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酔っ払い娼婦(聖女)と絡まれた冒険者(勇者)

作者: 二段ベッドの下

聖女は処女じゃないと!って人は見ない方が良いかもです



私は渡りの娼婦である。

名前は場所によって変えるのだが取り合えず此処ではジュディと名乗っておこう。



「堂々と偽名宣言かよ!」

話の腰を折るんじゃないよ少年。



娼婦とは春を売って稼ぐ女性の事を指し、その行為を売春というが、売春を斡旋する場所を巷では娼館と呼ぶ。

しかし娼館には政府の認可を受けたものと無認可のものがある。

そして、

政府の認可を受けた娼館を華見屋

政府の認可を受けていない娼館を華屋

と呼ぶ。



「何故に花屋…」

違うよ少年、()じゃなくて()。娼婦を華と呼ぶこともあるんだ、覚えとくと良いエロオヤジになるよ。



認可を受けた娼館だと綺麗な女は金を積んでも買えないので華見屋。

無認可だと金さえ出せばどんな女も買えるから華屋。


因みに私は渡りの娼婦なので娼館には所属していない。

娼館に所属していない娼婦は街娼とも呼ばれ、春を扱う業界の中でも最底辺の存在だ。

そして渡りは、街から街へ移動する者、つまりは何処にも定住していない浮浪者の事であり、社会の最底辺の存在だ。


まあ、今までの話で何が言いたいかって言うと、

つまり、"渡りの娼婦"である私は人間のヒエラルキーの最底辺のさらに下を這うような存在だって事だよ。



「……(ドン引き」

こらこら引くんじゃないよ、お姉さんの話に付き合いなさい。

「(この酔っぱらいうぜえ…)」



それで…まあ、今ではヒエラルキー最下位な感じの私だが、元々は極あり触れた中流階級の産まれで別にストリートチルドレンだったとか、スラムで産まれたとかそういう訳ではない。

多分、ずっと祖国にいたら決められたレールの上を走るだけの人生だっただろうけど、そこそこ身分の高い人と結婚していただろう。


世の女性達がよく言う普通の幸せというやつだ。

まあ私はそれが嫌で逃げ出したのだけれど。


普通の幸せから逃げ出した結果が娼婦でした。

まあ、普通の夢見るオンナノコなら絶望する所だりうけど私は此の生活が気に入っている。

元々気持ちいい事が大好きだし嫌いなことはやりたくない。なので、好みの男に声をかけて一晩寝るだけでお金がもらえるなんて、寧ろ自分にあった最高の職業だと思っている。



でもまあ、世間じゃ後ろ指を指される存在だって事も分かってるよ。

同じ浮浪者でも武器をもって魔物と戦う冒険者は魔物の驚異を取り除く者として尊敬されるが、体を使って男から金をむしりとる娼婦は悪として軽蔑される。

ついでに、私みたいな街娼は憲兵に見つかると場合によっては殺されるかもしれない危険があるしな。

まあそれでなくても私の場合、祖国に戻れば犯罪者として奴隷落ちだろうけど。



「お前、クズだなとは思ってたが本当に犯罪者だったのかよ!?」

ははは、一旦落ち着いて椅子に座ろう。

そして酔っぱらいのお姉さんに付き合っておくれよ?



私の産まれた国では、その年に5歳になる子供達を集めて教会でステータスの開示を行い一人一人にあった教育を受けさせる。

生産系のスキル持ちなら職人へ、戦闘系のスキル持ちなら戦士へ。

そして、光属性持ちなら教会へ。

教会に引き取られた子供は聖女や勇者としての教育を受ける。

まあ光属性持ちは他に比べてあんまり生まれてこないけど。

でも、聖女や勇者何てなるもんじゃないけどね。

勇者は、魔族殺してこいとか、魔王倒してこいとか言われて大体戦死しているし、聖女も聖女で教会や国にこき使われて、民衆から突き上げくらって大体最後は暗殺か過労死だ。


本当、自分の祖国が腐ってて嫌になる。

しかも、揚げ句の果てに邪神倒してこいとか、ねぇ?戦闘スキル皆無の聖女に闘えって、本当に無理を言う。


どうせ何時もみたい『我らの神の名の元に!!』とか居ない神を語って本当の神様起こらせたんだろうね。

本当もう死んでください私に関係無いところでって感じだよね。


大体、聖女教育って性女教育の間違いだと思うんだよね。確かに光属性持ちは他に比べて少ないけど年に1人は見つかるんだ、でも聖女や勇者として表に出るのは常に1人だけ。

他はいかに男を操るかだとか、褥での作法だとか、男を悦ばせる方法だとか、神官のすることじゃないだろう?


本当、あんな国逃げて正解だった。あんな国の為に神様に頭下げて命で償うとか無理無理。

私は自分の命で国を救うとかできる人種じゃないからなぁ。寧ろ、何万人を犠牲にしても自分は生きたいと思うんだよね。

大体、神の怒りを鎮める何て勇者召喚でもしない限りむりだろうね。



「……っえ?どういう事だ」

何だ、少年は勇者召喚が気になるのかい?



さっき私は聖女や勇者を教会が教育していると言ったけど、実は勇者は召喚することができるんだよ。

元々光属性は神に愛された者の証で、それ故に光属性持ちには勇者と聖女の称号が与えられるんだ。

けれど、召喚された勇者は特別でね、界を越えてまで欲しいと思った神のお気に入りさ。

これは少し神に詳しい者なら誰でも知っていることだよ?

召喚の儀式なんてほとんど意味はないんだ、ただ神に大義名分を与えてるだけ。


そう言えば、逃げるときに勇者でも召喚しろ!!って殴り書きして出てきたんだっけ。

うーん、まだ国が滅んでないってことは、もしかしたらもしかするのかな?



ありゃ、少年?固まってどうした?

「……お前かっ!!!!」

ちょ、行きなりどうした!

「お前がっ、」

私が?

「お前が諸悪の根元かあああーー!!」

はあ?私がなにをしたっていうんだ?

「逃亡聖女・ジョゼフィーヌ!お前のせいで俺がこの世界に召喚されることになったんだよっ!!!」






あはは、これは驚いたあんな殴り書きを真に受けるだなんて!!

「そりゃあ!ここ500年で最も優秀な聖女様の言葉ですからねぇえ"」

怖い顔するなよ少年、いや勇者くん!折角の男前が台無しだよ?

「うわっ、すっげえムカつく。おい尻軽聖女、お前病気持ってないよな?」

うん?病気?仮にも私は聖女なんだからそれくらい治せるよ。



………ははぁん?




「お代は貰うよ勇者くん?」

「誰が払うかクソ聖女(ビッチ)


多分この後二人は神様に頭下げまくって国の奴等の命で許してもらう。



主人公が重要そうな事をぺらぺら話してるのは前の客が金払いがよくて機嫌がよく飲みすぎて、酔っ払い、なおかつ勇者が好みだったから


ということにしておきます

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。 こういう聖女もアリかな。 この二人の関係が今後どう変化していったのか知りたいです。続編希望。
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