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女神様の言う通りに動け!

作者: 縁側

何となく出した短編

「あ~~いい天気」


 俺の名はセン。現在村の………というか、この世界の理に習って教会に来ている。

 何で教会だって?そんなの決まってんじゃ~~ん?十五歳になったら成人して、それから祝福を与えられるからだ。


 うん。いつ見てもボロボロの教会だな、いっそのことぶっ壊せよ、俺はそう思う。


 所々穴だらけ、床はボロボロ、仕舞いには崇める筈の女神の像も首が取れて最早女神というか死神?という状態だ。


「もう!セン待ちなさい!私が先に祝福を受けるのよ!!」


 そして、後ろから文句を言いながら追い掛けてきた俺と同じ歳の女の子のメンナー。


 うわぁ………ぼこすか蹴ったりなぐったりして一緒に教会に来ている同じ歳の連中を退けてやがる、引くわー………何て言うと思ったか?知らんな。モブなんぞ。


「ふふふ、みんな私の祝福の凄さに恐れおののけ!」


 メンナーは一足先に女神(死神)の像の前で腕を組んで祝福を受けるための『言葉』を唱えた。


「私、メンナーは【新世界の神になる………】」

「ぶっ」

「誰だぁぁぁぁぁ!笑ったのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 」


 羞恥心で顔を真っ赤にしながら怒りの形相でこちらに振り向いたメンナー。


「お、おい………誰だよ」

「お、俺じゃねぇぞ!」

「何を言っているのだ私のメンナー。そんな事言う筈ないだろ?」

「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!!」


 ははは!私だ!笑ったのは私だ!残念だなメンナーよ。こんな大勢の同年代の子達がいるところで誰が笑ったか分からんだろ!

 当然!笑ったのは俺だがな!!ははは!!

 ところで………甘いことを吐いたキモい奴がいたが………気のせいか。


 て!ゆ!う!か!………何が【新世界の神になる】が祝福の言葉だよ!ふざけんな!最高じゃねぇか!人の恥ずかしがっている顔を見放題じゃねえか!!最高だな!笑えるわ!


「はぁはぁはぁ………まあ、良いわ!何せ私は」


 ガバ!と右腕を上げるメンナー。


 ん?あれは。


「見なさい!私は魔の祝福を受けられたのよ!要するに!最高の魔法使いに成れる才能が私にはあるのよ!!あはははは!!どうよ!愚民どもよ。恐れおののけ」


 出たーー!恐れおののけ!メンナーの口癖、本日二回目。アホじゃね?馬鹿だろ?


 おー、杖のマークがメンナーの右腕にあるなー凄いなーー(棒)別にどうでもいいですよ。そんなもんなくても俺は生きていくつもりだしな。しーらね。


「す、凄い」

「流石はワシのメンナーじゃ」

「あああ………メンナー可愛いよぉはぁはぁ」

「アホくさ」

「誰だあああああ!!アホ言った奴!!!!」


 うわっ!地獄耳かよ!ほんの少しつぶやいただけで聞きやがった!


 めっちゃ怒ってんなー。足でただでさえボロい教会の床をさらにだんだん!と叩いて破壊活動かよ………。


 まぁそんな事は置いといて。順調にモブどもの祝福が終わったなー。流れ作業ですね、わかります。


「お、俺かな?」

「ふん!どうせゴミ糞の祝福でしょうね!笑って上げる!」


 何か虫がぶーんぶーんと言っているが虫語は分からんから無視で。


 うわー見れば見るほど不気味な女神の像だなぁ………。さっさと終わらせよ。


「えーと………確か………【新世界の紙になる】だっけ?」

『違うわボケええええ!』

「おわ!?」


 なんだ!?


「さぁ!セン!貴方の祝福を見せなさいよ!」


 変なの聞こえたが無視無視。えーと、俺の祝福は。


 ん?女神のか………お?


 あ、ありのままを言うぜ!!何故か俺の右腕には大抵は杖や農具、剣と、人の顔のような物は浮かばない筈なのに!何故女神の顔のようなものが浮かび上がってるぜ!訳が分からないと思うが!俺も分からないぜ!


「な、ナニコレ」

「なになに………。!?あはははは!!こいつ!!異端者だわ!祝福を受けられてないんだもの!!」


 ん?何言っているんだ?女神の顔が浮かんでるだろ?


「ん?ちゃんと浮かんでるだろ?」

「ん?何を言ってるのかしら?何も浮かんでないでしょ?頭ぱっぱかりーになっちゃた?」

『女神は言っています。彼女、メンナーは………ビッチだと。いますぐそれを言い放ち。この場で彼女を完膚なきまでぶっ潰せと………』

「ぶほぉわ!!」


 また聞こえやがった!誰だおめぇは!


『女神は言っています。早く【ビッチ】っと言えと』


 こっわ!こいつ怖い!てゆうか………女神?


『yes!』


 ………。


『Oh,yes!』


 ………。無視安定。


『………女神は言っています………。早くビッチ、ビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチと言えと』


 うわぁ………。


「どうしたの?そんなに変な顔をして?気持ち悪いの?仕方がないよ?貴方は異端者!異端者よ!さっさとすんっっっばらしい私の前から消えなさい!」

「うるせぇ!ビッチが!!」


 あ。


「ゑ?」

「「「「「………」」」」」

『女神は言っています。そのまま実の兄も弟にも、隣のラシに近所のマリにもカシもムム、それに犬のポチにも、ゴリラにも発情した変態女だと言いなさいと』

「ビッチって言ったんだよ!実の兄も弟にも、隣のラシにも近所のマリにもカシもムム、それに犬のポチにも、ゴリラにも発情した変態女のくせによぉ!」


 はっ!?これは誘導された!?


『女神は言っています。言う通りにすれば万事解決と』


「な!何をいってるの!そんなわけ………」

「何!?弟よ!メンナーに手を出したのか!?」

「兄ちゃんこそ!」

「「この野郎!!」」

「メンナーのビッチがぁ!!」

「俺の純情が………」

「「「「ビッチ!ビッチ!」」」」


 ………。


『女神は言っています。このまま村人を洗脳して。メンナーに与えた、貴方に奪わさせるための祝福を取るための儀式を行い。彼女、メンナーを殺して。そのまま………その力で他の祝福を受けた同年代の者から祝福を奪い尽くせと………』


 よし!逃げよう!去らば故郷!二度と来ん!!!





『女神は──』



 黙れ!!くそ女神がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

お読みいただきありがとうございました!!

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