表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/53

神は言った。「無ければ作ればいいのよ?」

結果的に契約魔法が使えるようになりました。 はい。

最初はコ〇モを感じろ!って言われている気分だったけど中国拳法で気を練る練習をしていた成果なのか、試しにやってみたら出来ました。

とはいえ、拳全体にただ纏わせるのが今の限界で、トーガさん曰く


「それは、強化ではなく魔力の浪費ですね。」


・・・だそうだ。

しかし、かばんは使えるようになったし、来ている服も魔力で修復できるものでトーガさんの手刀でバラバラになった服に魔力を込めて触れると元通りになりました。

いきなり切りつけるの、良くないと思うな。

おもわず、殿中でござる!!って叫びそうになった。

とはいえ、道具類は手に持って使えば、使えるようになった。

ライターと水筒、財布と懐中電灯は魔力を込めないと使えないものだそうだ。

そんなこんなで昼食に。

神格が50未満のほとんどの神様は食事によって魔力を回復するそうだ。

トーガさん曰く


「食品には、エネルギーの元になる脂肪分のように魔力の元になる成分が含まれていて、これをマナと言います。 この成分は、肉体ではなく魂に蓄えられある程度以上に溜まると魂に吸収され魔力の最大値を高めます。 また、魔力が減少するとこのマナを魂で魔力へと変換し補います。 マナを全て失うと魔力の回復を自力で出来なくなるため、魔力を他の人が渡したり魔法薬で補うことがあります。 ただし、マナを蓄えすぎると魂がその負荷に耐え切れなくなり死に至ることもあります。 下界ではその知識が乏しい時代に、魔力量を高めるために魔法薬を飲みすぎて死んでしまう人たちが多くいました。 現在では、一部の貴族や王族と言ったいわゆるお金持ちの方々の間でのみ行われています。 魔法薬は、魔力を吸う妖魔や魔獣に襲われたときのために最低限のランクのものを所持しておくのが普通で、そういった方法に用いられる魔法薬は薬草や果物などで簡単に調合できます。但し、魔力を高めることが目的であるなら、えーっと、MPを1程度上昇させるのにおよそ200万円程度必要となります。」


だそうだ。 手際よく料理をしながらトーガさんはレシピを説明するように教えてくれた。

そして出来たメニューは、サラダにフランスパンのようなもの、桃のような果物に・・・

つぶつぶとした突起のある黒い塊がいくつも入った白濁したスープである。


「さあどうぞ。 マナの多い食品を選んだので体にもいいですよ。」


・・・ツッコミ待ちですか、そうですか。

これ、あれでしょ? 異世界でこんなの食えないよイベントでしょ?

しかし乗る。 それが僕クオリティ。


「トーガさん。 この黒いのは?」

「烏骨鶏ですけど?」


・・・まさかの地球産。


「神王様が気に入られたようで三階層の農場で飼育されているんですよ。 あ、長の方の神王様です。」


地球産じゃなかった。 

因みにトーガさんの話によると神界は全4層で4つあり、そのうち3つで世界を管理していてそれぞれに神王様が一人ずついる。

神界は、下から人界、獣界、自然界で名前のとおり、その世界で最も繁栄している種族によってどの階層で管理するかが決められる。 それぞれにその種族に加護を与える神様が駐在し、管理しているそうだ。そして一番上で神王様が世界の総合的な管理や神界の施設や組織の運営を行っているらしい。

また、三階層の自然界には天界で消費される食品や趣向品の類を製造しているらしく、奉納品や天使が持ち帰ったものも神王様や最高神の好みに合えばラインナップに追加される。 

4つ目の神界は他の神界の管理を行う神界王と言う最も偉い神様がいらっしゃるそうだ。

長とトーガさんが呼ぶのは今僕がいる神界の神王様のことで、同じ村の出身で二人とも元人間であり、その村の村長だったから長と呼ぶそうだ。


「そういえば、神界王様はどんな神様なんですか?」

「そうですねぇ。 直接お会いできるのは最低でも神格が800以上の最高神クラスの神ですし、正直そのくらいの神格がないと簡単に情報改ざんされてしまうそうです。 まあ、4つ目の神界は実質神界王様のおもちゃのようなものですから。 創造神としても最強にして最狂。 試しに作っては壊し、作っては壊しを繰り返されていて、他の神界を作ったのは壊すのは惜しいけど管理には飽きた世界を他の神様たちに押し付けるためだそうです。」


・・・言葉に出来ない。

さすが頂点というべきなのか、どうかしてるぜぇ!!と罵るべきなのか。

まあ、その瞬間消されるのだろうけど。


「伝説として語り継がれている話だと、神界王様が生まれたのは自分で自分を創ったからとか、最初に作ったのはベッドで、次に枕、最後に毛布を作って千年ほど眠ったとか、暗いから太陽を作ったけど寝るのに邪魔だから寝る前にいちいち太陽を叩き潰していたとか。 正直どの話もありえると言うのが恐ろしい所ですね。」


そんな話を聞き流しつつ、美味しい食事を楽しんだ。 気にしたら負けな気がした。

食事が終わり、麦茶のような飲み物を飲んでいると


「さて、食事も終わりましたし、ギルドに言って今後下界に下りたときに必要な知識を教えてもらうというのはどうでしょうか?」

「・・・ギルドって何ですか?」

「天界におけるギルドとは、その階で世界を管理している神様からの依頼を管理し、天界ではなく下界で直接人助けをする神様にその方のいる世界でどんな願いが寄せられているかを伝えることや、下界にいる神様に天界の様子や召集命令を伝える事などが主な仕事ですね。 あとシュユ君のような新人に色々と教えるのも大切な仕事です。」


