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長らくお待たせいたしました。
やっと、主人公の名前がでました。
「わたしのような女神という存在は、基本的にひとつの世界に1体存在します。根本的にその世界に生きる物たちが信仰する神とは違う存在で、わたしたちが彼らの願いに耳を傾けることはありません。」
「女神様」というから、古事記やギリシャ神話にでてくる神や女神のようなものかと思っていたのだが、全く別の存在らしい。
「わたしたちは世界が崩壊しないよう、見守り続ける存在なのです。世界に生きる物たちには干渉せず、世界の綻びを修正する為にしか"ちから"を使えません。ですが・・・」
神妙な表情で話していた女神様の顔が苦悩に歪んだ。
「ある時を境に、わたしは"ちから"を失ってしまったのです。」
「力を失った?」
「・・・・・・はい。わたしの中にあった"ちから"が突然、どこかに行ってしまい、世界の綻びの修正が出来なくなりました。」
「力が何処かに行ってしまったというのは、どういう事ですか?」
「どこかに行ってしまったというより、何か意思を持つものに奪われたという方が正しいかもしれません。わたしが"ちから"を失った後、世界の綻びは急速に進みました。そのようなことは、意図して世界を攻撃しない限り起こらないのです。」
「・・・女神様の力を奪った何者かが、その力を使って世界を攻撃したと?」
「その通りです。良くも悪くも、世界に影響を与えられるのはわたしたち女神が持つ"ちから"だけなのです。その為、わたしたちには‘ちから’を世界の綻びの修正にしか使えないという制約があります。」
・自分が担当する世界が、自分が持っていた力によって傷つけられている
・しかし、力を奪われている為にその傷を癒すことが出来ない
・力があったとしても、制約があるので力を奪った何者かを攻撃することは不可能
女神様の話をまとめてみるとこんな感じか。
何というか・・・打つ手なしとしか言えない状況だ。
「このままでは、わたしが見守る世界は崩壊してしまいます。そして、ひとつの世界の崩壊は、他の世界に決して小さくない影響を与えてしまうのです。」
「影響・・・。」
「他の世界の女神にとっても、わたしの世界の危機は他人ごとではないということです。そこで、女神たちによる話し合いが行われ、ある救世策がとられることになりました。」
「私がここにいるのはその救世策が理由ですか。」
「そうです、夜鷹冴月さん。冴月さんの存在がこの救世策の要であり全てなのです。冴月さんにはわたしが見守る世界に来ていただき、世界の綻びの修正をしてもらいます。救世主となって、わたしの世界を救ってください!」
わけがわからない状況に混乱していたが、女神様が突拍子もないことを言い出したので、一周回って落ち着いてきた。
「私のフルネームをご存じなのは女神様だからですか」とか、色々と言いたいことはあるが、ひとまずこれだけは今すぐ言わねばなるまい。
「嫌です。」
会話文が多くて・・・。
地の文を増やそうと四苦八苦したのですが、違和感がぬぐい切れなかったのでカットです。
次話も今のところこんな感じ。