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死刑囚だった俺が小学生に転生!? 裏切られて死んだけど、ここからは俺のターン。裏切り者は詰みです。  作者:
3章 高校生編

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58話 

遅くなりました。小学生編終わりです。次の舞台は高校生です。

高校生編は登場人物が増えますよ。

 季節は巡り、あの日から数年の月日が流れた。


 今、俺は名門・聖条学園の制服に袖を通し、高校の門をくぐっている。


 表向きは文武両道を掲げるエリート校。だが俺にとってこの場所は、将来を見据えた“狩場”だ。

 次の計画を進めるために必要な人材を選別し、力を築き上げるための――舞台。


 そう、この高校生活は、俺にとってただの青春などではない。

 過去を燃やし尽くし、未来を喰らい尽くすための準備期間だ。


 そして、教室に入るよりも前に、俺の思考はふと過去へと引き戻された。


 ──数年前。


 父親が逃げたあの夜の後、伊集院家は総出で彼の行方を追った。

 加賀が率いる特殊部隊まで動員され、都内にある協力者ネットワークや監視カメラを総ざらいで捜査したが、結局見つからなかった。


「彼がアクションを起こせば、必ずどこかで尻尾を出す。」


 そう加賀は言っていた。つまり、父親が何か“動いた瞬間”が狙い目だということだ。


 だが、俺はこのまま何もしないつもりはなかった。


 中学に進学した俺は、伊集院家の「暗部」に志願した。

 本来なら血縁者か、特別にスカウトされた者しか入れない非公開部門。

 そこに“特例”として見習い暗部として潜り込んだのだ。


 理由はひとつ。

 あのとき、俺を陥れた実行部隊が、伊集院家の紋章――鷹の刺青をしていた。

 桜は「識別印」だと言ったが、それが本物なら、あの男たちは伊集院家の“誰か”の指示を受けて動いていたということになる。


 伊集院家を疑うのは無理もない。

 あの力。あの規模。そして、あの冷たさ。

 裏の世界において彼らは間違いなく最上位に位置している。


 桜は当然反対した。


「アキラをそんな危ないところに入れるなんて……っ、私が許さない!」


 目に涙を浮かべて詰め寄ってきた彼女を、俺は淡々と見つめていた。


「やると決めたからには、止まらないよ。これは俺の“償い”でもある」


 何の償いかは、彼女には言わなかった。転生のことも、前世のことも、誰にも話していない。

 俺の中だけで煮えたぎるこの怒りは、俺にしか処理できない。


 結局、桜は「……絶対無理はしないで」と小さく頷いた。

 納得などしていなかったが、彼女なりに信じてくれたのだろう。


 母は、あの火事の後、奇跡的に回復した。

 長らく昏睡状態にあったが、医療処置と伊集院家の支援により、意識を取り戻した。


 現在は、伊集院家の屋敷の一角で家事手伝いとして働いている。

 立場は微妙だが、少なくとも俺と一緒に暮らせている。

 心の奥底に刺さっていた何かはまだ完全には消えていないが、母なりに変わろうとしているのは確かだった。


 ……ただし。


「監視は継続させていただきます」


 加賀はそう言っていた。


「彼女の行動には問題はありません。ただし、万一ということがありますので」


 それはつまり、母が今後再び“敵”に転ぶ可能性を、伊集院家は捨てきれていないということだ。


 そんな環境で育ちながらも、俺は中学をトップの成績で卒業した。


 伊集院家の“表”の期待も背負い、そして“裏”でも暗部としての実績を少しずつ積んできた。

 戦闘術、情報操作、潜入工作、心理誘導。そういった技術を静かに吸収しながら、俺は徐々に自分の「手駒」を揃えるために活動を開始していた。


 そして今、俺はこの高校生活で、次のステージへと踏み出す。


 ――“表の世界”で力を持つ人間を見極め、育て、繋げる。

 誰にも知られず、裏の結社を形成する。

 それは、将来自分が復讐を遂げるための、巨大な歯車を作る作業。


 俺一人では届かない敵も、組織を通せば届く。


 復讐には、力がいる。

 力には、信頼と忠誠がいる。


 だからこそ、俺はこの世界で最も優秀で、最も無垢で、最も“危うい”人間を見極め、手駒として囲い込んでいく。


 それが、俺の次の――“計画”だった。


(この学校で、俺は世界を変える準備を始める)


 眩しい朝の陽射しが、校門の奥へと俺の背を押した。


 だが、その光の中に差す黒い影――

 それが、今はまだ誰にも見えない“もう一つの顔”を形作っていた。

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