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鋼鉄戦鬼アルテミス  作者: ヒョウコ雪舟
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第0話 戦いのコングが鳴る前に

 ここは無限に広がる大宇宙、そこには無限の生命を宿した惑星があり、数多の多種多様な人種が住まっている。


 幸福を謳歌する惑星も少なくはない。だが、光があれば闇もあり。

 

 その幸福をぶち壊そうと忍び寄る影があるのもまた事実なのだ。


 だがその闇から牙なき人々を守ろうとする戦士達が存在する。


 忘れられし宇宙ロストスペースから現れ、最強硬度を持ち多様に変化する生命鎧バイオアーマーを身に纏い邪悪をなぎ倒す姿は鬼神の如く! 


 そんな姿を見た人々はかつて、とある伝説の巨人種族の名をとり、こう呼ばれた鋼鉄戦鬼ヴァルバム


 そして、このとある星の衛星を舞台に鋼鉄戦鬼となるために最後の試練へと赴く若者がいた。


 一見、雪だるまのような全身を覆い隠すデザインをした生体鎧。


  防御力は高いが鈍重で動きにくく、着ているだけで体力を奪われ続ける。


 デメリットしかない鎧に見えるが、これはヴァルバムになるための試練の鎧。


 彼らはこういった鎧を身に着け、ありとあらゆる敵と戦う事で鎧に持ち主の情報が蓄積されるようになっているのだ。


 今回挑む敵は全身を生体金属に覆われたサイボーグのような怪獣。


 その巨体と赤く怪しく光る一つ目には普通の戦士ならば、思わず後ずさりしてしまうほどの威圧感が発せられている。


 だが、彼女はヴァルバムの戦士、普通であるはずがなかった。


 重い生体鎧をものともせず、何より怪獣の圧力にも恐れず、ダッと駆け出す。


 若者が駆け出したのに反応して、怪獣の胸に備えつけられている発射口から赤いビームが拡散して放たれた。


 だが動じることも無く丸い生体鎧の防御力に任せて、無理やり弾き飛ばす。


弾かれたビームは白い大地を深々と抉り、巨大なクレパスを形成する。


 若者は速度を抑えることなく一気に、怪獣に肉薄する。足をガシッと掴み


「うおおおりゃあああ!」


 フルフェイスのマスクから発せられる男とも女とも取れないくぐもった雄叫びと共にサイボーグ怪獣を持ち上げ、地面に叩きつけた。


 若者は素早くサイボーグの上に馬乗りになり、その紅蓮の拳を怪獣の装甲にめり込ませる。


「ライィィジン!!」


 一言、叫ぶと鎧から浮かび上がるようにバチバチと光る金色のクリスタルがあらわになる。

 

 次の瞬間、大量の電気が怪獣に流し込まれ、機会の部分は弾け、肉はブスブスと焦げている。

 

 拳を引き抜くとその手には赤く輝く心臓のようなものを握っている。


 手に力を入れ、一思いに握り潰すと心臓のようなモノは赤い粒子となって消えた。


 すると怪獣はピクリとも動かなくなり、赤い瞳にも光が消え完全に怪獣が死んだという事を伝えた。


  若者がゆっくりと立ち上がると、死んだはずの怪獣がガタガタと震えだし身体が布のように崩れ出す。


 さらに若者が着ていた生体鎧も、それに呼応するかのように崩れ出すと怪獣の生体鎧と結合を始める。


 若者を取り囲むように巨大な球体を形成すると次第に収束し、新たなる鎧へと進化する。


 全身を真っ赤な鎧を見に纏い、腕部と胸部装甲には試練の鎧と同じ強度の高い白の鎧。さらに体の至る所にはさきほど、浮かびあがった金色のクリスタルが配置されている。


 特に目立つのは頭部を覆う黄金の角を持った兜だろう。


 これが試練に打ち勝った彼女だけが持つ真の生体鎧だ。


 その光景を見ていた大男が一人、炎のように赤い髪を短く角刈りのように切り揃え、その巨体に相応しい重量感のある強固な生体鎧を身に着けている。そして金色のラインが入っており常にバチバチとスパークしている


 その横には雷を模した巨大な剣が白い大地に堂々と突き刺さっている。


 彼女がその男に気付くと、大男は一瞥いちべつして、隣に突き刺さっている大剣抜き放ち、少女の後ろに見える美しい星を剣先で指した。


 彼女が振り向くと鎧越しの瞳に映し出されたのは青く輝く美しい星、太陽系第三惑星地球。


 太陽に映し出された地球を見て、彼女、アルテミスは力強く微笑むのであった。


 これは彼女が鋼鉄戦姫と呼ばれる前の物語、そして、これから始まるであろう怒涛どとうともいえる戦いへのほんの序章でしかないのだ。

普段はカクヨムで投稿しているのですが

色々な小説サイトでの反応とか見たくて

こちらでも投稿させていただきました!

どうぞよろしくお願いいたします。

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