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脱線話











【ペット】愛玩動物。または、お気に入りの年少者。






何だろう。

前半の意味は置いといて、後半の意味がすごくヘンタイちっくな気がする。

そう思ってしまうのは、私だけでしょーか?






「愛玩動物ねぇ…」






【愛玩動物】猫や犬など、愛玩する目的で飼う動物。






「てか、そもそも愛玩ってどういう意味だろ…」






【愛玩】もてあそび楽しむこと。(小動物などを)大切にしてかわいがること。






「もっ、もてあそび楽しむこと!?」






「ペット」って言葉、よくよく追求してみるとけっこうアブナイ感じがするものなんですね!

普段何気なく使っている言葉でも調べてみると色んな意味があるんだなあ。

アブナイ方向の意味で使用されるのはあまりお目にかかりたくないですけども。






「おい」


「…」


「おい」


「…」


「返事をしろっ、カリンッ!」


「へっ!?私に話しかけてたの?」






顔を上げて前を見ると、レイシスが不機嫌そうな顔でこっちを見ていた(いや、これはもう睨んでると言った方がいいかも)。

てか、私を呼んでるなら名前で呼んでよ、て感じなんですけど。

私の名前は「おい」なんて可愛さの欠片もない名前なんかじゃないんだぞ?

「花梨」っていうステキな名前があるんじゃい。






「私、「おい」なんて名前じゃないんだけど」


「そんなこと知っている」


「じゃあ、名前で呼んでよ。「おい」じゃ誰を呼んでるのかわかんないじゃん」


「さっきの流れではどう考えてもお前を呼んでいたと思うのだが?」


「そんな流れ知ったこっちゃないし」


「……これだからバカは嫌なんだ」






バ、バカですと!?

まぬけに加えてバカとはっ!

確かに高校のテストで全教科赤点(むしろ10点以下)という自分でもびっくりな記録を残したことも過去にはありますけどもね?

人間の器はそんなテストごときじゃはかれないんですよ!

大切なのは、な・か・み☆ 

そう、中身なんですよっ!!

それがテストごときではかれると思ったらおおまちがいじゃ、ボケェ!






「テスト末梢ッ!学力無力ッ!中身万歳ッ!!」


「………………何を言ってるんだ?」


「つまりですね、学力ばっかで中身を見ようとしない人間の方がバカだって話ですよっ!」


「何がどうしてそんな結論になったか分からんが……お前の中身も期待できる代物だとは思えん」


「どういう意味よ、それ!?しかも中身って、どういうこと!?ってッ!!」


「中身も学力も期待できないバカだということだ」






なっ、何だって!?

何処まで人をバカにしたら気がすむんだこのクソヤローはッ!!

ええい、こうなったら最終奥義のあの言葉を使うしかない…!

せーのっ!!






「バカって言う方がバカなんですーっ!」


「はっ!根拠も何もない反論だな。やはりバカと言うに相応しい」






ぬうおーッ!?!?!?

まさかの秒殺!?

しかもまたバカって言われたあーっ!!






「む、無念…!」


「…」






最終奥義が敗れた今、私に反論の余地はござーせん。

撃沈ですよ、撃沈。

もう煮るなり焼くなり好きにしろってんだっ!ふんっ!






「おい、カリン」


「はいはい、おバカなわたくしめに何用でございましょうか、賢いレイシス坊ちゃま?」


「ぼっ、坊ちゃま!?お前、我に喧嘩を売っているのか!?」


「まあっ!!何を仰ってるんですの、坊ちゃま?わたくしめに己のバカさ加減を懇切丁寧に厭味ったらしく教えて下さった坊ちゃまに感謝こそすれ喧嘩を売るなんて……そんな器用なことおバカなわたくしめにはできませんわあー」






「お前…!」






視線で人を殺せるっていうなら、今私を睨みつけているレイシスの視線がまさにそれだろう。

無駄に顔が整っている分、ものすごい迫力だ。

けど、私だって負けるつもりはない。

あんだけバカにされ、いくら言い返せなくなったからってすごすご引き下がるような女じゃないのよ私は!

さっき煮るなり焼くなり好きにしろって思ってしょげて見せたのは、お前を油断させるためのフェイントだよ、フェイント!

まんまと引っ掛かりおってこの金持ちのボンボン野郎めッ!!

ざまーみろってんだ、うひょひょッ!!






「はい、そこまで」






レイシスとの睨み合いに、「これもう火花とか散ってんじゃないの?」と思い始めたまさにその時。

パンパン、という小気味いい手を叩く音が辺りに響いた。

それと共に聞こえてきた声に視線を向ければ、笑みを浮かべた金髪美女さんの姿があった。






「さっきから聞いていれば女性の、しかもこんな幼い子に向かってあまりに辛辣なことを言いすぎですよ、陛下。あなたは人に対する態度が冷たすぎるのです。気をつけなさいと日頃からいつも言っているでしょう?」


「しかし、あの小娘は我をバカにしたのだぞ!?坊ちゃまなどとふざけたことを言いおって…!」


「幼い子供の言葉です。真に受けることではないでしょう?」






金髪美女に窘められるレイシス。

ぷぷ、いい気味だぜ。

人をバカにするからこんな目に合うんだ、アホちんがっ!






