うちの妹が変態過ぎる
ある日、唐突に妹に話し掛けられた。
「ねぇ、もし目の前に好みの身体の人間が居たらどうする?」
反抗期に入った妹からの質問に俺は固まる。
「は⁇」
「だから、好みの人間が居たらどうするかって聞いてんの」
「えっと…」
久しぶりの会話がそれですか?
「とりあえず写真撮らせて下さいって言うかな…」
俺の趣味は写真を撮る事だ。
だから写真を撮らせてもらいたいと思う。
しかし、妹はふーんと素っ気ない返事をして、自分の意見を述べだした。
「あたしだったらね、まずその美しい胸板に触っていいですか、って聞く」
それを語る妹の手は嫌な手つきをしている。
ワキワキと嬉しそうに。
「んで、何か言われる前にいいんですか、ありがとうございますって容赦なく抱きつく」
……。
「相手が素早く嫌だと言ったら?」
「強行突破」
犯罪者一歩手前な考え方だ。
「と云う事で、チョット全寮制男子高校に行ってきて」
「ごめん、何で話がそこに飛んだ⁉」
確かに中学3年の夏なのに、進路が決まって無いけど……
「あたしね、思ったんだ。兄貴は、ウザいしキモい。息も止めて欲しいなって」
マジな顔で言われてMP(MIND POINT)を40食らった。瀕死状態だ。
「でもね、写真の腕だけは認めている。普通顔でもすごいと思う」
うん、普通顔って悪口か?
これってほめてんの?
「一応、ありがとう」
「そういう訳で、兄貴が居なくなったらいい事だらけなんだよ。あたしはスッキリするし、全寮制男子高校だからいろんなイケメンの写真を撮れるでしょ?ちなみに、風呂上がりの半裸写真を所望する‼」
いつから、うちの妹は変態になってしまったんだろう…。
「ついでに、王道転入生が来たらいいな」
「なに?王道転入生って」
「え⁉興味持っちゃった‼?」
その後、妹は嬉々として王道転入生のなんたるかを延々と語った。
結論。
うちの妹は変態過ぎる。
筋肉フェチで、腐ってやがった。