してるな)


エドガーはコーヒーを一口飲みながら、小さく頷いた。



夕方、エドガーは一人で研究室に残っていた。

エリックとリサは「図書館で資料調べをする」と言って出かけていったが、

最近の二人を見ていると、純粋に勉強だけで終わるとは思えない。


(まあ、悪いことじゃないけどな)


エドガーは窓の外を見ながら思った。

司祭として、人間の愛について考えることがある。


愛は、神が人に与えた最も美しい感情の一つだ。

特に、二人のように純粋で真摯な関係には、祝福を送りたくなる。


(エリックの奴、昔から真面目すぎるところがあったからな。リサみたいな聡明な女性と一緒にいることで、人間としても成長するだろう)



そんな時、エリックが一人で研究室に戻ってきた。


「おう、エリック。リサは?」

「あ、エドガー。リサは図書館にいるよ」

「リサ、って言ったな今」


エドガーがにやりと笑うと、エリックの顔が真っ赤になった。


「え、いや、その……」


「別に責めてるわけじゃないぞ。ただ、お前の口から“リサさん”じゃなくて“リサ”って言葉が出るようになったんだなって思ってさ」


「……バレてた?」

「バレバレだ。俺の目を誤魔化そうったって無理だぜ」


エドガーが笑いながら言うと、エリックは観念したように苦笑した。



「いつから?」

「この前の研究休みの日に、湖畔に行ってから……正式に、というか」

「ほう。で、どうなんだ?」 

「どうって?」

「幸せか?」


エリックの表情が、一瞬で柔らかくなった。


「うん!毎日が充実してる。今度、科学博物館に一緒に行くんだ。もちろん、研究も兼ねてね」


その答えを聞いて、エドガーは満足そうに頷いた。


「そりゃ良かった。リサも同じ気持ちだろうな」

「そう思うよ。少なくとも、そう信じたい」


(この純粋さよ……)


エドガーは心の中で笑った。


挿絵(By みてみん)


二人とも、恋愛に関しては本当に初心者だ。

でも、その分、真剣で一途。見ていて微笑ましくなる。


「一つだけ言っておくぞ、エリック」

「はい?」

「リサを大切にしろよ。あの子は、本当に純粋で優しい子だからな」

「もちろん。彼女を傷つけるようなことは、絶対にしない!」


エリックの真剣な表情を見て、エドガーは安心した。


(司祭である自分が、恋愛を羨ましく思うなんて……神様はきっと笑ってるだろう)



その夜、エドガーは自分の部屋で日記を開いた。


『今日、エリックとリサの関係が正式になったことを知った。

二人とも、とても幸せそうだ。


この変化は突然ではない。

少しずつ積み重ねてきた時間の中で、確かに芽生え、育っていったものだ。


人間の愛とは不思議なものだ。

科学的に分析すれば脳内の化学反応に過ぎないかもしれない。

しかし、それを超えた何かがある。


二人を見ていると、愛が人を成長させる力を感じる。

エリックはより自信を持つようになったし、リサはより柔らかい表情を見せるようになった。


これも神の恵みの一つなのだろう。

明日からも、二人を温かく見守っていこう。

そして、必要な時は良きアドバイザーとして支えていきたい。』


挿絵(By みてみん)


数日後、エドガーがラボに入ると、二人が並んで実験データを見ていた。


「おはよう、お二人さん」


エドガーが意味深に挨拶すると、二人は少し照れたような笑顔を見せた。


「おはようございます、エドガーさん」

リサが答える。最近、彼女も随分とエドガーに対してフランクになった。


「研究、順調そうだな」

「うん。今のところはスムーズだよ」

「それは何よりだ」



エドガーは心の中で考えた。


(二人とも、本当に幸せそうだな)


司祭として、友人として、エドガーは二人の関係を心から祝福していた。

真実の愛には、神の恵みが宿る。

そして、二人の関係には確かにそれが感じられた。


(この二人の歩む先に、どんな試練があっても――きっと愛が導くだろう)


エドガーは静かに微笑み、二人の幸せそうな笑顔をを見守っていた。


挿絵(By みてみん)


第一話からは最上部の目次からお願いします。

すみません。リンクが貼れませんでした。


お読みいただきありがとうございます。

司祭で研究者でもあるエドガー、流石に鋭い!研究者の視点で、二人の変化を分析し、さらに、司祭として応援しています。少しの本音も混ぜながら。

次回は、エリックが言ったように、デンバーの博物館デート回となります。

また、よろしくお願いします!


初めての方は、最上部もしくは下部にある目次から第一話も、よろしくお願いします。

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