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始まり
「子供の時の夢は?」
俺の答えはいつも決まっていた。
ヒーロー
それはいつも季節関係なく暑苦しそうな仮面と派手なバイクに乗ったヒーローに影響されたわけでもなければ、すごく大きくなって実は町も破壊しているんじゃないか疑惑が出ているあの超男が大好きだったわけでもなかった。
ただピンチに現れ、あっさり助けてさっそうと消えていく。みんながわかりやすい言葉にすればやっぱり「ヒーロー」なるものに憧れたのである。
ただ現実はその言葉の通りやっぱり現実というもので、非現実にはなりえないのだ。
それでも自分が平凡を生きてきたのか、と問われればこれもまた答えはいつも決まっていたのだ、
「NO」と
これが非現実であることではないとわかってはいる、だからこういっておこう
非平凡と。
そしてこれがどういう意味をさすのか、それこそ俺がヒーローになりたい理由であり、なれなかった理由でもあるのだ。