終章 愛と言う名の死因
完結です、本当は一か月で完結させて2月は再編に費やす筈でしたが、少し予定をオーバーしてしまいました。読み直していないので誤字脱字の確認や文のチェックもまだ、描写し忘れた場所もあるので本当の意味での完結はもう少し先になりますが、一先ず書ききりました。
世界を脅かしたアベンジャーズという、ある一人の少女の復讐劇は終わりを告げた。誰よりも、世界よりも大切な者が止めるという形という、少女が最も望まない形で終結した。
この組織が世界に齎した甚大な被害は、決して軽いと言えるモノでは無かった、少なくても数千万の死者、そして発展成功国と失敗国が行なった非人道的行為の暴露。庶民はテロによって失われた命に哀悼の意を示し、テロリスト達を憎み。そして国家は自らの汚点を全てさらけ出された事により、国民からの支持を失った事とテロによって受けた構造物の被害に遺憾の意を示し、そしてテロリストを憎み。まぁ結局の所、ほぼ全人類がテロリストを恨んでいるという訳だが。
そのリーダーたるツクロ兼モルは、私が世界をもう一度脅し……説得して身柄を確保し、その存在を抹消し、リーダーはミクロレベルに分解されたと、決して嘘でもない情報を発表させた訳だが、まぁそうでもしないと私が保有する事は許されない代物だったわけだ。
この文は、その後の顛末を私なりに纏めたモノとなる、纏めたからと言って誰かに提出する訳でも、見せるつもりは無いのだが、私なりのケジメにしようとそう思う。
まず私達が務めていた、民間テロ対策組織は事実上の解体、まぁ国が言えない様な事をされた人間と、表には出せない人間にある程度の自由を与える為の場所だった。
コールドスリープから唯一蘇生された人間、100年以上前に産まれた、キャップ。
全世界を変える事の出来る頭脳を持った人間、私という名の天才、明智。
この二名が表に出す事の出来ない人間。私は表に出すというよりも、世界から隠しておきたかった、そういう意図があっただけだろう、くだらない。
そして、デザインベイビーとして設計され、私が作り上げた数々の技術や研究結果を混ぜ合わせ成功した執念の産物、マリーという人類の限界点。
私の遺伝子組み換え、否改造とも言うべき技術を活かして人間に新たな可能性を見出そうとした、妄執が生み出した、サチアとミライと言う怪物。
この三名が国の見栄によって人間扱いされなくなった人間、といってもマリーは私自ら助けたから戸籍や家は用意して貰えたが、サチアとミライは最後まで国は人と認めなかったという訳だ、以上五名は前者二名生存、後者三名が死亡という結果になった。
私達は別に誰も死ななくて済んだ筈だ、そういう道は可能性が無い訳がなかった。けれど三人は死んだ。私達と彼女らの違いは何だろうかと考え抱いた、答えは一つ。
それは『愛』ではなかろうか?自分でも何を言っている?という自覚はある。
キャップは大切な友人を手に入れた、しかしその友情を切り捨てて、過去に受けた思いを呑み、唯一無二の友人を自らの手で葬り去った。愛のカタチは友愛。
私は愛を手放した記憶は無い、私が孤独にならぬように必死に繋ぎとめようとした、私の命を捨ててでも繋ぎとめようとした、けれどそれは叶わなかった。愛のカタチは悦愛。
私達はこの愛を捨てた人間だ、愛よりも優先すべき事を優先した、させられた。
マリーは、私というたった一人の愛する人と、恋した女を守る為に、自らの命を差し出すに至った、愛は決して手放さずに。愛のカタチは純愛と親愛だろうか。
サチアは、自身の妹守る為、そして愛したマリーが惚れた自分を貫き通す為に、自らの命を犠牲にした、自分が誰かわからなくなっても、それでも彼女は自分を貫き通した、彼女が最後見た幸せな夢はきっと許されるモノであろう。愛のカタチは情愛。
ミライは、サチアとの約束を守る為に、そしてツクロと言う女性を愛してしまったが為に、自ら命を絶った。きっと誰も望まないと知ってなお、彼はその道を歩む事を決めた。愛のカタチは世界への信愛、それともツクロへの最愛だろうか?
自ら信奉した愛を信じ散っていった者達、それが私の考える残った者と散った者の差だ、後悔など欠片も無かったのだろう、誰かの為に死ねるとはなんと幸福な事なのかと、想い抱きながら死んでいったに違いない。彼らの死因は愛だ、愛に溺れたのだ。
死んだ者達を悼んでは話も進まない、生き残った者達の話をしよう。といっても潰れた会社等とっとと捨てて私の個人資産で作った形だけの会社に皆務めている訳だが、私の事はどうでもいいか、まずはキャップ、彼は自分探しの旅に出た、仕事をする為に1ヶ月に1度は帰ってくるので旅と言っていいのかは不明だが、まぁ旅に出ている。自分の意志を持たない彼が何か掴む日はきっと来るだろう。
レニ君はサチアとミライの望み通り普通の小学生となった、少しばかり会社の指導法が悪かったのか偏った知識になっているが、それでも全国でも有数の頭脳である事には変わりないだろう、彼女らという支えが失った事に対しても理解を示し、そしてミライの望み通り幸せな日々を送っている、新たな支えと共に、支えの方が少し抜けている気もするが。
そして従業員はもう一人、これはミライの遺産か、それとも世界の負の遺産か、何と形容すればいいか少し悩むが…………。
「明智所長、ご依頼の品の進行状況は順調でしょうか?」
ツギハギだらけ少女が、私に問いかける。この通りミライが愛した、たった一人の世界一の大罪人はその特異性を喪失したが普通に生きている、と言うよりは生かされた。
「あぁ、進んでいるとも、そちらこそ今日もお墓参りかい?行くのは勝手だが行き過ぎると帰って怪しまれるぞ?幾ら私が存在を抹……、コホン…、とにかく控えるように」
「わかっています、けれど毎日通えば来来来世くらいで会える気がするんです、きっと…」
「そうかい、まぁ来来来世まで行けば、すれ違う位の事はできるだろう、頑張りたまえよ」
ツクロという少女は生きている、ミライの望んだ世界の通りに。そして彼女の言う事を私は馬鹿に出来ない。理由は単純だ。すっかりサチアに話すのを忘れていたが。
私は幸せな王子だ、公平を世界にバラまいて、最後には君達に迎えに来てもらえるのさ。
ここまで読んで頂きありがとうございます、この物語はこれにて完結となります。
しかしあと一話、人物やこの小説を書くのに最初から決めていた事を語るだけ語る設定集をアップロードして、完結設定を、この部分で完結しますにぽちっとやりたいと思います。
最初から読んでくださっている方や、この終章だけ見てくださった方、途中で見るのが無理になった方、感想やいいね、レビューをくれた皆さんに最大限の感謝と共に、一先ず「愛と言う名の死因」完結とさせて頂きます、1ヶ月間、日記以外だと平均単話2.5万字の作品を読んで頂き本当にありがとうございました。




