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初投稿です。
ゆっくり更新になりますので、気長にお待ちください。
「・・・どちら様ですか?」
「女神様です!」
目が覚めると目の前に知らない女性がいたので、湧き上がる思いをそのまま疑問として呈したのだが、間髪入れずに返されてしまった。しかも、女神様だそうだ。
・・・なるほど。改めて女性を見てみると、金髪碧眼の妙齢の美人さんである。柔らかく波打つ髪は美しく、スタイルも文句のつけようがない。その上、ギリシャ神話を彷彿とさせる白のドレスを着こなしている姿は、女神だと言われても納得のいく神々しさだ。
そんな女神様が、幼子のように瞳をキラキラさせながらこちらを見つめている。
「あの、」
「はい!」
話しかけるとすぐに弾んだ声で返事をするさまは、元気いっぱいの子犬に懐かれたようで悪い気はしない。しかし、妙な期待感を持たれている雰囲気には少々戸惑ってしまう。
「ここは何処ですか?」
「わたしが創った空間です!急いで創ったので何もないのですが、冴月さんを喚ぶためにがんばりました!」
つくった?空間を?
「つくった」のニュアンスが、私の聞きなれた「作った」と違うことは絶対に気のせいではない。ついでに言えば、「よぶ」のニュアンスも絶対に違う。
「何もない」という言葉も気になり周囲に目を向ければ、本当に「何もない」真っ白な空間が広がっていた。ただただ白く、私と女神様しかいない空間は部屋になっていると思われるが、奥行きをあまり感じられないため視界には平面のように映る。
そんな場所に自分が存在し、女神様なる人物と会話している状況を認識した途端、そのことに対する得体のしれない不安と恐怖が押し寄せてきた。どうしてこうなったのか思い出そうとし、目が覚める前のことを覚えていないことに愕然とする。1週間前に何をしていたか聞かれて答えられなくとも、昨日のことを聞かれて何も思い浮かばないということは無いだろう。
「どうしたのですか?」
私が混乱している気配を感じ取ったのか、女神様が心配げな表情で私の顔を覗き込んできた。
そうだ、この人に聞けばいいじゃないか。私をよぶ為に空間をつくったと言ったこの人に。
「何故、私はここにいるのでしょうか。」
「・・・少し長い話になるのですが、いいですか?」
震える声を抑え、普段通りの自分を意識して聞くもののすがる様な必死さを滲ませる私に、女神様はその外見より幼げな雰囲気を収め、真剣な光を瞳に浮かべて今までより落ち着いた声色で話し始めた。
1話分の文字数はどのくらいが読みやすいのでしょうか?
取り敢えず、切りのいいところまで。
次話はもう少し増やしてみようかな。