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8、なんとかしてみせましょう

毎度後書き長くて申し訳ありません。


「お嬢様…本当にこれで宜しいのですか?」


 マーサが控えめに話し掛けるとロザンナは不思議そうにした。


「何が?」

「ご婚約者様でございます」

「いいの!体が拒絶するんだから無理!だからこれでいいの!」

「しかし…あの家からは共同事業等も含めてお世話になってるそうですし…」


 この話で何故これまで彼との縁を切れずにいて彼が後悔するなどと吐き捨てたのかをやっと理解すると一人納得したように頷いた。


「なるほどねぇ…わかったわ。それなら貴女達が心配しなくても問題ないくらいにすればいいのよね?私に全て任せなさい!」


 それからロザンナは必死に猛勉強に励むと疑問を感じる事が多くなった。

 特に経営に関しては貴族の矜持なのかは知らないが古い考えのやり方でうんざりしたのでそこは上手く簡略化が出来ないか思案しながら学びつつ自分の能力を全力で鍛えて動物達にも全面協力してもらい独自のネットワークを築いて様々な事を調べていた。


「お父様!あの家との縁は切れまして?もしまだなら今彼等に勧められてる投資の話しは断ってくださいませ」


 突然書斎に現れた娘に困った顔になっていた。


「その前にノックくらいしなさい。彼との話ならロゼがあまりにも失礼極まりないからと言う理由で彼方(あちら)側から白紙の話がきて既に届け出も出してるから受理されてるよ。

 でも確かに投資の話は今もあるけど少し迷ってるんだよねぇ…断る理由を聞いてもいいかな?」


 まずは何も言わずに報告書の束を渡すとラッセルも黙って目を通しながら驚いていた。


「これは…どうやって調べたの?その前に…これは本当かい?」

「やり方は教えられませんが事実です。この話に乗る人達は全て食われます。

 ですので出来るだけ彼方にも気付かれないように断ってください。

 代わりにこの話を受けさせてください!まずは此方(こちら)をどうぞ…」


 書類をもう一束渡すとラッセルはまた驚いていた。


「これは…しかし…知識もないのにリスクが高くないかな?」

「問題ありません。知識ならありますわ!彼方は今融資を募っている最中で今なら私達が有利な条件で進められます。

 泥船に乗るよりはかなり有意義なものとなりますから騙されたと思って密かにこれにお願いします」


 それはとある鉱山の所有権だった。

 説明の通り今は融資を募り発掘をする内容で、この鉱山は確実にダイヤモンド並みに高価な魔鉱石が出る事は調べがついていたがそれは黙っていた。

 更にこの魔鉱石が出る場所は固くしっかりした岩盤で金も出るため、お買い得だったがまず相手の反応を見るためにこれも黙っている事にした。

 ロザンナの調査書に目を通しながらラッセルは納得した表情になると彼女を見て頷いた。


「わかった。ここまで調べ上げたなら私もこの話しに乗ろう。

 もし損失が出たらお前に責任を負わせるが勿論その覚悟も出来てるんだろうね?」

「勿論です!その代わりに絶対に我が家が一番の投資先になるくらいの額を提示してください。

 私はそれ程の価値があると思ってますので大きく勝負に出ても問題はないと判断しました」

「わかった」


 内心では半信半疑だったがロザンナの覚悟を見て念の為に急いで調査に乗り出してみると特に問題ないと判断してロザンナの話の通りに投資先で自分達が有利になるくらいの額でやると思っていた以上に大当たりして驚いた。


「以前にロザンナの話していた鉱山から上質な高純度の魔鉱石と金が大量に出てこれはうちがほぼ独占して権利を得ているよ」

「だから私を信じて良かったでしょ?それで彼方の話はどうなりました?」


 話題が変わると厳しい表情に変わったのでそれだけでも察する事が出来た。


「あれもロザンナの話の通りだった。彼等も食われて大損していて私に何か知っていたのかと聞かれたから知らぬ振りをしたんだ」

「有り難うございます。では次はこれを」


 予想通りの状況に頷いた後にまた何も言わずに書類を差し出した。

 そこには次に当たると予想した物の輸入品が書かれていた。


「これは?まだこの国には無い筈だけど…?」


 それはある商会の話だった。


「この商会は今は我が国との繋がりが欲しいような情報を掴みまして慎重に調べてみましたが特に問題はありませんでした。

 一時的な業務提携みたいな形で我がクローバー伯爵領に来て頂いてから彼等の持ってくる物で珍しい物を王妃様に献上しましょう。

 王妃様の好みはまた調べますので暫くお待ちください。これで我が家は安泰ですわ」


 ニヤリと笑うとラッセルも先が想像出来てニヤニヤが止まらなかった。

 この時には既にロザンナは王妃の欲する物は調べていて彼等がそれを取り扱っている事も知っていたがまた黙っていた。


「わかった。では彼等を我が領に招待しよう」


 そしてラッセルは念の為に自分でも調べると問題がなかったので彼等と話をしてこの領地を拠点に運営する事で契約するとロザンナは早速然り気無く助言をして王妃の誕生日を祝う宴の席で王妃の欲する物を献上すると王妃はとても喜びロザンナ達を高く評価した。


「ロザンナ凄いじゃないか!次は何をするんだ?」

「次ですか?今は何もしませんよ?」

「何故だい?」


 意外な答えにラッセルはキョトンとした。


「今は様子見です。資金は潤沢ですが私達が経営を拡大して上手く回せば周りに勘繰る者が現れて邪魔が入ると腹立たしい結果になりかねなません。

 上手くいってる時ほど調子に乗って大きく動くよりは多少は慎重になり足元を確かめながら念のために周囲への不信感を煽りすぎないようにして今は偶々(たまたま)ついていただけなんだ…と思わせてしまいましょう。

 その間に次に利益を生みそうな物を探ってみますので暫くお待ち下さい」

「なるほど…ロザンナを大人しくさせて誰かの伴侶にする事だけが幸せに出来る近道だと思っていたが…どうやら私が間違いだった。

 今まで辛い思いをさせてすまなかった。今後はロザンナを後継者として認めたいと思うけどロゼの意見を聞かせてほしい」


 この提案は願ったり叶ったりだった。

 彼女の中では婚約者の印象が悪いので(ろく)な人間がいないと思っていて、それなら父親を説得して伯爵になっで縁がなければ養子でも…と考えていたので父親からの申し出と言う形でも有り難い話だった。


「謹んでお受けしますわ」


 それからロザンナは独自のやり方で調べてはそのリスク等を更に追及して安定した経営をすると周りから一目置かれる存在となった。




マーサ:お嬢様…本当に凄いですね

ロザンナ:有り難う(私の能力を使えば簡単よね)

ラッセル:本当に凄いよ!ここは裏話だから誰にも聞かれないし教えてくれない?

ロザンナ:仕方ないですね…私は動物達と心を通わせる能力があるみたいなんです。

ラッセル:それはそれで凄いね!人もわかるの?

ロザンナ:一応は触れればわかりますけど…今は聞かないように気を張れば聞こえませんから油断だけはしないように気を付けてますよ。

ラッセル:…(えーそれって私が妻が大好きすぎて過保護になりそうなのも知られてるのかな?)

ロザンナ…ぽん(気を抜いて肩に手を当てた=丸聞こえ)

ラッセル:まさか聞いた?

ロザンナ:お父様がお母様をとても大切に思ってらっしゃるなんて全く存じてませんよ。

ラッセル:いやぁー聞かないでぇー…

ロザンナ:…ここまで読んでくださって有り難う御座います。


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