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言霊(ことだま)

作者: 門外不出

 ずっと昔、人間が言葉を使うようになってから、おいら達はいるんだよ。

 言葉は口に出しても手紙に書いても、いったん外に出てしまったらもう戻ってこないし変えられないよね。

 だから、言葉を使う時にはみんな気をつけていたんだよ。


 でもこの頃は、言われたり書かれたりした相手がどう思うのか、あんまり考えないでひどい言葉を使う人間が増えてきちゃった。


 おいら達、それで困っているんだよ。


 おいら達は、言霊ことだまって呼ばれているんだ。言葉に力を与えるのが仕事なんだ。

 「ありがとう」とか、「うれしい」とか優しい言葉にはいっぱい力をつけてあげる。だって、言われた人達もうれしくなるんだから。

 でもさ、力をつけたくない、いやーな言葉もあるんだよ。いやーな言葉だから言わないけどね。


 だからおいら達、言葉に力をつける方法を変えることにしてみたんだ。

 言われた人には、そのままの言葉の力を。言った人には2倍の力をつけるんだ。


 そうすれば、


 言われてうれしくなるような言葉を言った人は、2倍うれしくなる。きっと、うれしくなる言葉をいっぱい言ってくれるよね。


 言われてやさしい気持ちになれる言葉を言った人は、2倍やさしい気持ちになる。きっと、やさしい気持ちになれる言葉をいっぱい言ってくれるよね。


 言われて悲しい気持ちになっちゃう言葉を言った人には、2倍悲しい気持ちになってもらう。きっと、言われて悲しい気持ちになる言葉は言わなくなるよね。


 言われてつらい気持ちになっちゃう言葉を言った人には、2倍つらい気持ちになってもらう。きっと、言われてつらい気持ちになる言葉は言わなくなるよね。


 名案だと思うんだけど、どうなのかな?


 みんなが、相手のことを思いやって言葉を使ってくれるといいな。

 そうしたら、おいら達大活躍さ。みんなを笑顔にするんだから。

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