1、転機訪れる
ご注意下さい。
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「もういやっ!貴方なんが大っ嫌い!こんなの白紙よハ、ク、シ!」
この日の私は一緒に観劇に来ていた婚約者にうんざりして劇場を後にしようとした。
「ロザンナ待って! 私が悪かった!」
私の名はクローバー伯爵家のロザンナ。
今は観劇中に婚約者が席を立ったまま戻って来ないので劇が終わる頃に婚約者に嫌気が差した私は席を立ち、個室席から出ようとすると彼と鉢合わせして素早く避けると彼が追いかけようとしたので急いで階段へ向かい最後の一段で捕まりかけたときに転げて顔面から倒れた。
この時にスッポンッと何か妙な音がしたかと思うと気付けば私が倒れていて、立ったままの私がいた。
「ロザンナ!ロザンナ!?あ、ああ…血が…大変だ!すぐに医師を!」
婚約者殿が慌てた様子で医師を手配してくれていたが、私はもう一人の私をただ見つめていた。
「あれ?私どうしたんだろう?」
慌てふためく周囲を余所に全く気付かれない私はふと思い付いた。
「これ死んだんじゃない?」
そしてキョロキョロと周りを見てその人達に手を振っても全く気付かれないので確信した。
「やっぱ死んでんじゃーん?なーんか呆気なかったなぁ?おい婚約者殿、君はなかなか嫌な奴だったよ」
肩にポンッと手を置くと何か聞こえてきた。
(どうしよう…ロザンナがこのまま呆気なく逝くと俺のせいに…少し浮わついた気持ちになっただけなのにこれはあんまりだよ!)
それは彼の本音だった。
「おい!何処までも最っ低だな…お前との縁が切れる前に一発殴っときゃ良かったよ」
ロザンナは心の底から軽蔑した。
「アマンド様…あぁ…なんて事!」
婚約者のシュルテ侯爵家のアマンドと別の席で会ってた女性が近付いて青ざめていた。
その女性の肩にも手を置いてみた。
(あらまぁ、運が無かったわね?彼は私が好きなの。私と彼が親密な所を見せつけてあげても良かったけど…このまま儚い人になるならそれもまた良しよねぇ…)
心配そうな顔をしながら考える事はなかなか屑だった…
「あぁ…私ってラッキーじゃん。こんなのに付き合う前にさくっと逝くなんて付いてるぅー」
私は暫く誰かに憑いてまわり本音をたっぷり聞いて楽しんでから花の道を見付けてそこに向かう事にした。
アマンド:あぁ、どうすれば…これって絶対に何か言われるよね…どうしよう。
シャーリー(浮気相手):アマンド様は悪くないわ!貴方を理解してくれない彼女が悪いのよ!
アマンド:あぁ…シャーリーはなんて優しいんだ…
シャーリー:アマンド様…
ロザンナ:うん、私はこれで良かった!こんな茶番は御免だわね。ここまで読んで下さった皆様。有り難う御座います。宜しければページ下部の☆をポチッとお願いしますね。
前の話でご指摘がありましたので先に前書きにて注意事項を書かせて頂きました。