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愛という名の死因  作者: 鈴川掌
愛と言う名の死因
9/14

囚われの姫が抱いたたった一つの心

いつもの日記です、今回は囚われのお姫様の話でした。

 ある所に少女が居ました。少女はとても優秀でした、それでいて皆に優しく、皆に好かれていました。


 けれどその少女に唯一欠点があるとすれば、少女には呪いがあり、決して外に出る事はできない事です。しかし少女はそれを何一つ悲観する事はありません。


 少女は話します「紙の本が読んでみたい」と、本というものがあるのは知っていました、けれど渡されるのは電子書籍、少女は紙の本を読んでみたかったのです。


 何度もお願いして、渡されたのは古い童話でした。本当は200ページ程ある本を紙で読んでみたかった、けれどそれでも30ページ程の童話を少女は食い入るように、脳に記憶させました。


 少女が見たのは、囚われのお姫様の物語でした。そのお姫様は呪いを持っていて、広いのに、狭い窮屈なお城に閉じ込められています、お姫様は退屈に今日も一日を潰します。けれどそこに隣国の白馬に乗った王子様が現れます。


 貴方に一目惚れしました、どうか私と結婚してくれませんかと、王子は語るのです。


 いきなりの事に城にいる王様も、臣下も、大パニック、国中が大騒ぎになります、白馬の王子は国を乗っ取る気なのではないかと。


 呪われた姫を嫁に欲しいなど言う筈がないと、王様は王子の願いを取り下げます。


 王子は言います「私は本当に姫を愛しているのです」と、王様は意地悪に答えます「ならばその事を証明して見せよ」この呪われた姫をこの国から自らの国に持ちかえれと。


 王子は了承しました、しかし王子が姫を国へ招くと王子の国は、崩壊してしまいました。


 物語はこれでお終い、後味の良い結末ではありません。けれど少女は思うのです、今白を破壊して、少女の目の前に立つこの人こそ、私の王子様だと。私が呪いのお姫様でも構いません、この王子の為に全てを尽くそうと。少女は思いました。


ここまで読んでくれてありがとう。

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