なるほど。 それは行くべきだな。

そういえば・・・


「この格好(軍服)で言っても大丈夫ですか?」

「そうですね。 全裸とかじゃなければ大丈夫ですよ。 色々な世界の格好が入り乱れているのでなんならリアルアトラスの格好でも浮かないと思います。」

「・・・そうですか。」

「はい。 ギルドへは、まずこのカードをこの建物の外にでるとすぐそこにある門に設置されているカードリーダーに通してください。 このカードで7日間、門の出入りができるので失くさないようにして下さい。」

「門番の人とかはいないんですか?」

「ここは儀式場と、下界の門の管理をする施設のある区画で一般神の進入は基本的に禁止されてるんですよ。 ただ、私がシュユ君の面倒を見るように言われているので、特別に許可をもらっています。」

「そうだったんですか。」

「ええ。 門を抜けるとすぐにギルドの巨大な建物が見えますから、まっすぐにいってもらえば大丈夫です。 入ってすぐの所に受付があるので新人研修を受けたいと伝えれば案内してもらえるはずです。」

「了解です。」


敬礼して見せた。


「ふふっ。 健闘を祈る。」


敬礼してくれた。



荷物をかばんに詰め、門を出ると江戸時代のような木造の建物が数多くある中にひとつだけ高層ビルのような建物があった。

・・・思てたんとちゃう。

ここは中世ヨーロッパみたいな町並みとかじゃないのかな?

これじゃ某映画村と同じじゃん。

って、あ、第一通行神発見。


「すいません。」


茶髪に軽装の鎧、背中にはクロマグロのような大きさのメイス?を背負っている25才位に見える男性である。

得物を使う姿を見たいような見たくないような。


「ん? 何か用?」


特に軍服への違和感はなさそうだ。


「えっと、 ギルドってあの巨大なビルですかね?」

「ビル? ビルが何かは分からないけどギルドはあのヒルズだよ。」

「えっ、ヒルズ?」

「そう。 神王様がどこかの世界にあるヒルズって建物を真似て作らせたらしいよ。 確か、正式名称はロクホンギヒルズだったかな? 何十年か前にできて当時は用も無くギルドに行く輩が多かったそうだよ。」


神王様は地球、あるいは日本がお好きのようだ。

お礼を言って足早にヒルズへと向かう。

木造の建物は商店や飲食店のようだ。

内装はコンビニや、ファミレスのようだった。

・・・あれでしょ? これが今流行のギャップ萌えってやつでしょ?

と投げやりになりつつもギルドに到着。 うむ、でかい。

本物のヒルズを見たことないから比較はできないけど気合を入れて建てられたことは分かった。


手動ドアを開け、中に入るとスーツ姿の女性がいかにも受付という受付にいた。

・・・何? ギルドマスターはスーツ萌えなの?

だが、悪くない。 実に悪くない。 ああ悪くないとも。


「いらっしゃいませ、ギルドへようこそ。 本日のご用件はなんでしょうか?」

「新人研修というのを、ここで受けられると聞いてきたんですけど。」

「新人研修というのは、下界へ降りてのお仕事に関するものでお間違いないでしょうか?」

「はい。 おそらく。」

「では、まずギルドカードの作成を行いますので右手奥の一番の部屋の中でお待ちください。 すぐに担当のものが参りますので。」

「分かりました。 ありがとうございます。」

「分からないことや、迷いになったらまたお越しください。」


部屋の中は会議室のようだった。

とりあえず、椅子に座ろう。

・・・5分程度経った気がする。

すると扉が開いた。


「遅くなってすいません。 準備に時間がかかってしまって。」

「いえ、大丈夫ですよ。」


なにやら荷物を抱えておそらく女性が入ってきた。

ペ〇シマンのような外見ではあるが声はとてもかわいらしかった。


「はじめまして。 新人研修を担当しているクイナと申します。 本日はよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。 新人のシュユと言います。」

「まあ。 シュユ君? あの?」

「どの、かは分かりませんがそのシュユだと思います。」


有名なのだろうか? スミカさんがあることないこと言いふらした可能性もあるし探りを入れよう。


「えっと。 僕の名前は有名なのですか?」

「ええ。 ゲンコウ様にお力添えいただき、最高神である豊穣の女神ミノリン様とモリリン様に加護を頂いたのでしょう?」

「えっ。」


ミノリンにモリリン・・・だと? あだ名ではないのだろうけど・・・ダs

いや、女神ならまだ限りなくアウトに近いセーフだろう。 審判によってはスウィングとられそうだけど。


「お二方にご加護をいただいたと聞きましたけど?」

「すいません。さっき目覚めたばかりで神化にかかわることは何も知らないんです。」

「・・・そうですか。 お二方は男性がお苦手なことで有名なのですよ。 人嫌いと男嫌いに力を貸していただける人間の男が神になると数十年前に一部で話題になりましたよ。 たしかスミカちゃんが楽しげに話していたそうです。」


やっぱりね。 そうだろね。

・・・話を進めて貰おう。

 

まだ下界へはいきませぬ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