「王をバカにするなど大人はもちろん子供だって許されることではない!そんなこと常識だろうが!」


「あの娘はこの世界の者ではない可能性が高いのですよ?ならばこの国の定義に当てはめて考えてはなりません。突然やって来た異世界の常識を瞬時に理解するなんて大人だって難しいことです。ましてやこんな幼い子には無理と言えるでしょう。だからこそこの世界では当たり前のことである陛下―――誇り高きリュカリエ国王に敬意を払うということをこの娘ができなくてもせめてはなりません。寛容な心を持たなければ」






うんうん。

金髪美女さん、いいこと言うなー。

でもちょっと待ってくださいよ?

さっきから引っかかってることがあるんですよねー…。






「あのー」






恐る恐るといった感じで金髪美女さんに声をかけると、「はい、何でしょう?」と艶やかな笑みを向けられた。

おおう…眩しい。

美形は大好きだけど、美しすぎるのも心臓に毒ですね…。






「あたしっていくつに見えます?」


「……はい?」






いや、私も唐突過ぎる質問だとは思うんですけどね?

でも気になるんですよ。

だって、レイシスと金髪美女さんの話ぶりから推測するに、私ってば絶対に実年齢に見られていないよね?






「……10歳くらいでしょうか?」


「10歳!?」






嘘でしょっ!?

確かに私ってば童顔だからいつも実年齢より2、3歳は年下には見られてきたけど、まさか7歳も年下に思われてたなんて…!

しかも10歳っていったら………小学生じゃないっスかッ!!






「私、17歳なんですけど…」


「17歳だと!?」






金髪美女さんと話してたはずなのに、実年齢を告げたら驚きを露わにした顔でレイシスが会話に割り込んできた。

………そんな化け物を見たかのような顔で驚かなくてもいいじゃんかよ。






「これは失礼いたしました、カリン様」






少し目を見張って驚いていた金髪美女さんが、気を取り直すように私に謝罪をした。

完璧な角度のお辞儀。

いやー、何かそこまでされちゃうと逆にこっちが悪いことしてる気分になっちゃうんでいたたまれないんですけど、私。






「あ、いえ、私ってば童顔ですし背も低いから間違われても仕方ないと言えば仕方ないので…」


「その容姿で17?有り得ん…」


「ですが娘盛りの女性を子どもと間違えるなんて、やはり失礼なことです。申し訳ありません」


「いえいえ!頭を上げて下さい!」


「詐欺だろ…」


「…」






おい、さっきからちょこちょこ煩いぞレイシス。

どんだけショック受けてんだお前は。

てか、早く立ち直ってくれないと私も立ち直れないんですけど。






「ところでカリン様」


「あ、はい?」


「先ほどから気になっていたのですが、その手に持っているものは何ですか?」


「手……あ、ケータイのことですか?」


「けーたい?」






そうそう、レイシスとの言い合いのせいですっかり忘れてたけど私ってばケータイの辞書機能を使って「ペット」って言葉について調べてたんだよねー。

そしたら意外に「ペット」って言葉がアブナイ意味を含んでて。

もー、驚いたのなんのって…。






――――ん?ちょっと待てよ。






そもそも何でこの言葉を調べようと思ったんだっけ?

えーと、確か……私の処遇について話すとかレイシスが言って、『穏便な方向に進むといいなあ』とか思ったりしてて、そんでもってうーんと………あ、そうそう!そこでレイシスが「我のペットとしてこの王宮に留まることを許そう」とか言うもんだから驚いて【ペット】って言葉を調べたんだ!だって私の知ってる【ペット】って言葉は動物とかに使うはずのものだったからね。『何で人間の私に使ってんのこの人?もしかして【ペット】って言葉は私が知っている意味と別の意味もあるのか!?』とか思って、あたふたしてたらポテチを買いに行く時(つまりこっちの世界に来る前)にケータイをパジャマのポッケに突っ込んだこと思い出して、『あ、それで調べればいいじゃん』って感じで使ったんだよね。

そうそう、そうだったそうだった。

あー、思い出してスッキリ!!

問題解決☆






「――――って、全然問題解決してないじゃんッ!!」


「カリン様!?」






うおおおおおッ、あっぶねーッ!!!

すっかり忘れるとこだったよっ!!

【ペット】についての問題解決してないじゃんかっ!






「レイシスっ!」


「…………何だ?」


「ペットって、ペットってどういう意味!?」


「何だ急に?」


「レイシスが言ったんじゃない!ペットとしてここに滞在することを許すって!」


「ああ、そのことか」






気だるそうに前髪を書き上げ、レイシスが溜息をつく。

憂いを含んだアメジストのような紫の瞳が私に向けられる。

………レイシスさん、無駄に色っぽすぎやしません?






「やっと本題に戻ったというわけだな?……お前との会話は本当に疲れる」






あーあ、ほんと黙ってれば極上の美形なのに。

宝の持ち腐れとはまさにこのことですね。






「その言葉そっくりそのまま返してやりたい……」


「何か言ったか?」


「別に?」





















もう一度言います、神様。

どうせトリップするなら、もっと優しい王様のところにしてほしかったです。


























花梨がケータイを使って【ペット】って言葉を調べていた場面が冒頭の部分です。

いきなりあの始まり方じゃ、ちょっと分かりにくいかと思ったのですが上手い表現方法が見つからずあのような形に…。

文章表現が稚拙な作者ですいません(ーー;)

大目に見て下さい(>_<)








久しぶりに更新したのですが、お気に入り登録をしてくださっている方がすごく増えていて驚きました。

嬉しすぎて涙が出そうです。

本当にありがとうございます!








もう少し早く更新できるよう努力しますので、どうぞこれからもよろしくお願いします!

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